2024年8月12日月曜日

8月12日月曜日/「徹子の部屋」と戦争

◇ テレビ

 午前中がいちばん涼しいからよく眠れる。じわじわ暑くなってきたころに起きあがり、ブログを更新。録画していたテレビ番組をあれこれと。今朝の「虎に翼」は、ユミちゃんが大きくなって、別の子役になった。寅子、ハナエちゃんも老けづくりになり、いよいよ終盤になってきた感がある。

 昨夜の「おかべろ」は石原良純がゲスト。「夢で逢えたら」に出演した衝撃を語る。しかし、のちに野沢直子に会ったら、それをぜんぜん覚えていなかったという。

 観そびれていた「徹子の部屋」をまとめて観る。先週木曜は櫻井翔がゲスト。10年ぶりの出演。2014年放送、32歳のときに出演した回の映像も流される。櫻井翔は祖父が新聞記者だった。日曜には戦争をテーマにした「徹子の部屋」の特番があり、戦争体験を語るゲストたちの証言がここでも流されていた。加藤武(2010年)の回と千玄室(2010年)の回。先週金曜の「徹子の部屋」はオズワルドがゲスト。スタジオで漫才を披露するオズワルドだが、漫才の最中に、伊藤がこの空気ににやにやし始める。伊藤はネタを飛ばしていたようだ。オズワルドは「クレヨンしんちゃん」の映画の声優をやったからその宣伝で出演したんだな。今日の「徹子の部屋」は藤あや子がゲスト。

◇ 星川

 夕方から外出。外に出たほうが、風が吹いていて気持ちがいい。星川に出て、コーナンで買いものしていくが、やけに混んでいる。殺鼠剤だけ買っていく。ゆで太郎に入り、もりそばを食べる。430円。無料券でかき揚げもつける。駅前のマクドナルドに入り、ひと休み。「ハリスの旋風」5巻を読む。このボクシングのあたりが「あしたのジョー」の原型になっているんだろう。

 夜に帰宅し、夜もまた、録画していたテレビ番組をいくつか。日曜に放送された「徹子の部屋」の特番「「戦争」を忘れない」を観る。櫻井翔は昨年から黒柳徹子に連続インタビューを行っていた。戦争のことを体験者に訊いておかなければならないと思ったのは池部良がきっかけだったという。過去の回から、池部良(1993年)、淡谷のり子(1991年)、三波春夫(1977年)、海老名香葉子(1994年)の回が流される。三波春夫は戦場の体験を、にこにこと、まるで笑い話のように語る。つらい体験を笑い話にするというのは誰にでもあるのだけど、たとえそれが戦争であろうと、人間はそういうものなのだ。笑わせようというのではない、そうしないと本人が救われないのだろう。長女の三波美夕紀もこの番組のためのインタビューを受け、三波春夫のシベリア抑留生活を語った。櫻井翔は同世代の戦争の語り手として、千田豊実という画家、寿大聡という俳優を訪ねる。番組後半には徹子さんも東京大空襲の記憶を語った。過去の回から原爆の記憶も、三代目江戸家猫八(1988年)は広島、美輪明宏(1989年)は長崎の原爆の体験を語っていた。この猫八の話は別の回で流されていたときにも観たが、すさまじく壮絶なことを涙しながら語っている。TVer では櫻井翔と徹子さんの未公開の対談があるらしいのだけど、いや、それよりも過去回それぞれのフルサイズを配信してほしいくらいだ。

2024年8月11日日曜日

8月11日日曜日/からだを冷やしたい

◇ テレビ・ラジオ

 朝、ブログをひとつ更新してから、録画していたテレビ番組をいくつか。今朝の「ワイドナショー」は、田村淳、バカリズム、石原良純、最上もがが出演。番組が始まってすぐ、フワちゃんの不適切投稿の一件を扱った。バカリズム「僕、自分がやす子さんだったらって想像すると、まあ、傷ついたというよりも、これもうそうとう早い段階でめんどくさいだろうなって。」 最上もが「SNSの問題のめんどくささ、まわりが勝手にでかくしちゃうから、なんかもう大々的になりすぎて、ぜんぶ説明しなきゃいけないみたいな。」 しかし、田村淳の話はどうもSNS的な論理に染まりきっている。フワちゃんのタメグチを共演者たちがなぜ今まで注意しなかったかというよくある意見には、東野幸治がとつとつと違和感を示していた。

 今朝の「サンデージャポン」はオリンピックの話題から始まる。MAZZEL というグループの SEITO というひとが初登場のほか、ゆうちゃみ、丸山桂里奈、武井壮、土性沙羅、斎藤幸平らが出演。やり投げの北口椿花が金メダルを獲得し、武井壮がやり投げを解説する。レスリングではアマレス兄弟がVTR出演し、これはもちろん土性沙羅が解説する。オリンピックを観ない斎藤幸平がレスリングの実演相手をやらされた。ブレイキンは SEITO が解説。今週もほぼまるまるオリンピックの話題だったが、最後の数分で、伊東純也が不起訴処分となったニュースを扱った。フワちゃんとやす子にはまったく触れない。

 SNSを見ていると、今度はなんと、ランジャタイ伊藤のスキャンダルが流れてきた。未成年の女性と関係をもったことが発覚し、芸能活動休止だという。末広亭の余一会はどうなるんだ。そして、フワちゃんも芸能活動休止を発表。

 午後はラジオ。「爆笑問題の日曜サンデー」をつけておく。こちらのニュースのコーナーでもフワちゃんには触れない。

 夕方から外出。二俣川に出て、ドトールで読書をしていく。読書といってもマンガ。「ハリスの旋風」4巻を読んだ。ダイソーで買いものしてから帰ってくる。

 夜に帰宅し、夜もまた、録画していたテレビ番組をあれこれと。今日の「笑点」は盛岡収録。演芸は曲独楽の三増紋之助。晴の輔さんが綱渡りの芸を手伝った。「週刊さんまとマツコ」は芸能事務所の地方戦略の特集。以前も同様の特集があり、そのときと同じく、タイムマシーン3号関、カンニング竹山、ゴリけんが出演した。さんまは声ががさがさになってるときの収録だ。今日の「TVタックル」では高齢ドライバーの問題を扱っていた。和田秀樹が、免許を返納するとみるみる老化していくという話をしていた。事故件数にすると、高齢者だからといって多いわけではないという。今朝の「ボクらの時代」は岡部たかしと阿佐ヶ谷姉妹という顔合わせ。東京乾電池の同期生なのだ。岡部たかしは「新宿野戦病院」で柄本明と共演したが、柄本明は岡部たかしのことを覚えていなかった。

 昼に放送されていた日本テレビの「クイズタイムリープ」という特番を録画しておいたら、これがとても面白かった。AI技術により、かつてのクイズ番組の映像のなかに現在のタレントを加入させるという企画。まずは、せいやが「クイズ世界は SHOW by ショーバイ!!」の解答者になった。かつての解答者たちに混じって、せいやも解答席に座っている。放送当時のクイズに答え、逸見さんもそのせいやの解答に反応する。2番目の番組は「マジカル頭脳パワー!!」。ヒコロヒーとファーストサマーウイカが当時の番組にまぎれこむのだが、この番組のクイズの面白さも再確認できた。最後は「アメリカ横断ウルトラクイズ」。決勝の早押しクイズに、現代の出演者たちが交代で挑戦した。

 夜、部屋が暑くて、ぐったりする。顔と腕を何度も洗い、からだを冷やしていないとおかしくなる。鼻水とくしゃみが止まらなくなり、深夜に風邪薬を飲んだ。

2024年8月10日土曜日

8月10日土曜日/土曜なのに空いている

◇ テレビ・ラジオ

 早朝に起きあがり、録画していたテレビ番組をあれこれと。木曜の「アメトーーク!」は「CLUB配信で見られる作品集」。宮崎で大きな地震があった日の夜の放送で、L字型の画面に南海トラフ巨大地震注意の情報を出していた。2018年放送の「元々ボケやってたツッコミ芸人」は宮迫がまだいる時代。ほんの6年前だが、若林が若い。そのほか、2020年放送「ついつい深夜に食べちゃう芸人」(2020年)、「華丸・大吉芸人」(2012年)、「田中カワイイ芸人」(2018年)、「女性役やってる芸人」(2023年)、「かまいたちビックリ芸人」(2021年)、「ええ声芸人」(2011年)、「稲ちゃんカッコイイ芸人」(2019年)「中学イケてない芸人」(2022年)、「好感度低い芸人」(2013年)、「出川ナイト」(2008年)。

