2021年6月26日土曜日

6月26日土曜日/川崎の古本屋など


◇ 有楽町・蒲田・川崎

 朝から都内に。東海道線、山手線を乗り継ぎ、有楽町まで。土曜だから、電車は空いていた。オリンピックに向けてか、有楽町駅も改装されたようで、トイレがずいぶんきれいになっていた。といっても、以前のトイレをそんなに覚えているわけではないが。国際フォーラムは通行止めになっていて、その手前には荷捌き禁止の看板が出ている。銀座をひさしぶりに歩いたが、昼には蒲田に移動する。

 蒲田駅の西口と東口、両方を通るが、駅前では、どちらでも都議選の選挙演説をやっていた。東口を歩き、有名人の写真がたくさん飾ってある、春香園という中華屋で昼食にする。ランチメニューの豚肉キクラゲ玉子炒めを食べた。スープ、サラダ付き、600円。杏仁豆腐はセルフサービスと書いてあり、それがどういうことなのかよくわからなかったが、帰り際に、入り口の脇に冷蔵ケースがあることに気がつき、客がそこから勝手にとって食べていいということだったようだ。座った席の真後ろにあったので、視界に入らず、食べそこねてしまった。店員も教えてくれればいいのに、なんにも言わない。





 ブックオフに寄るが、なかなか目ぼしいものがなく、220円の単行本を1冊だけ買っていく。寝不足でふらふらしていて、ひと休みしたくなり、検索して、アプリコにドトールがあるのを見つけ、行ってみるが、混雑していたのでやめる。蒲田から京浜東北線で、川崎に移動し、近代書房の向かいのベローチェに入り、ようやくひと休みした。ラジオを聴きながら少し眠り、読書もするが、冷房がややきつい。2時間弱で出て、ひさしぶりに近代書房を覗く。川崎に寄ることはちょくちょくあったが、どういうわけか月曜ばかりで、ずっと近代書房の定休日にあたっていた。外の均一棚から、「本の雑誌」の先月号を見つけて買っていく。こちらもひさしぶりに朋翔堂にも行ってみると、外に、古い「FRIDAY」がごっそり出してあって、なにかいいものはないかと、一冊ずつ、表紙の見出しだけ確認していった。岡田有希子の自殺報道の号など、5冊買っていく。もっと買ってもよかったかもしれないが、活用法がはっきりとあるわけでもない。店内からも、「東京人」の夏目漱石特集を買う。立て続けにいいものが買えて、調子がよくなってきたので、ブックスマッキーにも足を延ばした。こちらの店は隙のない値付けで、いつもあまり買わないのだが、今日は雑誌に目が向く日で、「ビックリハウス」のバックナンバーから、とんねるずが表紙のものを買った。そして、モアーズのブックオフにも寄るが、しかし、こちらでは買うものがまったくなかった。本を詰めたカゴを複数並べているせどりがいたが、どうもこの店ではせどりによく出会うようだ。この規模の店で買うものがないというのは、せどりに先に抜かれてしまっているのか。川崎から京浜東北線で帰り、横浜には寄り道せず、ロピアで買いものしてから帰る。





◇ ラジオ

 夜に帰宅して、録画していたテレビ番組をいくつか。それから、タイムフリーで、聴きそびれていた先週の「爆笑問題の日曜サンデー」をようやく聴いた。エド山口の YouTube を、桑田佳祐が観ているというので、太田も観るようになったそうだ。寺内タケシが亡くなったことから、エド山口が語っていた寺内タケシのエピソードについてもしゃべっていた。寺内タケシの訃報を今週の月曜まで知らずにいて愕然としてしまったが、この番組を聴いていれば知れたのだ。聴きながら、オンライン将棋を指し、時間の記憶もなく、早々に眠る。

2021年6月25日金曜日

6月25日金曜日/「昭和50年男」



◇ 病院

 午後から外出。雨がぱらぱらと降っているが、天気雨のようで、駅に向かうまでに陽射しは強くなる。夏のプールで、シャワーを浴びているような雨だ。差していた傘も閉じた。横浜に出て、西口五番街のとり一で、ランチメニューのつくね丼を食べていく。550円。雨は止み、傘がさっそく邪魔になった。市民病院に歩いて向かうが、14時半の予約なのに、食べ終わった時点で、もう14時半になってしまった。天気がよくなり、登り坂を歩いていくと、じんわりと汗をかく。予約の時刻から、20分ほど遅刻して到着。疲れてしまい、診察を待つあいだ、眠くなった。例のごとく、体内の酸素量を測るのみの簡単な診察だが、今日は、数値が若干少ないと言われた。次回の診察は3ヶ月後、誕生日の翌日になった。病院の近くの薬局に寄り、薬を買い、横浜駅まで歩いて戻るが、帰り道は涼しくなり、汗はかかなかった。ビブレのタワーレコードに寄り、「bounce」をもらっていく。ここしばらくはうっかりしていて、何号かもらい忘れていた。上階のブックオフにも寄るが、なにも買うものなし。地下に入り、有隣堂にも寄っていく。

◇ 雑誌

 有隣堂で「昭和50年男」を買い、ベローチェに入り、さっそく読んだ。この雑誌は今まで買ったことがなかったが、最新号はコーネリアス「ファンタズマ」のデザインをそのまま拝借した表紙で、1997年の音楽シーンにしぼった特集をしている。冒頭からいきなり、小山田圭吾、石野卓球のインタビューが続く。それから、茂木欣一、曽我部恵一、ギターウルフセイジのインタビューなどもあり、なんというかゆいところに手が届いた人選かと思う人選で、これは買わないわけにはいかないと思った。なぜ、1997年なのか、という根拠はよくわからないが、コーネリアスが「ファンタズマ」なら、電気グルーヴは「Shangri-La」の年だ。卓球のインタビューでは、「Shangri-La」のリリース当時、シルベッティのクレジットがないことを山下達郎に怒られたというエピソードが語られていて、当時、卓球のインタビューは見つけたものはすべて読んでいたが、これは知らない話だった。「デビューした頃、トゥーマッチに偽悪的に振る舞っていたのは、そうでもしないと魑魅魍魎としたメジャーの世界に飲み込まれると思っていたんだよ。」とは卓球の言。渋谷系を扱うには、1997年はちょっと遅い感じがするが、この特集では、SMAP、SPEED、ポケットビスケッツなども登場し、強いていえば、渋谷系が J-POP に昇華され、吸収されたのがだいたいこのあたりということだろうか。

◇ テレビ

 夜に帰宅し、録画したまま観そびれていた、先週土曜放送の「まっちゃんねる」をようやく観た。2回目の「まっちゃんねる」は「女子メンタル」と「イケメンタル」の2本立てで、この番組はもう、単に「ドキュメンタル」を地上波でやるだけの番組になってしまうのだろうか。そうなると、松本人志はいよいよなにもしない。松本は、演者が演者を笑わせるという構図をやたらと好むが、もちろん、本来は観客(視聴者)を笑わせるべきで、その点では、「キングオブコントの会」のほうを歓迎したいのだが、しかし、そうはいっても観逃せはしない番組で、今回、「女子メンタル」はあまり見どころがなかったが、「イケメンタル」のほうは山田孝之の充実ぶりに目を見張る。「全裸監督」に扮してからがさすがで、型が決まっているぶん、揺るぎなさがほかのネタとはまるで違っていた。深夜1時頃に眠る。

2021年6月24日木曜日

6月24日木曜日/巣鴨・町屋



◇ 巣鴨

 昼前から外出。いよいよ夏らしい暑さになりつつある。相鉄線に乗っていると、途中で雨が降り、窓を閉めるようにアナウンスがあった。コロナの換気のために窓を開けていて、そこにゲリラ豪雨という組み合わせだ。過去にはなかった注意がいろいろと増える。東横線、山手線を乗り継ぎ、巣鴨まで、だいぶ、時間に余裕をもって到着した。巣鴨駅で降りることもめったになく、いか八郎の引退騒動以来である。駅前のパチンコ屋の前を通りがかり、あれっと思って近づいてみたら、店の広告にかしめさんが出ている。似ていると思ったが、ちゃんと名前が表記されていた。もうひとりのひとも落語家だろうが、名前が隠れていて見えなかった。

 西友に寄り、飲みものだけ買い、やけに広い道路を渡り、とげぬき地蔵に向かう商店街に入っていく。目的地はガモール志學亭。志ららさんが店長を務める落語カフェ(?)がオープンすると知ったのは「ビバリー昼ズ」だった。ホームページを確認すると、ちょうど落語会のある日に、別の予定で都内に出ることになっていたから、その前に寄ってみようと思った。落語会は14時から。ところが、20分前に着いた時点で、店員さんに訊ねてみると、満席だという。巣鴨駅には早く着いていたのに、わざわざのんびりしてしまった。おそらく、落語目当ての客ばかりではないのだろう。巣鴨の町の雰囲気をよく知らなかったが、なんのことはない、単にカフェとして大繁盛している。店員さんに二席空く予定と申し訳なさそうに言われ、また直前にお越しくださいということだったが、そのあとにもぞくぞくと客が現れる。これでは直前にきてもどうなるかわからず、まあ、せっかくきたけど、遠慮してもいいかという気になった。オープンしたばかりで、対応法がまだうまくできていないだろう。そもそも、ホームページを見ても、料金は飲食代だけということなのか、はっきりしない。しかし、繁盛していることがむしろ嬉しかった。少し先に進んだところにとげぬき地蔵尊があり、とりあえず、そちらを観光する。お参りするわけでもなく、ぶらぶらし、高座の様子をちょっと見てみたいと思い、14時過ぎにまた店の前に行ってみると、入り口のガラス扉を閉めている。落語のときはそりゃそうか。透明なガラスだから、なかは見えるのだが、落語会はまだ始まっていなかった。店の前で待っているわけにもいかず、あきらめて通りすぎる。


 事前に周辺の古本屋を調べると、この商店街を抜けた庚申塚のほうに一軒あり、そちらまで歩いてみることにする。それにしても、この人出の多さはなんなんだと思うほどだった。平日の昼間だが、年寄りには関係なく、露店もびっしり出ている。このコロナ禍の都内で、巣鴨がいちばんにぎわっているのではないか。商店街の終わりまで進むと、庚申塚の駅がすぐで、古本屋はその向こうにあった。かすみ書店というお店。わざわざやってきたが、残念ながらシャッターが閉まっていた。ブックオフに寄りたいと思い、今度は大塚まで歩く。この道は、スタジオフォーに行くのに歩いたことがあった。庚申塚からは、15分程度で大塚に到着。わざわざやってきたブックオフだが、買うものが見当たらず、2冊だけ買った。大塚で食べていこうと、駅前のごちゃごちゃしたエリアを覗くがなかなか決められず、やたらと歩きまわることになった。幸龍軒という中華屋に決め、とろレバ丼を食べた。900円。







◇ 都電

 これからがその別の予定で、町屋まで移動する。大塚駅前から、都電荒川線を初めて利用してみるが、路線検索すると、これがいちばん安いのだ。走っているすがたを見るとかわいらしく、乗ってみたいと思うが、しかし、実際に乗ってみると、たいして面白いもんじゃない。景色がいいわけでもなし、乗客もおおむね普段から利用しているような雰囲気で、もの珍しくて乗ってみたような人間は自分以外には見当たらず、きょろきょろするだけみっともない。大塚から座れたが、途中、お年寄りがずいぶん乗り降りする。席を譲るべきかと思っていると、みんな目の前を通りすぎ、車両の後ろに進んでいく。降りそこねてはいけないから、出口に近づいておくということなのか。あるいは、前から乗ってくるひとがいるから後ろに詰めておくというマナーなのか。乗車法はバスと同じで、車内で本を読むと酔うのではないかと思っていたが、そんなこともなかっただろうか。車両はバスよりも長い。40分、ぼんやりすることになり、混雑する区間もあり、目の前に人間がいるから視線のやり場に困る。混雑すると、風景はますます見えない。町屋の直前にはだいぶ混んでいたが、町屋で降りるひとが多かった。サンポップ町屋のサンマルクカフェに入り、アイスコーヒーとチョコクロを食べた。コーヒーのSサイズが、いつの間にか300円になっていた。滞在時間、2時間弱。