 今朝の「週刊フジテレビ批評」は「夏ドラマ辛口放談」の後編。梅田恵子、吉田潮、木村隆志、大島育宙の4人がそれぞれベスト3を選び、先週の放送では、1位、2位が発表され、今週は3位が発表された。梅田恵子はフジテレビ「ビリオン×スクール」、吉田潮は日本テレビ「降り積もれ孤独な死よ」、木村隆志はフジテレビ「あの子の子ども」、大島育宙はテレビ東京「錦糸町パラダイス」を選んだ。最後はそれぞれが選ぶ次世代スターの注目株。梅田恵子は木戸大聖、木村隆志は仲万美、吉田潮は伊東蒼、大島育宙は吉田葵をあげた。

 昼はラジオ。「田村淳のNewsCLUB」をつけておく。今週も砂山アナはパリオリンピックの取材のため、代わりに、ニュース解説の速水健朗がオープニングから登場した。ゲストコーナーには、うなぎ愛好家の高城久というひとが出演。

 夕方から外出。駅に着くとダイヤが乱れていて、地震の影響がまだ続いているのかと思ったが、上星川駅でひとが転落した影響だとアナウンスがあった。しかし、この暑さのなかで電車を待たされるのは大変な苦痛だ。二俣川に出て、ジョイナステラスの行政サービスコーナーに図書館の本を1冊返却する。昼食にしようと思うが、店を決められない。ジョイナステラスの店はどこも値段が高い。おまけに、土曜の二俣川はひとが多くていやになった。

◇ 東戸塚

 不意に東戸塚に行ってみたくなり、横浜駅まで移動し、横須賀線に乗り換える。東戸塚のオリンピック、3階のフードコートでようやく昼食にありつけた。スタミナカレーを食べる。760円。ここは土曜なのに空いていて、天国のようだ。同じフロアのブックオフで、110円の文庫本を1冊だけ買っていく。

 東戸塚駅のほうに戻ると、雨がぽつぽつと降り始める。急ぎ足になり、東口のブックオフに飛び込んだ。220円の文庫本を1冊、新書を1冊買っていく。ブックオフにいるあいだに雨は止んでくれた。マクドナルドに入り、ひと休み。アイスコーヒーを飲みながら、ちばてつや「ハリスの旋風」3巻を読んだ。2巻を読んでからだいぶ間が空いてしまったが、すんなりと続きを読めた。この時代のマンガはわかりやすくていい。

 帰りの電車内でSNSを見ると、志らく師匠がフワちゃんについて長文のポストをしていた。こころのこもった擁護だ。帰宅は夜遅くなり、メールをチェックすると、とんねるずのチケットの抽選結果が届いていた。結果は落選。ああ、武道館なんてとてつもなく大きいと思うのに、やっぱり競争率がすごいんだな。がっかり。一般発売で買えるかどうか。

 夜もまた、録画していたテレビ番組をいくつか。今夜の「Nキャス」は、オリンピックがあったために3週間ぶりの放送だ。ニュースもオリンピックの話題から始まる。ブレイキン女子、日本の湯浅亜実選手が金メダルを獲得した。ビーチバレーの選手同士の口論があり、そこにDJが「イマジン」を流したというのは気が利いている。オリンピックの話題のあとには地震の話題。長崎の追悼式典には、G7の大使が全員欠席。そのあとには芸能ニュースが続き、フワちゃんの件を短く扱っていたが、フワちゃんの投稿を不適切投稿とするだけで、実際の投稿をきちんと報じないのはニュースとして変ではないのか。

 夜遅くに台所の掃除を始めるが、ネズミがまた発生するようになったのは地震の影響もあるのだろうか。タッパーを流しに出したままにしておいたら、ネズミに食い破られてしまっていた。のんびりと片づけている場合じゃないのか。

 深夜、Netflix を再契約し、「地面師たち」をようやく観始める。

2024年8月9日金曜日

8月9日金曜日/地震があった

◇ 生活

 ゲンロンカフェのトークが4時半頃に終わり、トイレに入って鏡を見ると、ひどく疲れた顔をしていた。始発の時刻を調べると、大崎駅まで歩いたほうが早く帰れそうだ。大崎まで歩き、大崎から山手線、品川から京浜東北線で帰ってくる。6時過ぎに帰宅すると、玄関に置き手紙が差し込まれていて、母は近所のうちに泊めてもらったという。状況がさっぱりわからない。くたくただったのですぐに眠り、昼前に起きあがってから、昨日の日記のためのメモを作った。

 毎日録画している「NHKニュース7」だが、昨夜の放送を観ると、昨日は宮崎県で震度6弱の地震があり、2時間の拡大放送になっていた。地震は16時半過ぎに発生していた。五反田にいた時間だが、どういうわけかSNSをまるで確認していなかったから知らなかった。南海トラフの臨時情報が出ていたというのは、ゲンロンカフェのイベント中に石戸諭に光代社長から電話がかかってきて、光代社長はそのことを知らせていたのだと今になってわかるが、そのときは笑ってしまったくらいで、そんなにおおごとだとはわからなかった。登壇者たちもよくわかってなかったのだろうか、現場はあまり深刻に話題にすることもなく、それっきりになってしまった。早朝、ゲンロンカフェを出たあとにSNSを見て、地震があったというニュースはなんとなく目にしていたが、この「ニュース7」を観るまで、規模をまったく把握していなかった。昨夜のニュースでは、気象庁の会見を長く放送していた。

 午後、叔父がやってくる。母が近所のお宅に泊めてもらったことで、なぜか叔父のほうに連絡が行っていた。昨日はうちを出るときにいつもどおりにカギを閉めて出ていったが、どうやら、母はそのときにうちのなかにいなかったのだ。カギをもたずに近所のお宅にいて、そのまま、戻れなくなってしまった。置き手紙を見て、単に泊まりに行ったのだと思い、なんでだろうとは思ったもののなんの心配もしていなかったが、そんなことになっていたとは知らずに、たまたま朝まで帰らずにいた。叔父があいさつに行くべきだというので、一緒に近所のお宅まで行ってくる。

 夕方から外出。鶴ヶ峰に出て、銀行に寄ってから、ブックオフに寄る。110円の文庫本を1冊だけ買っていく。駅前のドトールに入り、読書をする。それからようやく昼食にしようと、ココロットのすき家に入ると、店に入った途端に地震があり、誰かのスマホの地震警報がけたたましく鳴り出した。地震は治まり、タンドリーチキンカレーを食べた。780円。

 夜に帰宅し、2階の部屋に入ると、本の山が崩れていた。このときにはもう地震があったことを忘れていて、あああという息のような声が出る。この暑いときに崩れた本をすぐになおす気にはなれない。録画していたテレビ番組をいくつか。今朝の「虎に翼」などを観て、疲れてしまい、すぐに横になる。タイムフリーで、先週金曜の「中川家 ザ・ラジオショー」を聴きながら眠る。深夜に起きあがり、明日のゴミの準備してから、ブログを書いていた。

2024年8月8日木曜日

8月8日木曜日/初めてのゲンロンカフェ

◇ テレビ・雑誌

 今朝は涼しい。よく眠れた。録画していたテレビ番組をあれこれと。今朝の「虎に翼」を観て、それから、昨日の「徹子の部屋」(ゲスト・熊谷真実)と、昨夜の「あちこちオードリー」(ゲスト・ミルクボーイ&花澤香菜)を観る。楽天マガジンで雑誌のチェックをすると、「週刊文春」に、「27時間テレビ」の裏側で粗品の逆バンジートラブルがあったという小さい記事が載っていた。エンディングでちらっと触れていたのはこのことだったのか。空気を読んだ東野幸治がえらい。