◇ 町屋

 18時半ちょうどに、かふぇ若茶に。「ハデジのまたまためんどくさい」の公開収録にお誘いいただき、収録は19時からだが、やや早めに伺った。ゆたかさん、かずおさん、河崎さん、池沼さん、すでにみなさんそろっている。今回は、奥の鉄道模型がバックではなく、店の真ん中にしゃべる場所を作ってあり、お客さんも少ないようだから奥の席に着いた。アイスカフェオレをいただく。収録前に座り位置の確認があり、かずおさん、河崎さんはその位置のまま、雑談をしていたのだが、かずおさんが自分に向かってよく話しかけてくれる。YouTube で観たカエルの捕食の動画について、なぜ自分に向かってそんな話をするのかがよくわからなかったが。収録内容の打ち合わせも少しあり、その話の流れで、かずおさんの若いころの話を初めて知ったが、「テレビ演芸」のときのヒロミとのエピソードが面白く、それを収録前に聴けたのが嬉しかった。原田泰造とは東村山の先輩後輩の関係で、かずおさんとつき合いがあるというのも知らなかった話で、ゆたかさんからは細かい過去の話をいろいろと教わっているが、かずおさんはかずおさんでやっぱり面白い話がある。収録では、少し前にツイートされていた、1990年の「オリーブ」に載っていた芸人の人気ランキングの話題をする。1本目の収録は、ランキングの1位になっていた Z-BEAM の話が長くなり、ほかの芸人にまでは触れられず、2本目で、ほかの芸人についてはざっと駆け足で語られた。ランキングでは、鮫島伸一、バカルディを話題にし、バカルディのエピソードから芸歴の話にもなり、初めて知ったが、好江師匠のカバン持ちの時代も含めると、正確な芸歴では、かずおさんはウンナンよりも先輩になるのだ。つまり、伊集院もウンナンより先輩ということになる。こんな話はいくらでも聴いていたかったが、3本目は弟子のムサシさんが加わり、ムサシさんが買った派手な衣装を話題にする。

 20時半には収録は終わり、カフェオレ代を払い、すみやかに失礼する。収録抜きにあれこれ質問したいくらいだったが、収録後に雑談していいものか、いつも計りかねる。町屋から千代田線、明治神宮前で乗り換え、副都心線、東横線直通の各停でのんびり帰ってくる。電車内、読書をしようとするも、記憶を刺激されたせいか、脳が興奮している。帰宅前にコンビニに寄り、「週刊文春」の小林信彦の連載だけを立ち読み。帰宅は23時過ぎになるが、その直後、激しいどしゃぶりになった。あと少し遅かったら、ずぶ濡れになるところだった。Spotify のポッドキャストで、今日の「大竹まこと ゴールデンラジオ!」のオープニングを聴くと、光浦はカナダに留学するため、来週からは新パートナーが登場するようだ。深夜1時過ぎに眠る。

2021年6月23日水曜日

6月23日水曜日/神保町二往復

◇ 偶然

 早朝に目覚め、生島ヒロシのラジオ番組をつけていたら、立花隆の訃報に驚いた。睡眠3時間程度で、朝から都内に。昨夜はどういうわけか、「爆笑問題カーボーイ」を完全に忘れていて、そうえいば、ラジコの地域判定が狂っていたが、とはいえ、こんなことはまずない。電車内で、タイムフリーで聴いていくが、「美の巨人たち」の永井博特集に田中が出ていたとは知らず、観逃してしまっていた。その話から、太田が観た「日曜美術館」のベーコン特集の話をたっぷりと。それから、高田先生の漫才協会外部理事の話にもなった。東横線に乗り、座れて、ラジオを聴きながら眠ってしまうが、新宿三丁目で乗り換えるために降りようとすると、隣りの席の若い男が、なんと、ピョン吉Tシャツを着ていた。

 めったに行くことのない曙橋に用があったのだが、この駅で降りるのは、それこそ、大学生のときにフジテレビに番組観覧に行って以来ではないだろうか。地下鉄の出口を出ると、ぽつぽつと雨が降っている。天気をまったく気にしていなかったが、しかし、ヤフーの天気予報を確認すると、晴れになっているからあてにならない。その後も、雨は降ったり止んだりしていたが、間がいいことに、おもてを歩く必要があるときには小雨になってくれる。昼食は赤坂見附で、ランチメニューのある店を探し、やきとん酒場ぎんぶたという店に入り、とじない豚カツ丼というのを食べた。モツスープ、豆腐、漬け物がつき、750円。

◇ 神保町

 それから、九段下に出て、神保町に寄っていく。昨日、注文があった本が見つからず、どうやらすでに売ってしまっていたようで困っていたが、もし神保町に寄れれば、新たに買ってしまえばいいんじゃないかと思っていた。「東京人」のバックナンバーだったが、雑誌ならそろっている店はあるだろうと考えていた。しかし、なにか必要のある本が決まっていて古本屋をまわるという経験は意外となく、九段下側から、ありそうな古本屋を覗いていくが、どこにでもあるだろうという気でいたが、いざ探そうとすると、ノウハウがわからない。ましてや、雨が降ったため、通常なら外に出してある均一本が出ていない店もある。交差点からすずらん通りに入り、適当に古本屋に入っていくが、こんなやりかたでは無理だと思い、検索して、ありそうな店をあたっていこうと考えるが、しかし、どう検索していいかもわからない。「東京人」では調べられず、雑誌専門店を念入りに見ていこうと、九段下側まで往復すると、古書ヴィンテージに「東京人」のバックナンバーがそろっているのを見つけ、必要な号を見つけるが、値段が高くて躊躇する。これではなんの利益も出ない。とりあえず、ほかになければここで買うことにして、もう少し粘ることにした。それにしても、疲れもあり、交差点のドラッグストアで、エクレアを買って食べた。また、すずらん通りまで往復する。マグニフという店にも初めて入った。「東京人」はなかったが、雑誌が充実している面白いお店だった。おしゃれ風な店だと思い、今までは敬遠していたが、これからは寄ってみることにしよう。三省堂の古書売り場も覗くが、「東京人」は見当たらない。「東京人」はよっぽど人気がないのではないだろうか。三省堂を出て、なにげなくツイッターで「東京人」を検索してみると、アットワンダーの店員さんのツイートが引っかかった。「東京人」のバックナンバーを大量入荷したという5月のツイート。画像を拡大すると、必要な号がある。ヴィンテージよりも安ければ、ここで買えばいいと思い、さっきも一度寄ったのだが、また、すずらん通りから戻る。二往復することになり、アットワンダーに着き、どこにあるのだろうと店内を探したが、エレベーターであがる3階の売り場があることに初めて気がつき、ここだろうと思い、3階にあがると、ツイッターの画像そのままの本棚があったが、しかし、なんと、「東京人」のバックナンバーは全号セットで販売されていた。しかたなくあきらめて、ヴィンテージで買うことにする。ヴィンテージの店員の兄ちゃんはとても不愛想だった。2時間近く歩きまわるが、ついでに買うような本もなく、まるでたいした成果が得られない。これだけの規模の本の街がありながら、まるっきり使いこなせていない。悲しくなり、余計な出費も控えようと思い、もう帰ることにした。神保町から半蔵門線に乗り、渋谷から東横線に乗り換え。各停でのんびり帰った。


 夜に帰宅し、タイムフリーで今日の「ビバリー昼ズ」を聴く。ジャングルポケットがゲスト。聴きそびれていた、月曜の「伊集院光とらじおと」も聴いた。ケラリーノ・サンドロヴィッチがゲスト。ラジオを聴きながら、オンライン将棋を指し、ブログの更新をした。録画の都合で、再生ができず、深夜にテレビを観ようと思っていたが、その前に眠ってしまった。深夜0時前。

2021年6月22日火曜日

6月22日火曜日/「日本の喜劇人」を読む(9)

◇ ラジオ・雑誌

 朝、「伊集院光とらじおと」を途中からつけると、稲川淳二がゲストだった。ライブの魅力を温泉に例えていたのは見事で、まったくそのとおり、温泉は浸からなければ意味がない。タイムフリーで、昨日月曜の「ビバリー昼ズ」も聴く。アキラ100% がゲスト。月曜のエンディングの恒例、高田先生が平野ノラの子どもの成長を訊くくだりが毎度面白い。

 楽天マガジンで雑誌のチェックも。「サンデー毎日」で、小林亜星の追悼文を岡崎武志さんが書いていた。2015年に「寺内貫太郎一家」出演者の座談会の司会をやっているのだ。ほんの6年前だが、2018年にはもう、出席者のうち、3名は故人になってしまった。「SPA!」の渋谷直角の連載マンガは、「週刊朝日」の松本人志の連載について描いている。一応、フィクションの体裁をとっていて、どこまでが実話かわからないが、同い年の渋谷直角の当時の実感はディテールまでじつに正確だと思う。たけしと松本の比較がよく議論されていたといい、この主人公はたけし派の発言にいらだち、上の世代にたけし派が多かったと書いているが、自分はまさに、渋谷直角と同い年だが、完全にたけし派だった。結果的には、たけしのバイク事故があったことで、その勝敗はうやむやになったような感じがある。「SPA!」では玉川太福の連載コラムも始まった。

 午後、ヤマトの営業所まで。二俣川に出て、くまざわ書店に寄っていく。「昭和50年男」の最新号の表紙は、なんと、コーネリアス「ファンタズマ」のデザインをそのまま使っている。アマゾンで検索すると、バックナンバーには高値がついているものもあり、これは値上がり確実ではないか。食欲なく、ドトールに入り、アイスコーヒーと一緒にクイニーアマンだけ食べておく。

◇ 読書

 小林信彦「決定版 日本の喜劇人」の続きを読む。第九章は「大阪の影」。冒頭に、1963年に、大阪を主にした漫才史の番組の台本の依頼がNHKからあり、ほかに適任者がいるのではと念を押したが、NHKのちからを利用して、関西の芸能の歴史を調べるのもいくらかは意味のあることかと考えたということが書かれている。「東京では漫才は傍系の芸能であるが、大阪では、主流であり、(略)漫才史と芸能史は重なり合う部分が多い。」とあり、そもそも、漫才が傍系だったということが、漫才ブームのあとの時代しか知らないわれわれの世代には、注意深く読まないと気がつきにくいように思う。そして、この章ではなんといっても、澤田隆治について多く書かれている。一見、辛辣な書きかたにも見えるが、友人とも書いてあり、澤田が書いていたことに後年感動したとも書いている。大阪の芸能界の〈煮つまっている〉人間関係を「ここでは〈批判的でありながらも友人〉といった関係は成立しない。」と書いているが、まさに、澤田とは〈批判的でありながらも友人〉だったのだろう。

◇ テレビ・音楽

 ドトールは冷房がきつく、あまり居心地がよくなかった。西友、クリエイトに寄り、買いものして、夜に帰宅する。録画していた「さんま御殿」を観る。家族特集だが、土佐兄弟だけはただの家族ではないから、この特集のなかでは邪魔だった。平野レミ(義娘と出演)の発言をきっかけに、さんまがお笑い陣にボケをふっていく流れがあったが、平野レミに向かって「余計なことしてくれたな」とは、ツッコミとしてもあんまりな言葉だ。土曜の「お笑い向上委員会」も観る。おいでやすこが、もう中学生が活躍し、こがけんがネタをやろうとしているのに、音曲漫才の師匠たちの話になってしまうという流れに爆笑した。ザ・ダッシュ、東洋朝日丸・日出丸という名が出て、ザ・ダッシュがわからなくて検索したが、松本が「ごっつ」のコントのなかで歌っていたのがザ・ダッシュのテーマ曲なのだ。それで思い出したが、たしか、「ごっつ」にはご本人が出演した回もあった気がする。このあたりのベテランの名前はさすがに、出演者のなかでも、さんま、今田、中川家しか反応しない。