 昼間、シャワーを浴びていたら、そういえば、末広亭の余一会の自由席の販売が正午からだったと思い出し、シャンプーしている最中だったが、急いで洗い流してそばに置いてあったスマホから予約をする。12時2分だったが、この発売はあまり知られてもいなかったのか、すんなりと購入できた。手数料をろくに確かめもせず、急いで買ってしまう。その後、風呂場に大量の洗剤が置いてあることが気になり、母が買っているものだが、使いかけで放ってあるようなものはもう捨ててしまおうと思い、どぼどぼと排水溝に流していたら、目がしょぼしょぼしてきた。「混ぜるな危険」というのはこれか。こんなことで死んでは情けないから、ほどほどにして風呂場から避難する。

◇ 五反田

 午後から外出。横浜から東急線を乗り継ぎ、五反田まで。五反田からこのルートで帰ってくることはあっても、このルートで五反田に向かうことはあまりない。めったに行かない北口のほうにたまには出てみようと思い、小諸そばに入り、山かけ丼セットを食べた。660円。南口に移動し、ブックオフに向かうと、ブックオフの隣りにも小諸そばがあった。わざわざ北口で小諸そばに入り、無駄なことをした気になった。ブックオフは1階の棚が少し変化していた。110円の文庫本を2冊、220円の新書を1冊買う。まだ少し時間があり、大崎広小路駅に近いほうのベローチェに入り、ひと休み。しかし、どうも落ち着かず、読書はほとんどできずに音楽を聴いていた。

 太田光のトークを観覧するため、ゲンロンカフェを初訪問。エレベーターで6階にあがるが、入場するには Peatix のアプリをインストールしなきゃならないんだと直前に気がついた。入場したのは 18時40分頃だったか、前回は配信で観ていた会場だが、画面で観るだけでは会場内の位置関係はわからない。ほぼ真四角の部屋の角にステージが組まれていて、対角の向かいにドリンクを提供するカウンターがある。そのあいだに椅子が並べられている。入り口から入ってすぐ右、カウンターの隅っこで入場の受付をしていた。椅子はステージに対して扇形に並べられ、真ん中の席はほぼ埋まっていたので、必然的に端のほうに席に座る。チケットは完売しているから、席は空けないほうがいいだろうと思い、いちばん右端の壁際の席に着いた。座ってみると、目の前にカメラ機材があり、ちょっと観にくいかもしれないとは思った。ほぼ舞台袖から観るような角度だ。会場の壁にはこれまでの登壇者たちのサインが書かれている。イラストのついたマンガ家のサインが目立ち、すぐ目の前には小林よしのりのサインがあった。ステージの向こうの壁は書棚になっていた。自分が座っているすぐ後ろにはガラスの窓があり、なかは配信用の副調整室のようだ。ステージ上、テーブルには登壇者のネームプレートが置かれている。真ん中には「芸人人語」の新刊も置いてある。ステージの後ろにはスクリーン。開演前は写真を撮ってもよさそうだったが、初めての場でマナーがわからないから、躊躇しているうちに始まる時間になってしまった。

 19時から7分ぐらい過ぎていただろうか、スタッフが配信を始める説明をして、太田光、石戸諭が、観客が入ってきたのと同じ後ろの入り口から現れ、客席のあいだを通ってステージにあがった。太田が上手の席、自分が座っている席に近い側に着く。太田光はゲンロンカフェには二度目の登壇となる。前回は配信を買い、それがとても面白かったから、今回は会場で観てみたいという気になった。今回は「迷い続けて、人間 ―太田光の思考と感情」と題し、聞き手は前回と同じく石戸諭が務める。石戸がフワちゃんのネタをさっそくふったが、太田はそれには乗らなかった。今回は「芸人人語」の3冊目の単行本が発売されたタイミング。本に書かれていることから、まずは太田自身の炎上をふり返り、旧統一教会問題について改めて語られる。宗教が信者を不幸にしていると断定することは暴力、あるいは、カルトとそうでないものの線引きの難しさ。わけのわからないものを信じるひとを笑えない、というのは、お笑いも同じだと思うからという考えかたは太田ならではのものだろう。SNSの炎上については、人間はつねに愚かだが、それでも必ず学んでいくのではないかという見解を示す。東京も昔は汚く、野蛮だったが、きれいになり、公共マナーが身についたじゃないか、だから、SNSもいつかはそうなるのではと語る。太田の楽観が印象に残る話だった。その後、話題がバラエティ論になっていくと、石戸諭の知識が浅く、もどかしく感じられる。石戸は時事ネタを扱う爆笑問題を異端だと言うのだけど、ビートたけし一色だったあの時代においては、ダウンタウンのほうが異端として現れたのだ。

 開始から2時間ぐらいして休憩になった。ここで一度、トイレに行っておく。席を離れたついでに、太田のサイン会があるというので入り口で本を買った。のどがからからになり、カウンターでコーラも買った。500円。一気に飲む。そのうち、太田のサイン会が始まり、列に並ぶ。列はステージから入り口の外まで伸びた。このイベントは配信もあるから再開せねばならず、サイン会の時間が短縮されるよう、宛名は入れずに太田がサインを入れるだけになっていた。太田さんとなにか言葉を交わしたいなと思い、考えながら並んでいたのだけど、順番が近づくとやっぱり緊張してくる。自分のひとつ前に並んでいた男が太田さんに話しかけ、このひとはラジオリスナーが聞けばすぐにわかる常連投稿者だった。そのあとだったことでさらに気後れしてしまい、結局、サインをいただいたあとに「ありがとうございます」とだけしか言えなかったが、太田さんもこっちを見て「ありがとうございます」と返してくれた。だけど、これだけでもなんだかすごく嬉しい気になった。

 後半の話題はキャンセルカルチャー。東京オリンピックのときの小林賢太郎について、太田が詳細に分析し、語っていく。それから、ジャニーズについて、ウディ・アレンについて語っていくのだが、芸能の話題になると石戸の知識が及ばない。時間は22時半頃だったか、ここでなんと、東浩紀が登場する。今日はけっこう早い段階で、東浩紀は新潟にいるという情報が石戸から知らされていたのだが、東浩紀は新潟から帰ってきていた。これには驚いたし、観客にとっては最高の大サービスだ。太田と東浩紀の再会に期待しないわけがない。太田の「笑って人類!」をまだ読んでいない東浩紀だったが、48時間以内に読むとこの場で宣言してみせた。そして、話題は戦争について。未来に対して楽観的な太田と悲観的な東の対比、あるいは、これは芸人と学者の違いでもあった。23時を過ぎると、終電のアナウンスがされる。登壇者たちには寿司がふるまわれた。しかし、この時間になると、石戸と東は酔っぱらいすぎていた。太田がイクラの軍艦巻きを食べようとして、ひと知れず、崩してぼろぼろになっていたが、石戸も東もそれには気がつかない。話題はまたテレビ論になっていく。太田は東浩紀にテレビに出ることを薦めるが、東はテレビを拒絶する。テレビマンたちを馬鹿だと言い切る東を、太田はここからかなりしつこく説得していった。そのうち、東浩紀はじつはさんまに影響を受けていると言い始める。成田悠輔や斎藤幸平のことも馬鹿にしている東だったが、最終的には、太田からの依頼ならばテレビに出ると断言した。東浩紀がついに「サンデージャポン」に出るんだろうか。太田からは、大衆芸能だから大衆を相手にするということについても語られ、初めて聴く話ではないが、赤ちゃんを前にすると誰もが赤ちゃんを笑わせようとする、赤ちゃんの前では誰もがコメディアンになるという太田の話には改めて感動させられる。ここで、石戸諭に光代社長から電話がかかってきた。以前、太田邸を訪れた石戸は、タイタンの次期社長になれと光代社長に言われたことがあるという。終盤になると、3人が代わる代わるトイレに立つ。最後は質疑応答。このイベントは観客の質もとても高い。3人の会話は深夜2時半まで続いた。7時間だった前回を超える7時間半。太田の楽観、東の悲観の対比は最後まで続いた。太田の楽観はどこからくるのか。太田のように、匿名の人物に人間を感じとれる感性はじつは珍しいと石戸は指摘した。