 ラジオを聴こうとすると、パソコンのラジコの地域判定がまた狂っている。なぜか北海道になっているが、スマホで聴くのもわずらわしく、北海道でも放送されている「桑田佳祐のやさしい夜遊び」を聴いた。Spotify のニューリリースから、上白石萌音のカバーアルバムを聴いてみる。あんまり興味が湧かない女優だが、「ミュージック・マガジン」の表紙になっていて、注目のアルバムなのだろうか。まりんのポッドキャストでも語られていたが、配信は演奏者がわからないのがつまらない。カバーアルバムで、作詞作曲者だけわかってもしょうがないんじゃないか。深夜2時前に眠る。

2021年6月21日月曜日

6月21日月曜日/千鳥ヶ淵

◇ 散歩

 朝から都内に。靖国神社の近くで昼食になり、カレーのチャンピオンというカウンターだけの小さなお店で、ヒレカツカレーを食べた。キャベツがたっぷり乗った、フォークで食べる金沢カレー。それから、半蔵門のほうに行くことになり、そのあと、今日は時間があるから神保町に寄っていきたいと思っていたが、半蔵門からだったら、千鳥ヶ淵を歩いてみたくなった。以前、クルマで通ったときに、ここはいずれ歩いてみたいと思っていた。今日は天気がよく、暑くもなく、散歩にはちょうどいい。グーグルマップを見て、代官町通りというところを歩いていこうと思うが、土手の上が公園になっていて、せっかくだからそっちを歩いてみる。千鳥ヶ淵の上を高速が通り、水中に潜るようにして、トンネルに入っていく、その向こうに見えるビル群も含めて、面白い光景だ。竹橋に抜けるつもりで歩いていくが、左手にある公園を進むと武道館に着くらしい。武道館も九段下の側しか知らず、南側がどうなってるかなどは意識したことがなかった。今日はひとまず竹橋駅に向かうが、その手前にある国立近代美術館では、現在、隈研吾展を開催中だった。最近、隈研吾の本を立て続けに読んでいたところだったので、この偶然は嬉しい。本日月曜は休館日であり、隈研吾展はまた改めて訪ねることにしよう。








 竹橋にある毎日新聞社の前から左に進み、神保町にたどりつく。いつもどおり、古本屋をまわる。まずはアットワンダーから、外の棚から「東京人」の落語特集を買っていく。靖国通りを神保町の交差点に向かいながら、外の均一箱を順番に覗いていく。矢口書店では外の棚にある台本もじっくり物色したが、今日は買うものなし。交差点から水道橋方面に少し進み、アムールショップ、タクトまで覗くが、なにも買わず、戻ってきて、すずらん通りに。しかし、買うものなし。東京堂にも少し寄り、神保町を離れ、半蔵門線で渋谷に移動した。まんだらけに寄り、階段の百均から文庫本を2冊買っていく。松濤のベローチェに入り、ようやくひと休み。アイスコーヒーとクリームパンを食べた。

 ツイッターから、寺内タケシの訃報を今になって知った。訃報が出たのは土曜日で、二日間もそのニュースを目にしないとはいったいどういうことなのか。タイムラインを追いかけない代わりに、おすすめやトレンドはときどきチェックしているのだけど、本当に(自分にとっては)どうでもいいことしか話題になっていないのだとつくづく思う。ツイッターはともかく、土日のテレビ番組では扱われていたのだろうか。世の中、芸能ニュースといえば芸能ゴシップだと思う人間が大半で、まともな芸能史というものがまるで共有されていない。

 渋谷から、東横線の各停でのんびり帰ってくる。ダンボール板を買う必要があり、今週中に買わなければと思っていたが、20時頃には横浜に戻っていたので、今日買っていけばいいんだと気がつき、星川で途中下車、コーナンに寄り、さっそくダンボール板を買おうとすると、なんと、値上がりしているので躊躇する。ダンボールなんて、ほかにいくらでも調達する手はありそうだが、梱包の補強に使うため、きれいな無地のダンボールを使ったほうがいいだろうという考えでそうしているのだが、しかし、あんまり金をかけるのも阿呆らしい。3枚買おうと思っていたが、とりあえず、2枚にしておく。

 夜遅くに帰宅し、録画していた昨夜の「ガキの使い」を観た。ダイアン津田の24時間インタビュー。このシリーズ、インタビュアーとして小島さんが出ているのは知っていたけど、初めて観た。どういうわけか、今までぜんぶ観逃していたのか。小島さんに最後に会ったのはいつだろうか。髪が短くなり、さっぱりしていた。

 ブログを確認すると、なぜか、今朝8時台に500を超えるアクセスがある。なんだこれはと思うが、どの記事にアクセス数があるというわけでもなく、しかも、アクセス元はぜんぶアメリカになっている。書いている内容とは関係がなさそうで、なにがどうなってこうなるのか。明日は予定もなく、Spotify で寺内タケシを聴きながら、深夜0時頃には眠る。

2021年6月20日日曜日

6月20日日曜日/「野毛大道芸」

◇ ラジオ

 昼間、めったに聴かない「日曜日のへそ」(ニッポン放送)をつけてみたら、ケンドーコバヤシがゲストだった。土田晃之やケンコバの時代は今みたいに YouTube もないから、土田は勉強するために、やすきよ、紳助竜介、サブローシローのビデオを買ったという。土田とケンコバで、サブローシローの話をしているのが珍しくて面白かった。U-turn が「爆笑BOOING」に出たときに、審査員だったキダ・タローに褒められた話、あるいは、「お笑いウルトラクイズ」で春一番と同室になるのがいやだった話などもあった。

◇ 大道芸

 午後から外出。もっと早く出るつもりだったのに、だいぶ、もたついてしまった。ここ数日の涼しさからすると、今日はやや蒸し暑い。横浜から桜木町まで歩きたかったが、時間がなくなり、根岸線に乗る。ローソンストア100に寄り、パンを買って食べておく。ひさしぶりの横浜にぎわい座。いつぶりかというと、昨年9月の雲助一門会以来だった。「野毛大道芸2021 in 横浜にぎわい座」という公演。例年ならば春に行われるはずの野毛大道芸も、当然のことながら、コロナで中止となり、代わりに、にぎわい座でこういうものが開催されると知ったが、1月の1回目は情報をチェックしていなくて行きそこねてしまった。今日はその第2回公演。15時開演、20分前には入場。客席は指定席、一席ごとに空けているソーシャルディスタンス仕様。後方、真ん中の通路寄りの席をとった。前方2列と、桟敷席には客は入れていない。席にはチラシが入った透明な手提げ袋が置いてあり、そのいちばん上に「お気持ち入れ」と書かれたポチ袋が入れてある。