 太田が退場し、さて、これで終わりかと思いきや、東浩紀と石戸諭のふたりで二次会が続く。話題は太田から離れたものにもなり、観客はだんだん帰っていく。自分もスマホを取り出し、始発の時間や空いてる店を調べていたが、トークはぜんぜん終わらない。配信は3時半まであり、その後は配信なし、会場の客のためにトークを続けていた。配信の書き込みが表示されるモニターが壁にあり、客にも見えるのだが、石戸は某氏の名を出されることに不快感を示していた。東浩紀はしつこくインテリ批判をする。ふたりともべろべろに酔っていて、とても人前で金を取れるような会話ではないとは思いつつも、始発まで続けてくれるのはありがたいし、打ち上げの場に一緒にいるみたいな空気が貴重だ。会場に足を運んでみて、やっぱりとてもよかった。トークは4時半頃に終わった。

2024年8月7日水曜日

8月7日水曜日/なんにも知らなかった

◇ テレビ・ラジオ

 朝、ゴミを出してから、ブログの更新をひとつ。録画していたテレビ番組をあれこれと。今朝の「虎に翼」を観ていると、堺小春と望月歩が結婚することを寅子に報告させる場面で、遠山俊也がインタビューするみたいにマイクを向けるしぐさをしてみせたが、さすがにこの時代にそれはないんじゃないか。このドラマはおそらく、登場人物を意図的に現代人にしている面があって、変顔をやってみせたりするのもそうなのだが、このマイクを向けるしぐさにはなんの効果があるのかわからない。

 昨夜の「新しい学校のリーダーズの課外授業」は、ヨーロッパツアーに密着のほか、YouTube で公開されていた野村萬斎と対面する場面にこの番組も同行していて、YouTube の撮影のあとにこの番組の撮影になっていた。蹲踞の姿勢で動く稽古をするが、4人は教えなくてもあっさりできてしまう。すり足や蚊の動き、狂言の笑いかたを萬斎から直接仕込まれていた。

 「伊集院光のタネ」を1回聴きそこねてしまったのが悔しくて、聴き逃さないよう、タイムフリーで、先週の放送から昨日の回までを一気に聴いてしまう。先週木曜の「鉄道マニアに言わせれば」というタネで、8歳の子から届いたメールがかわいかった。

◇ 黄金町

 午後から外出。ゴミ捨て場の前を通ると、回収できないゴミが残されていて、それはうちが出したゴミだった。まいったな。とりあえず、今は出かけるからスルー。京浜急行の黄金町まで出て、カフェサンポポラに入る。アイスコーヒーとナーンドッグを食べた。560円。少しなにか食べておきたかったからだが、食べたかったものとはちょっと違った。失敗。しかし、ここはアイスコーヒーは安くて助かる店である。読書をして、それから、音楽を聴きながら少しぼんやりしようというつもりでいたら、モバイルバッテリーをうちに忘れてきたことに気がついた。スマホのバッテリーが心配で、音楽なんか聴いている場合ではない。しかたがないから、無音でぼんやりしていた。

◇ 映画

 シネマジャック&ベティにて、「マミー」を観る。16時15分の回。評判になっているのかわからないが、けっこう混んでいた。和歌山毒物カレー事件を検証したドキュメンタリー。映画は美しい風景から始まる。この映画のもつ語り口は過剰なものにも思えたが、この映画は驚くべきことをつぎつぎに明らかにしていく。そのすべてが初めて知ることばかり。あんなに有名な事件なのに、この事件のことをなんにも知らなかった。じつは証拠がなにもないこと、さらに、目撃証言のあやしさを検証していく。科学的な鑑定まで見せられると、これははっきりと無罪ではないかと思わされる。林真須美がみるみる犯人にされてしまう世間の暴力性が怖い。しかし、夫もまたどうしようもないひとではあった。映画には林真須美の4人の子どものうち、長男のみが登場する。この映画、どういう結末を迎えるのかと思えば、最後は監督の暴走で終わった。


 ジャック&ベティの近くの角の風俗店がベローチェそっくりの外観になっていた。訴えられるんじゃないだろうか。イセザキモールを関内方面に進み、マイカリー食堂に入り、欧風ビーフカレーを食べる。500円。ブックオフに寄り、220円の文庫本を2冊買っていく。横浜駅までは歩こうかと思っていたが、暑さが心配になり、関内から電車で帰ることにする。眠気がひどい。

 帰宅は夜遅くなる。まだそのままになっていた回収されなかったゴミをこっそりと持って帰る。うちに帰ると、ネズミが出た形跡があった。ここしばらくは出なくなっていたが、どういうきっかけかな。なにがかじられているかわからないから気持ちが悪い。ネズミ臭いのもいやだ。

 タイムフリーで、先週水曜に放送された「ピエール瀧と大根仁のオールナイトニッポンGOLD」をようやく聴いた。Netflix の「地面師たち」の公開記念の番組。進行役に荘口彰久も出演。前半のゲストに綾野剛、後半のゲストにマキタスポーツが登場。ブログをもうひとつ更新してから、深夜1時頃には眠った。

2024年8月6日火曜日

8月6日火曜日/ざる中華を食べる

◇ テレビ・雑誌・ラジオ・読書

 朝、ゴミを出してから眠りなおし、ブログの更新をひとつ。録画していたテレビ番組をあれこれと。まずは今朝の「虎に翼」。美佐江役の若い女優さん、片岡凛というひとなのだが、以前から迫力のある芝居が気になっていて、今になってどういうひとなのか調べてみると、TikTok が注目されて芸能事務所に引っぱられたというひとなんだな。あまりにも現代すぎる。

 楽天マガジンで雑誌のチェック。「サンデー毎日」では、松尾潔による小泉今日子インタビューがまだ続いている。Netflix の「新聞記者」を降板したことについても語られていて、てっきり、小泉今日子が降板した役を米倉涼子が務めたのだと思っていたが、小泉今日子は寺島しのぶの役だったのか。「SPA!」では、大島育宙が連載している「松本人志論」がずっと面白い。「エッジな人々」には東出昌大が登場。「ニューズウィーク日本版」には、村本大輔とパックンの対談があった。

 昼はラジオ。今日の「ビバリー昼ズ」は東貴博が夏休みで、高田先生と黒沢かずこのコンビ。黒沢が出演していた「ガキの使い」の「結果発表オーディション」を高田先生はきちんと観ていた。12時台ゲストは新時代歌謡グループのはやぶさ。

 聴きそびれていた先週水曜の「ビバリー昼ズ」をタイムフリーで聴く。12時台ゲストは河内家菊水丸。コレクターであり、記録魔。小学5年生から途切れることなく日記をつけていて、日記には索引もつけているというからすごい。昇太と初めて会ったのは 1991年7月6日、虎ノ門のラジオ短波、昇太がメインの「キャンパスラジオ ミッドナイトチューニング」という深夜番組に菊水丸がゲスト出演した。そのときのタイムテーブルも保存してあり、ここにも持参する。資料の量もすさまじく、資料室を借りているほどなのだ。乾貴美子ともじつは初対面ではなく、2002年7月12日、なんばグランド花月にて、ABCテレビの「特ダネ野郎えぇチーム」という番組で共演していた。そのときに菊水丸は乾貴美子と抱き合っていたことが明らかになる。

 タイムフリーで、先週火曜の「伊集院光のタネ」も聴く。この番組も聴くのが一週間遅れになってしまっていて、ずっと欠かさず聴いていたのだけど、この前の週の金曜の放送はどうやら聴きそこねてしまっていた。一応、YouTube  でも検索してみたが、YouTube にはぜんぜんアップされていない。有料配信もしている番組だし、そこはきびしくやっているんだろうか。

 午後にはまた録画していたテレビ。今日の「徹子の部屋」は傑作選「縁あって先輩後輩」。2022年放送、草笛光子と岸恵子はともに平沼高校の出身。2021年放送、徳光和夫とみのもんたは立教大学の先輩後輩。2014年放送、高橋英樹と浅丘ルリ子は日活の先輩後輩。

 夕方から外出。働かない生活もいよいよマンネリ化。星川に出て、ゆで太郎に入り、ざる中華を食べる。520円。無料券で温泉玉子もつける。保土ヶ谷図書館に寄り、けっこうひさしぶりだったから、じっくりと棚を見てまわった。2冊借りていく。そのあとは、イオン天王町のフードコート、マクドナルドのアイスコーヒーを飲みながら読書をしていく。庄野潤三「夕べの雲」を読み終えた。1988年刊、講談社文芸文庫。もともとは日経新聞の連載小説で、昭和40年に単行本が出ている。先月、神奈川近代文学館の庄野潤三展を観に行ったあとから少しずつ読んでいたのだが、ここに登場する子どもたちの現在を知ってから読むという不思議な読みかたになった。

 夜に帰宅し、夜もまた、録画していたテレビ番組をいくつか。今日の「さんま御殿」は「休みの過ごし方ヘタクソな人」というテーマだったのだが、さんまが声が出なくなり、字幕を出すという処置をする珍しい回だった。「27時間テレビ」の前にヒロミたちとゴルフに行ったのが原因だったようだ。この回にもヒロミが出演し、司会のアシストをする。しかし、やっぱり指揮者のいないオーケストラのようで、まるで違う番組になってしまうようだ。ラウール、ネルソンズの和田まんじゅうと青山フォール勝ちが初出演。あれっと思ったけど、やす子はいつの間にか迷彩服じゃなくなっているんだな。

 深夜1時からは「爆笑問題カーボーイ」を聴く。今夜は生放送。フワちゃんの話題を期待したが、それには触れなかった。ダニエルズがタモリが参加するヨットのイベントの司会に呼ばれたんだそうで、タモリから「太田に言っといてくれよ。一生親友だと思ってるから。」と言われたって。そのあとには FUJIWARA がゲスト、恒例の「ツッコミ祭り」。今夜は最後まで聴いた。深夜に鼻水とくしゃみがひどくなり、風邪薬を飲んでから眠る。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

夕べの雲 (講談社文芸文庫) [ 庄野 潤三 ]
価格:1,430円(税込、送料無料)

2024年8月5日月曜日

8月5日月曜日/どこでもらった新紙幣

◇ テレビ・雑誌・ラジオ

 朝、ゴミを出し、それからブログの更新をしようとするが、眠くなる。眠りなおそうとするが暑い。それでも、2時間ぐらいは眠りなおしたか、眠気がとれたところでブログを更新したが、これだけで昼になってしまった。

 録画していたテレビ番組をあれこれと。今朝の「虎に翼」を観てから、昨夜の「NHKニュース7」を観る。北朝鮮の大雨被害のニュース。国際ロマンス詐欺の拠点だという、ナイジェリアの取材もしていた。

 「ガキの使いやあらへんで!」は「結果発表オーディション」が3週続き、初回だけ観ていたが、残りの2週をまとめて観る。5番目に登場したのは黒沢かずこ。ファンとして、浜田への思いを歌う。6番目はランジャタイ。お爺さんお婆さんたちによるパンクバンドを登場させる。ドラマーのお婆さんは若いひとが老けづくりをしているのかと思ったら、実際に83歳のお婆さんが演奏をしているのだった。7番手以降は、エハラマサヒロ、きつね、ココリコ、ジェラードン、くっきー、月亭方正と続いた。全12組が終わり、いよいよ結果発表。合格に選ばれたのは3組。AMEMIYA、黒沢かずこ、ジェラードンが選ばれた。さらに、このままなくなってしまってはもったいない曲としてもう2曲、ロバート秋山、月亭方正も選ばれる。

 昨夜の「おかべろ」は「THE SECOND」で活躍したガクテンソクとザ・パンチがゲスト。今日の「徹子の部屋」は多岐川裕美がゲスト。今年3月に初孫が誕生したという。1989年に出演した回の映像が流され、そのときには娘が産まれた話をしていた。

 楽天マガジンで雑誌のチェックをする。「週刊ポスト」は巻頭グラビアにユリ・ゲラー特集。1974年の超能力ブームから50年になるのだ。矢追純一の証言、大槻ケンヂのコメント、清田益章、Mr.マリックのインタビュー、さらに、ユリ・ゲラー本人のインタビューもあって充実している。ユリ・ゲラーはジョン・レノンとオノ・ヨーコに日本での生活を薦められ、約1年間、山中湖の近くの小屋に家族で住んでいたことがあるんだって。現在は故郷のイスラエルに住み、「ユリ・ゲラー博物館」を経営している。横山剣さんの連載は近田春夫「星くず兄弟の伝説」について語っている。「実は、晩年の内田裕也さんのために、近田さんと僕とで曲作りを試みたことがあります。その時は僕が絶不調で、何も成果は残せなかったんですが……。」 そのほか、83歳、石坂浩二のインタビュー記事もあり、たけしの連載は「戦争論」を語る特別編。読書欄は「79年前の「あの戦争」を知るための1冊」という特集。

 「週刊現代」の巻頭グラビアは、桂ざこば、今くるよ、キダ・タローの追悼特集。「あの日のごちそうさま」の欄には大鶴義丹が登場していた。磯釣りに凝っていた唐十郎は、自分で釣ったヒラマサをさばき、劇団員たちにふるまっていたという。新宿の映画館で「ブレードランナー」を一緒に観たあとには、歌舞伎町の中華屋で映画談義になった。唐十郎はエビチリが好物だったが、急に甲殻類アレルギーになってしまったそうだ。

 夕方から外出。家を出た途端にどうもふらふらする。水分か糖分が足りないのか。駅の向こうの餃子の王将に入り、醤油焼きそばと餃子を食べる。945円。会計のときに気がついたが、財布にいつの間にか新紙幣の千円札が何枚も入っていた。新千円札は初めて手にする。どこでもらったのかまるで気がついていなかった。

 あてもなく、横浜に出る。西口地下の有隣堂を覗き、それから、ヨドバシカメラにも寄っていく。いつもは目的の商品の確認ぐらいしかしないのだが、珍しく、のんびりと各フロアを順番に眺めてまわった。南幸のドトールに入り、ひと休み。エックスではフワちゃんとやす子の件がえらいおおごとになっていて、いつものことだが、炎上というものが進展する速度はじつに気味が悪い。今夜の「フワちゃんのオールナイトニッポン0」は休止になってしまった。そこまですることかいな。ドトールで読書をしてから、夜遅くに帰宅する。

 夜もまた、録画していたテレビ番組をいくつか。今夜の「しゃべくり007」は漫才協会の特集。ナイツ、錦鯉、おぼん・こぼん、U字工事、ちゃんぴおんずが出演。最後には、塙の会長就任のお祝いに戸田恵子も登場した。今回は、しゃべくりメンバーを入会させるために、浅草の人気スポットを紹介するという企画。こぼん師匠が「おたく、お師匠さんがよくネタ合わせをしている喫茶店があるんですよ。」というと、コント山口君と竹田君の写真が出され、「くりぃむしちゅーの師匠」というテロップが出た。上田「なんていう喫茶店ですか?」 おぼん「ドトールコーヒー。(笑)」 有田「われわれが付き人やってたころもよく買いに行きました。」「アメリカン、何回買いに行ったか。」

 SNSから、米丸師匠の訃報を知る。99歳、老衰。昼にはダニエルズの解散を知ったが、夜には今度は10億円の解散を知った。テレビで初めて観たときから面白いと思ったコンビだった。一度も生で観なかったことが悔やまれる。

 昼に聴きそこねた「ビバリー昼ズ」を、夜になってからタイムフリーで聴いた。12時台ゲストはヒロシ。深夜にコインランドリーに行き、洗濯中は先週土曜に放送された「SAYONARAシティボーイズ」を聴いた。1時間ぐらいで帰ってきて、ブログをもうひとつ書きかけ、早朝になってから眠る。