 開演し、幕が開くと、いつもの寄席仕様ではなく、暗幕に囲まれた広いステージになっている。この状態のにぎわい座を見るのもひさしぶりだ。まず、司会の三雲いおりが登場。それから各出演者を紹介していくのかと思えば、この紹介からもう、しっかりした構成のコメディショウになっていて、スタイリッシュに始まった。出演は三雲いおりを含め5組。トップは油井ジョージワンマンバンド。このひとは初めて観る。その名のとおり、ワンマンバンドの芸で、こういう芸はとても好き。楽しく、かっこいい。スカパラの曲をやったりして、選曲も面白かった。「前を向いて歩こう」という歌は、寿〔kotobuki〕という二人組バンドの替え歌バージョンだとすぐにわかった。寿〔kotobuki〕は「寿町フリーコンサート」の常連出演者だ。続く、空転軌道も初めて観る。3人組のジャグリング。これもかっこよく、きれいなスタイルの芸だった。ハンドベルを使った芸では、客席に降りていき、5色のベルを客に渡していく。客と関わる芸も、まあ、消毒していれば大丈夫ということなんだろう。舞台では5色のリングを使ったジャグリングをする。その色のリングを首にかけたらベルを鳴らしてくださいと指示を出し、ジャグリングのとおりに5人の客がベルを鳴らしていくと、「聖者の行進」になるという、これは驚きがあるし、洒落ていた。最後の、ベル付きのリングを使ったジャグリングもきれいだった。3番目は、めりこというポールダンサー。このひとも初めて観る。紹介する三雲いおりも女装で登場し、笑わせた。各組が終わるたびに三雲いおりが登場し、司会をしている時間が舞台を消毒する時間にもなっている。めりこは最初はひらひらのワンピースで登場し、可憐なダンスだったのが、途中からセクシーな衣装に変わり、ダンスも転調する。華麗に見せてはいるが、すさまじい筋力のはずだ。休憩を挟み、後半は三雲いおりのジャグリングから。ベテランの三雲いおりは笑わせるジャグリングだが、いつもの大道芸と違い、舞台で観るとこれがなかなかかっこよく、決めるところはびしっと決める。最後はくるくるシルク。後半2組は「野毛大道芸」ではおなじみ。くるくるシルクという3人組は特に大好きで、よく追いかけて観ていた。今日はなんと、ひとりが骨折していて、左腕があがらないようだったが、それにしてはほぼ問題なく動きまわる。マイナスをまるで感じさせないのはさすがだった。このひとたちこそ、大道で観る醍醐味をいつも味わわせてくれる芸で、だから好きなのだが、さて、舞台ではどうだろうというと、やっぱり、舞台に合わせてやりかたを変えているのだろうと思った。最後の足長の芸は、普段の大道芸では披露できないとプログラムに書いてあったが、しかし、過去に観た記憶はある。それよりもむしろ、この3人組は、普段の大道芸でしかできない芸のほうが多いんじゃないか。エンディングは全員登場、撮影タイムあり。2時間半、たっぷりの公演だった。


 17時半頃に終演し、福富町を抜けて、伊勢佐木町に向かう。どこかで食べようとイセザキモールを歩くが、なかなか決められない。てんやはどうかとふと思うが、てんやはいつの間にかなくなり、もつ煮込みの店になっていた。関内側まで歩いていくと、吉野家がなくなったのは知っていたが、向かいの富士そばもなくなっていて驚く。結局、イセザキモールの外に出て、ゆで太郎でミニカツ丼セットを食べた。ブックオフに寄り、6冊買っていく。どこかで読書をしていくにしても、時間の計算をするときびしいかと思い、すぐに帰ることにして、横浜駅まで歩いていく。しかし、歩いてみると、ひどく疲れている感じがする。いつもならば平然と歩いている距離なのだが、気温がやや高くなったせいだろうか。平沼のブックオフにも寄るが、なにも買うものなし。帰りの電車では眠り、クリエイトで買いものしてから帰る。



 夜遅くに帰宅し、疲れがひどく、横になり、タイムフリーで昨日の「ナイツのちゃきちゃき大放送」を聴いた。土屋が白鳥師匠に気がつかれなかった話に笑う。「常連さん」は能町みね子。11時台ゲストはロバート秋山。続けて、「田村淳のNewsCLUB」も聴いた。聴きながら少し眠るが、首が痛くてしかたがない。深夜にテレビをいくつか観ながら仕事を片づけ、Spotify でポッドキャストを聴きながら改めて眠ろうとするが、今度はぜんぜん眠れなくなった。眠れないなんていうことは今まではぜんぜんなかったのに、ここ数日はどうも調子がおかしい。

2021年6月19日土曜日

6月19日土曜日/基本がなってない



◇ 貧乏暇なし

 今日も朝から都内に。雨降り。昼食は市ヶ谷になり、カレーの王様で、ごろごろチキンカレーを食べた。それから、神田に移動することになり、万世橋を渡り、秋葉原まで歩いた。ブックオフに直行し、上階からじっくりと物色しながら降りていき、12冊買っていく。1階のレジでアプリを開こうとすると、電波が弱く、なかなか開けず、まずここからいらいらしたが、1875円の買いもので、5025円を渡し、おつりが3150円だが、研修中の札をつけた若い男の店員は、お札をそろえず、小銭もいっしょくたにして、トレイの上にばら撒くように置いた。あまりにも基本がなってない態度にむかっときたが、こういうときはなにかひとこと言ってやったほうがよかったのか。しかし、咄嗟に言葉が出ない。なんと言うのがいいのか。自分が書店員だったときも客に注意されたことはあったが、ただ、いやな記憶としてしか残らなかった。ベローチェでひと休み。アイスコーヒーと一緒にアップルパイを食べるが、やけに小さいアップルパイで、手にとったものの、戻そうかと思ったが、このコロナのご時世ではそれもためらってしまい、しかたなく買った。