2024年8月4日日曜日

8月4日日曜日/渋谷系のゆで太郎

◇ テレビ

 朝から、録画していたテレビ番組をあれこれと。今朝の「ボクらの時代」は、浅野忠信、永瀬正敏、佐藤浩市という顔合わせ。石井岳龍監督の「箱男」で共演した3人だが、相米慎二作品に出ているという共通体験もあった。

 昨夜の「にちようチャップリン」は「TGC」こと「テレ東芸人コレクション」と題し、東京ホテイソン、ラニーノーズ、ひよしなかよし、ハンジロウが出演した。遠藤憲一のものまねをするねんねんが「ひよしなかよし」というコンビだったとは知らなかった。東京ホテイソンはショーゴがマッチョになってから本当にいやな雰囲気になってしまった。

 今朝の「サンデージャポン」は、岡田紗佳、菊池日菜、堀江貴文、安野貴博らが出演。安野貴博はいよいよただのコメンテーターになってしまうのかな。今週も話題はオリンピック一色。松本薫が登場し、柔道着を着た堀江と安野を相手に、技を実演しながら解説をした。松本薫はホリエモンの大ファンなんだって。体操の解説には池谷幸雄が、サッカーの解説には本並健治が登場した。「ワイドナショー」もオリンピックの話題が多い。笠松将が二度目の登場のほか、今田耕司、神田愛花、オズワルド伊藤が出演。

 「TVタックル」はこんな時期でも政治の話題。宮沢博行が初出演のほか、東国原英夫、泉房穂、山口真由、竹田恒泰らが出演。広瀬めぐみ議員について、宮沢博行「ソフトなイメージだなあというふうに私は思ってましたね。はい、そして、会議にもしっかり出てこられるかたなんで、これから岩手県を代表されるかたになってくんだろうなあとは思いながらも、あの、妙な、必要以上に色気があったなあと。」

◇ 星川

 夕方から外出。特に用があるわけでもなく、星川に出て、ゆで太郎に入る。ミニ唐揚げのり弁セットを食べる。700円。無料券で海老天もつける。のり弁の唐揚げがあつあつで、思いがけない量の汗をかいた。店内に流れている音楽をなにげなく聴いていたら、オリジナル・ラヴが流れていると思っていると、つぎにはフリッパーズ・ギターが流れた。このゆで太郎は渋谷系なのか。つぎはなんの曲だろうと気になり、待っていると、今度は「WON'T BE LONG」が流れた。

 イオン天王町のフードコートに移動し、マクドナルドのアイスコーヒーを飲みながら読書をしていく。五木寛之「はじめての親鸞」を読み終えた。2016年刊、新潮新書。吉本隆明の「最後の親鸞」を読んだのは何年前だったか、がんばってなんとか読んだものの、しかし、理解できないこともかなり多かった。考えてみれば、そもそも、その時点では親鸞についてはなにも知らず、にも関わらず、いきなり「最後の親鸞」とは無茶な話だ。吉本隆明にとっては最後でも、わたしにはスタートだった。JAYWALK もそんなことを歌っていたような気がする。ならば、「最後の親鸞」ならぬ「はじめての親鸞」のような本が読みたいと思い、探してみたら、そのまんま、そういうタイトルの本を五木寛之が書いていた。この本は、2015年に行われた「人間・親鸞をめぐる雑話」という新潮社が主催している全3回の講座がもとになっている。だから、書いているというか、語っているものを書き起こしてあるわけだが、初回の講座は「こんばんは、五木寛之です。」から始まる。知ってるよと言いたくなるが、そのくらい、わかりきっていることから語ってくれているやさしい本だった。

 コーナンで買いものしてから、夜遅くに帰宅する。深夜にブログの更新をひとつ。SNSでは、フワちゃんとやす子がどうやらトラブルを起こしている。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

はじめての親鸞 (新潮新書) [ 五木寛之 ]
価格:770円(税込、送料無料)

2024年8月3日土曜日

8月3日土曜日/そこらへんの水を足す

◇ テレビ・ラジオ

 早朝に起きあがり、ゴミを出してから、ブログの更新をひとつ。ラジオを聴きながら、もう少し眠りなおす。録画していたテレビ番組をあれこれと。「虎に翼」の今週のダイジェスト版を観て、それから、昨日のテレビをいくつか。昨夜の「A-Studio+」は石原良純がゲスト。舘ひろし、萬田久子らが取材される。鶴瓶が収録の途中でトイレに行ってしまう場面もあった。テレビ神奈川で観ている昨夜の「太田上田」は稲川淳二がゲスト。こういうトークバラエティに登場する稲川淳二を観るのはひさしぶりな気がする。

 昨夜の「ネタパレ」は、ラウール、出口夏希がゲスト。ちゃんぴおんず、ななまがり、ダウ90000、GAGが出演した。メンバーが変わったGAGのコントを初めて観た。「ニュースターパレード」には、牛ペペ、破壊ありがとう、ゲラゲラ星人が挑戦。破壊ありがとうはASH&D所属になったようだ。ゲラゲラ星人が意外としっかりしたフリップあるあるネタをやっていた。チャンピオンは破壊ありがとう。

 今朝の「週刊フジテレビ批評」は恒例の「夏ドラマ辛口放談」。梅田恵子、吉田潮、木村隆志、大島育宙の4人がこの夏に始まったドラマを語る。それぞれがベスト3の作品を選び、まずは1位から発表される。梅田恵子、木村隆志の1位はフジテレビの「海のはじまり」、吉田潮、大島育宙の1位はNHKの「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」。吉田潮は2位に「新宿野戦病院」を選ぶ。吉田「2話からぐっと現実にちゃんと直視したネタがいくつも入ってきて、ゴールデンのドラマでやんないようなネタ? 美容医療の闇とか儲け具合とか、なんかそういう話もぜえんぶこう、コミカルなんだけどシニカルに入れ込んでいて、ああさすがだなクドカン、っていうので納得したっていうのもあり、2位にあげたいなと思って。」 大島もこのドラマには肯定的。大島「「雑に平等に救う」っていうメッセージが出てきたところで、ああなるほど、医療とか、福祉っていうのは平等に手厚くやるのは無理な時代、だったら雑に平等にやるんだ、っていう最先端のメッセージ出してくれてるじゃん、みたいなことも思いまして。」 ところが、梅田は否定的。梅田「面白いんですけど、どこを観たらいいのかわからないっていうところがまずあって、(略)つねに画面に、5、6人はひとがいるっていう大混雑なんですよ。そうすると、どこの人物にまず共感して観たらいいのかっていうのが、ちょっと私はわからなかったっていうのがあって。」 木村も「いちばん感じるのは、カット割りが早すぎるんですよ。」 木村の2位は日本テレビ「クラスメイトの女子、全員好きでした」、梅田はTBS「笑うマトリョーシカ」、大島はTBS「西園寺さんは家事をしない」を選んだ。3位の発表の前に次週に続く。

 SNSから、永野の結婚発表にびっくり。なんと、相手はカルーア啓子だった。10年前から結婚していたとは驚いたな。

 昼はラジオ。「田村淳のNewsCLUB」をつけておく。今週も砂山アナはオリンピックの取材のために不在、パリから電話をつないだ。弁護士の島田さくらさんもリモート出演。代わりに、ニュース解説を担当する木村草太が冒頭から出演した。木村草太が語る「統計的差別」という新しい問題に興味を惹かれる。

 アイスコーヒーを作ろうとすると、ウォーターサーバーの水がもう終わり。1本につき、1週間しかもたなかったか。これはいちいち追加注文していては大変だ。そこらへんのスーパーで買ってきた水を注ぎ足しすればなんとかなるかな。

 夕方から外出。まず、駅前の日高屋に入り、冷麺と餃子を食べる。940円。二俣川に移動し、ドトールで読書をしてから、ダイソーで買いものして、夜になってから帰ってきた。

 夜はラジオ。「HONMOKU RED HOT STREET」をオンタイムで聴いた。「剣さんイイネ」のコーナーには大黒摩季が登場。剣さんとの接点が意外だったが、オルケスタ・デ・ラ・ルスとコラボしているとは知らなかった。ラジオを聴きながら、ブログの更新をもうひとつ。深夜1時頃には眠る。