◇ ラジオ・読書

 秋葉原から山手線で品川まで出て、横浜までは京浜急行で帰ってくる。夜になると、半袖ではやや寒いくらいだ。6月後半って、いつもこんなだったか。夜遅く帰宅し、聴きそびれていた先週の「HONMOKU RED HOT STREET」をタイムフリーで聴いた。1曲目、サニーデイ・サービスから始まったのにはちょっと意表を突かれる。柴田聡子の「GT」のカバーも聴けた。これはアナログ限定なのか。CKBが「ニューイヤーロックフェス」に出たときのエピソード、MCがジョー山中で、ジョー山中が読むとは知らずに「宇宙からやってきた6人の絶倫男たち!」というナレーションを渡したという話にも笑う。続けて、今週の「HONMOKU RED HOT STREET」もオンタイムで聴く。聴きながら、ブログをひとつ更新する。寒くなり、ついにパーカーを着た。

 深夜に読書。隈研吾・清野由美「新・都市論TOKYO」を読み終えた。「隈研吾による隈研吾」(だいわ文庫)が面白かったので、続けてこれをブックオフで買っておいた。2008年刊、集英社新書。現実の都市再開発に、今や、例外なくテーマパークの手法が導入されているという話からまず面白い。現実の都市のコピーであったはずのテーマパークを、いつの間にか、現実の都市がコピーするという逆転が起きているという。清野由美というひとは知らなかったが、隈研吾とふたりで、実際に街を歩きながら対談をしている。六本木ヒルズの回では、隈研吾が関わっているという事情もあるが、肯定的に語られている部分が新鮮に感じられた。森ビルの森稔は、教養人であり、芸術家でもある、とても文化的な一族であり、どうやら非常に野心的な開発だったということがわかる。この本からさらに時代が経ち、世の中がいよいよ身も蓋もなくなっていくと、なおさらここで語られていることは重要に思える。その反面、隈研吾は汐留には辛辣だ。あるいは、六本木と代官山の比較では、ロバート・ケーガンの熊の比喩を用い、熊に襲われることを想定するのがアメリカ的であり、熊が襲ってこないことを信じるのがヨーロッパ的なスタンスであるとして、六本木の都市開発は前者、代官山は後者にあたるという。ここで熊の比喩が出てくるのは、自身が「隈」だからだろうか。

2021年6月18日金曜日

6月18日金曜日/霞が関



◇ 貧乏暇なし

 まるで熟睡できず、早朝に目覚めるが、どうもからだが緊張した状態で眠っている。それ以前にまず、なかなか寝つけない。若いころにはまったくなかったことだ。朝から都内に。銀座で昼食になるが、やよい軒というつまらない選択になった。しょうが焼き定食を食べる。午後は霞が関に移動し、虎ノ門に向かって歩くことになるが、総務省、外務省、国税庁と、入り口には警備員が何人も立っているが、文化庁になると警備員がいないのが不思議だ。道路の向かいには報道の車両がいくつも停まっていた。あっちは裁判所か。夕方、ベローチェに入り、アイスコーヒーとあんぱんを食べる。虎ノ門から銀座線で渋谷に出て、まんだらけに寄っていく。階段の百均のスペースに、入荷がごっそりあったようで、カゴのまま、いくつも床に並べてあった。落語関係が多かったが、これは買うものなし。雑誌を丹念に見ていったらいろいろと面白いものがあり、13冊買った。大荷物になるが、まんだらけは袋をくれるので助かる。この量なので、紙袋を二枚重ねにして入れてくれた。東横線の各停で、のんびり帰ってくる。

◇ 読書

 電車内で、斎藤環「ヤンキー化する日本」を読み終えた。2014年刊、角川oneテーマ21。前著の「世界が土曜の夜の夢なら」が面白かったので、続けてこの対談集を読んだ。ヤンキー論でありながら、これは日本人論だ、と思いながら読んでいたが、あとがきにはまさにそれについて、「ヤンキーを論ずると、どうしても「日本人論」になってしまう。僕にはそれが不本意だった。」「しかし本書では、あえて日本人論として読まれることも辞さない、という姿勢をとっている。」と書いてあった。あらゆる日本人論はナルシシズムに通じてしまうが、この本ではわかりやすさを重視したという。巻頭で挙げられているヤンキーの特性は前著よりも整理されている。とはいえ、単純なヤンキー批判ではなく、フェアな分析をしているから面白く読んだのだ。與那覇潤との対談がとりわけボリュームがあり、1979年生まれの学者だが、ここでは政治について語られ、特に重要だと思い、難しくもあった。隈研吾との対談もあり、これは先に隈研吾の本を読んでいたから理解できることも多くなる。デーブ・スペクターとの対談では、デーブに向かって、斎藤環が「亡くなったナンシー関さんという人がいて……。」と切り出しているところには笑ってしまったが。(ナンシー関とデーブ・スペクターとで、論戦というほどでもないが、やり合っていたことがあったのをリアルタイムで読んで知っている。)

◇ ラジオ・テレビ・雑誌

 夜に帰宅し、タイムフリーで今日の「ビバリー昼ズ」を聴いた。佐久間宣行がゲスト。それから、録画していたテレビ番組をいくつか。「さんまのまんま」の初夏スペシャルは、NEWS、花澤香菜&日高里菜、吉岡里帆、かまいたち、北村拓海&今田美桜が出演。最後に、グッズデザインをしたZAZYも登場。「ミュージックステーション」もざっと早まわしで観る。昨夜の「つぶやき英語」も観る。イーロン・マスクという人物を知らなかったが、ドージコインというものがあるというなら気にならないはずがない。日本でもっと流行ってくれないだろうか。楽天マガジンで雑誌のチェックをすると、「週刊現代」に「漫才ブーム時代のツービートを語ろう」という鼎談企画があり、島田洋七、高信太郎、永峰明という顔合わせが珍しくて面白い。

 もう眠ろうとしていたところにメルカリから注文があり、梱包の準備だけしておくが、脳が緊張している状態になり、胃も痛くなる。タイムフリーで、今日の「問わず語りの神田伯山」を聴きながら、深夜2時頃にようやく眠った。ラジオでも聴いて、意識をそちらに奪われるようにしなければ、リラックスしないのかもしれない。

2021年6月17日木曜日

6月17日木曜日/「日本の喜劇人」を読む(8)

◇ テレビ・ラジオ・読書・映画

 水曜の夜はどういうわけか面白いバラエティ番組が集中するようになり、その録画を観る木曜が忙しくなる。まず、「水曜日のダウンタウン」。夫婦コンビに離婚か解散かの選択を迫るドッキリに、かりすま~ず、チャイム、ウェンズデイズが出演した。若手はともかく、ベテランの2組、現実に仕事がない状況でのこのドッキリは真に迫っていた。どのコンビも解散よりも夫婦をとった。昼はラジオ。「ビバリー昼ズ」を聴くと、オープニングでは、清水ミチコとナイツが「水曜日のダウンタウン」の話をする。これがあるから、「ビバリー」を聴く前に「水曜日」は観ておかなければと思うのだ。それから別の話題に移ろうとしていたが、途中で飯田浩司アナが入ってきて、辛坊治郎が太平洋横断に成功したとかいうのでわざわざ中継が入った。よりによって、「ビバリー」に辛坊治郎というのがそぐわない。たしかにすごいことには違いないが、辛坊治郎の興奮と、スタジオの清水ミチコとナイツのテンションがまるで釣り合っていなかった。これだけかと思いきや、12時台にもまた改めて中継を入れるのでうんざりする。まったく興味がないと思いながら聴いていたが、ひとりでいるほうが孤独を感じないというのはそのとおりだろうとは思った。

 午後、ラジオは中断し、録画していた今日の「徹子の部屋」を観る。こちらもちょうど、清水ミチコがゲストなのだ。33歳の娘が結婚したという話にはちょっと驚いた。娘が33歳でも不思議はないのだけど、「ビバリー」を毎週聴いていても、そういえば、私生活の話はぜんぜんしない。33年前、妊娠中に「徹子の部屋」に出演した映像も流れた。室井佑月のものまねはテレビ初披露だろうか。育ての母の話もよかった。

 夕方、駅前の郵便局まで。昼間は激しく雨が降っていたが、すっかり止んだ。今日は涼しい。レターパックをひとつ出し、コンビニに寄り、「週刊文春」を立ち読みしていく。小林信彦の連載は、今週も、シネマヴェーラの上映作品について解説を加えている。たしかに、セレクトした理由のわからないものもある。渥美清のドラマ作品2作のうち、片方は、小林信彦は観ていないのだという。

 帰宅し、聴きそびれていた月曜の「ズーム」をタイムフリーで聴いた。この番組、2時間半もあったっけと思ったが、今週は延長版のようだ。橋下徹がゲストで、オープニングから出ずっぱり。志らく師匠はもともと、水道橋博士との一件もあって、橋下徹のことが嫌いだったというが、「ひるおび」で政治についてコメントするようになり、橋下徹のツイートになるほどと思うようになっていったという。志らく師匠は良くも悪くもこういうひとで、なるほどと思うほうにあっさりと改めてしまう。ツイッターをあまり見なくなったので、橋下徹が百田尚樹と対立しているということも知らなかったが、しかし、タイムラインだけを見ていても、そんなツイートは流れてこないかもしれない。タイムラインだけを見ていると、もっと単純な図式でしか語られていない話が多い。

 部屋で読書もする。小林信彦「決定版 日本の喜劇人」の続き、第八章は渥美清と小沢昭一について。「上昇志向と下降志向」と題されたこの章は、新潮文庫版で、ことあるごとに読みなおしている。小沢昭一の人生が個人的にことさら気になるからだが、小沢昭一の「それはそれとして」という論理展開に小林信彦がこだわっているところは何度読んでも可笑しい。そして、このふたりとともに、この章ではジェリー藤尾にも触れられている。なべおさみとは違って、ジェリー藤尾の評価は「決定版」にもきちんと残された。

 アマゾンプライムで映画を1本。「日本の喜劇人」に書かれていた「フランキー・ブーちゃんのあゝ軍艦旗」が、ちょうどアマゾンプライムにある。1時間11分と短いので、さっそく観てしまった。ほんと、書かれていたとおり、小沢昭一が出てくると笑ってしまう。大泉晃も可笑しい。さすがにこの古さでは手放しで楽しめるとは思わずに観ていたが、思いがけず、声を出して笑う場面もあった。フランキー堺が目をまわす場面に、アニメで星を入れているのにはちょっと驚いた。ほかにも特撮らしき場面が多々あり、たぶん、当時としては新しい技術をかなり使っている。新しいセンスの映画だったのかもしれない。

 夜もテレビ。録画していた昨夜の「お笑い実力刃」を観る。今回はナイツの特集で、これも本当は、ラジオよりも先に観ておくべきだった。漫才の定番ネタを3本、初披露の大事MANブラザーズバンドのネタがすこぶるくだらない。それからコントがあり、「捜査一課長」のパロディだが、ここになんと、中津川弦さんも出演する。これを楽しみにしていたのだが、ちょっと出るだけではなく、たくさんセリフがある役だ。負担のすさまじさを想像してしまうが、堂々たる活躍だ。なんだかいつもと雰囲気が違ったが、たぶん、テレビに出るから床屋に行ったのかもしれない。劇団ひとりが「ラジオショー」出演時に土屋の演技が上手いと言っていたが、このコントを観ると、それもうなずける。この番組、次週は中川家。充実のラインナップだ。深夜2時過ぎに眠る。

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8月21日土曜日/横浜のあちらこちらで

◇ 伊勢佐木町  昨日は、昼間は暑かったが、夜中は涼しくなり、今朝も涼しい。朝から黄金町まで行く用があり、それがすぐに終わり、伊勢佐木町のマクドナルドに入り、アイスコーヒーとエッグチーズバーガーを食べた。しばらく読書をして、午後になってから、雲雀洞に寄った。3月以来、ひさしぶり...