2024年8月2日金曜日

8月2日金曜日/ドラクエは知らない

◇ テレビ・ラジオ

 朝、つけっぱなしだったラジオから臼井ミトンがしゃべり始める。ゴミを出してきてから、ブログの更新をひとつ。録画していたテレビ番組をあれこれと。今朝の「虎に翼」を観て、それから、昨夜の「アメトーーク!」は「お肌よわよわ芸人」。狩野英孝、アインシュタイン稲田、笑い飯西田、フジモン、麒麟田村、蛙亭中野、すゑひろがりず三島、ヤジマリーが出演。

 昼はラジオ。「ビバリー昼ズ」を聴く。今日はたけしのバイク事故からちょうど30年か。高田先生はのどの調子が悪いようだ。最初から最後まで聴き、タイムフリーで、聴きそびれていた先週金曜の「中川家 ザ・ラジオショー」のオープニングを聴いた。SNSでも話題になっていたようだが、中森明菜からのメールがサプライズで読まれ、剛が号泣する。メールが読まれたのは番組が始まってすぐだった。泣いている剛に驚き、「ビバリー」が終わったばかりの松村邦洋と磯山さやかもスタジオに入ってくる。

 録画している「徹子の部屋」もすぐに観てしまう。今日のゲストは長山洋子。6年ぶりの出演だそうだが、珍しく、洋服で出演していた。スタジオでは「ヴィーナス」を歌った。

◇ みなとみらい

 夕方から外出。横浜東口のポルタから日産ギャラリーを抜け、みなとみらいに出る。「ドラゴンクエストカーニバル」というイベントを開催中のマークイズを再訪問。とはいえ、ドラクエのことはよく知らない。子どものころに「Ⅲ」まではやったんだったか。正面にいたヒョウみたいなやつもドラクエのキャラクターなのかと、写真を撮っておくが、ポスターを見るとそいつも描かれていたからやっぱり仲間だった。マークイズ4階のフードコートを初利用する。リンガーハットのつけ麺を食べた。690円。

 ランドマークプラザに行ってみると、こちらも「ドラゴンクエストカーニバル」の会場になっていて、中央の吹き抜けには巨大なスライムがぶらさがっている。1階にはショップもあった。1階を通り抜けて、クイーンズに進む。平日のわりにひとが多いと思ったが、そういえば、夏休みか。夏休みとは無関係に生きているから鈍感になっていた。ベローチェに入り、ひと休み。しばらく読書をしてから帰る。

 夜遅くに帰宅し、夜もまた、録画していたテレビ番組をいくつか。ここ最近は録りためていただけでぜんぜん観ていなかった「私のバカせまい史」をこつこつ観ている。明日のゴミの準備をしてから、深夜1時頃には眠る。

2024年8月1日木曜日

8月1日木曜日/ガンディーマジやばい

◇ テレビ

 今朝は涼しく、こんなに眠っていていいんだろうかというくらいに眠った。ブログの更新をひとつ。録画していたテレビ番組をあれこれと。今朝の「虎に翼」を観て、それから、昨夜の「水曜日のダウンタウン」を観る。先週の三つ子企画の続編として、三つ子を使ったドッキリ企画。宮下草薙の草薙に「同一人物無限出現ドッキリ」を仕掛けるが、草薙が鈍感すぎて、ぜんぜん面白くならなかった。後半は、ひさしぶりのあかつ企画「不要となったコロナ対策のアクリル板を回収しながら北上すればそのアクリルで作った船で津軽海峡渡れる説」。Ado がゲストの昨夜の「あちこちオードリー」も観る。

 SNSから、園まりの訃報。80歳だったとは驚いた。つい最近まで「徹子の部屋」に出ていたのに。今日の「徹子の部屋」は湯川れい子がゲスト。シャンソンの曲を公募した「エターナルソング・コンテスト」にて、志穂美悦子が「鬼無里まり」という名でシャンソン歌手デビューした映像も流された。

 テレビを観ながら、とんねるずの武道館ライブのチケットの抽選にようやく申し込んだ。第3候補まで申し込めるが、どうすれば当選確率があがるのかはわからない。もうひとつ、末広亭の余一会の立川流の会が今日発売だったのを忘れていた。気がついたときには完売。即完するような会じゃなかったと思うのに、うっかりしていた。これは一応、公演アラートに登録しておく。

 夕方から外出。横浜に出て、西口のすき家に入り、ダブルニンニク牛丼を食べた。680円。ビブレのブックオフに寄り、110円の文庫本を2冊買う。東口に移動し、ドトールに入る。いつもそうするように地下の席に降りていくと、どうも蒸し蒸ししている。冷房がついてないわけはないのだろうが、空気がやけにぬるいので、いつもは利用しない1階の席に移ることにした。

◇ 読書

 ドトールで、中島岳志「ガンディーに訊け」を読み終えた。2018年刊、朝日文庫。親本は2009年刊。2008年に放送されたNHK「知るを楽しむ」のテキストがこの本のもとになっていて、終章には南直哉との対談がたっぷりと収録されている。中島岳志の本を読むのはこれが何冊目になるだろうか、1975年生まれ、同い年の政治学者だが、政治に対する考えは中島岳志からずいぶん学ばせてもらっている。とても信頼できる書き手だと思っている。この本も付箋をたくさん貼りながら読んだ。以下、たくさん引用。

P12「私はもともとガンディーに対して、かなり懐疑的でした。ガンディーの構想の実現など、人類には不可能だと思ってきました。人間が欲望を乗り越えることなどできっこない、暴力のない社会なんて永遠にやってこない。そう強く思ってきました。実は、今でもそのような考えは、あまり変わっていません。人類は永遠に不完全だし、人間の能力には限界があると思っています。しかし、ガンディーとじっくり向き合ううちに、彼はそんなことなどすべてお見通しだということに気づきました。人間がどれほど多くの限界を持ち、様々なものに限定されて生きているのかについて、ガンディーほど真摯に考えた人物はいないということがわかってきました。そして、だからこそ彼は信仰の意義を説き、生き物すべての命の意味を深く問い続けたのだということに気づきました。ガンディーは、生まれながらの聖者ではありません。様々な欲望にまみれ、人の何十倍もの反省を繰り返しながら、ゆっくりゆっくりと思想を練り上げ、それを実践していきました。」

P33-34「「食べない」というのは、ある意味「塩の行進」と同じく非常にわかりやすい方法で、食べなければ衰弱して死ぬことは、誰にでもわかります。「このまま争っていたら、私たちのガンディーは本当に死んでしまうかもしれない」と思います。だから、争うのをやめる。「自分たちはこれでいいのか」と自己反省することになるのです。心の中にある宗教的なるもの・善良なるものが引き出されていくわけです。(略)しかし、例えば今の日本の政治家を見ても、自分の公約にそこまで真剣な祈りを捧げる人はいませんし、その人が食べないからといって政治が動くようなこともまずありません。ガンディーという人が、「断食」をすれば争いがやむだけの尊敬と信頼を受けていた人物だったからこそ、成し遂げることができた政治行為だったのでしょう。「断食」による政治解決という方法は、誰でも成功するものではありません。」

P35-36「彼は「機械から手作業へ」という近代と逆行する道筋を説きました。彼が批判したのは、イギリスの産業界だけでなく、機械に依存している近代社会そのものでした。機械に依存し、欲望を次々と搔き立てられる社会は、人々が物欲の奴隷になっている社会だと批判したのです。(略)ただし、彼は機械そのものを否定したのではありません。そもそも糸車も機械ですし、すべての機械を否定することは、近代社会では不可能でしょう。ガンディーは学生から「あなたは機械に対してすべて批判的なのですか?」と問われたとき、「私は機械に対してではなく、機械への狂信に反対しているのです」と答えています。つまり、すべてを機械に依存し、あらゆる欲望を機械の発展によって実現しようとする「狂信」に対して、ガンディーは批判の矛先を向けたわけです。そして、彼は静かに糸車を回す作業を重視しました。」

P40-42「「塩の行進」「断食」「チャルカー」と、ガンディーが独立への突破口を開こうとした三つの事例を挙げましたが、これらから浮かび上がってくることがあります。それは、「メタ宗教」ということです。いずれの出来事も宗教的な意味合いは大きいのですが、特定の宗教・宗派の教義というわけではありません。(略)だから、ガンディーは独立運動を推進する上で、特定の宗教イコンやモチーフは、使いませんでした。それよりもっと高次なレベルで人々を結び合わせる方法を模索したのです。そこで構想されたのが「メタ宗教」です。「メタ宗教」というのは、特定の宗教の教えを超えた普遍レベルの宗教のことで、ガンディーは個別的な対立を超えたところで普遍的な宗教的価値を共有しようと訴えました。そもそもガンディーは、ヒンドゥーとイスラームが、同じ真理を共有していると考えていました。またそれはキリスト教も仏教もスィク教もジャイナ教も同じで、究極的にはすべて同じ一つの真理を共有しているというのがガンディーの考えでした。(略)ですから、宗教は根源的な真理をしっかりと認識すれば、対立するはずがないとガンディーは考えていました。彼は、宗教対立を解決するために、宗教を排除したり空洞化したりするのではなく、その本源に迫ることによって、表層的な違いを乗り越えることができると訴えたのです。彼はそのような哲学を、「歩くこと」や「食べないこと」「チャルカーを回すこと」といった極めて具体的で日常的な行為によって表現しようとしました。彼の思想は、あくまでも机上の論理ではなく、すべてが行為となって表現されるものでした。しかも、その行為は極めて普遍的でシンプルなものです。誰でも理解できる行為です。ガンディーのすごいところは、まさにこの部分です。」

P45-46「実は、ガンディーが白い腰布一枚の着衣にこだわったことには、深いわけがありました。インドでは、どのような衣をまとっているかによって、その人の社会的属性(地域やカースト、人生の段階)を示すことがあります。(略)ガンディーはもともと弁護士でしたので、イギリス留学時代や南アフリカ時代の初期には、立派なスーツ姿でした。しかし、南アフリカでの活動の過程でインドの大衆的な服装に変化し、インドに帰国後は徐々に半裸のスタイルになっていきました。これはガンディーが、地域やカーストを超えたスタイルを追求した結果でした。さらに、半裸の姿は「無所有」の象徴でもあります。(略)彼の着衣には、明確な政治的メッセージが込められていたのです。さらに、眼鏡に坊主頭、半裸という姿は、「ガンディーとはこんな人だ」ということを人々に印象づけるにはもってこいでした。(略)ガンディーは、パフォーマンスの担い手という側面でも、やっぱり天才だったと思うことがあります。」

P49-50「ガンディーの「非暴力」は、時に「無抵抗」と誤解されることがあります。実際、少し前まで、ガンディーの主義を「無抵抗主義」と呼んでいたことがありました。が、これは正確ではありません。というのも、ガンディーは決して無抵抗だったわけではないからです。むしろ、「これは間違っている」と判断したことに対しては積極的に抵抗すると言ったほうが当たっています。ですから、「不服従」、あるいは「非協力」と表記するのがよいと思います。」

P51-52「ガンディーには常に他者を迎え入れる姿勢があります。そして、その相手に応じて言葉を発し、対話を通じて自らの信念を表現しようとしていきます。このような「受身」の姿勢の中に、ガンディーは積極的な側面を見出していたのではないかと、私は思います。とにかく前のめりになって何かをつかもうとするのではなく、静かに座ってチャルカーを回したり、ゆっくりと歩いたりしながら、何かを実現していこうとするガンディーは、「受身であることの積極性」を深く追求していたのではないでしょうか。これは、彼の哲学が否定形で表現されることが多いことと無縁ではないと思います。」

P53「さて「非暴力」という概念ですが、ガンディーは単に「暴力を使わないことがよい」と言っているわけではありません。「暴力を捨てる勇気を持つことが重要だ」と言っているのです。暴行の場面に出くわしたら、止めに入らなければなりません。見て見ぬふりをするのは非暴力の実践ではありません。彼は「非暴力を臆病の盾にしてはいけない」「卑怯者になるよりは剣をとれ」と言いました。」

P58-59「しかし、ここで困ったことが起こります。なぜならば、国家はどうしても暴力装置であるという側面を否定できないからです。ガンディーの思想は「非暴力」でありながら、インドの独立を要求していました。しかし、国家は紛うかたなき暴力装置です。主権国家体制において、国家は暴力を合法的に占有することのできる組織です。(略)ガンディーはこれをどう考えたのでしょうか? おそらく、彼はインドという国家を「暴力を超越した正義にコミットする国家」へと転換させたいと考えていたのだと思います。」

P60-61「ただし、ガンディーは近代国家の中枢である議会の存在を一貫して否定的に扱っています。(略)ガンディーの目には、議会の構成員である議員たちは「偽善者で利己主義者」というように映っていました。議員たちは、自らの利益を最優先して行動を起こすために、何一つとしてよいものを生み出さないというのです。ガンディーは、議会制民主主義に対して懐疑的だったということができるでしょう。なぜならば、それはマス(大衆)とマスメディアの熱狂によって大きく左右され、真の正義が実現される余地がほとんどないからです。」

P67-68「ガンディーは国家の機能を最小限にとどめ、おおよそは地域共同体の自治によって運営するべきであると考えていました。ある意味で、究極の地方分権論です。(略)これは、アナーキストが考える「コミューン」の発想に近い部分があると言えるでしょう。彼の反資本主義的側面を考慮すれば、その側面が一層、際立って見えるかもしれません。地域社会における相互扶助を説く点も、似ていると言えるでしょう。ただし、彼は左翼的な理性主義・合理主義を採りません。あくまでも人間の理性には決定的な限界があり、理性による設計主義では世の中はうまくいかないというのが彼の信念でした。そのため、彼は人智を超えたものに依拠することの重要性を説き、伝統や慣習、良識、神などを尊重しました。」

P71-74「ガンディーの不服従運動は、一般に「サッティヤーグラハ運動」と呼ばれているのですが、これは、「サッティヤー(真理)」と「アーグラハ(主張)」を掛け合わせた言葉で、「真理の主張」といった意味になります。ですから、非暴力や不服従のみを指しているわけではなく、もっと広い意味があります。(略)彼は、サッティヤーグラハについて興味深いことを言っています。彼は「歴史」という単語がヒンディー語と英語では、その語源的意味が異なることに注目し、サッティヤーグラハの真意について論じています。ちなみにヒンディー語で「歴史」は「イティハース」と言います。英語はもちろん「ヒストリー」です。(略)ガンディーは、ヒンディー語の「イティハース」の語源が「このようになった」という意味であることに注目しています。これは非常に重要な視点です。ガンディーにとって、「歴史」とは過去の特異な出来事の羅列などではありません。私たちが「いま」「ここで」「このように」生きている状況を暗黙のうちに導いてきたものこそが「歴史」であり、我々の言語や思考様式、良識、伝統など日常生活を支えるおおよそのものは、「歴史」が慣習を媒介として運んできた英知に他なりません。(略)要するに「サッティヤーグラハ」は、何か特殊な人間が説いたイデオロギーや主義主張なのではなく、日常生活の中に「歴史」を通じて継承されてきた良識とそれに基づく暗黙の行為の中に潜んでいるものなのです。」

P93「最近の日本の政治でとく言われる言葉で、私が常々疑っている言葉があります。それは「構造改革」とか「抜本的改革」とかいう言葉です。(略)しかし、そんな簡単に改革などできるはずがないのです。度外れた楽観的未来像や設計を描いて、それを実現したら理想的な社会が訪れるなんて、ありえないのではないでしょうか。これはガンディーの気の長い闘争を見ても、思うことです。世界は漸進的にしか変わりませんし、極端な改革や革命など秩序の崩壊を招くだけです。人間の理性を過信してはいけません。人間の不完全性を、我々は直視しなければなりません。」

P96「ここで、私はもう一つ、ガンディーの言葉を思い出します。それは「ウォーク・アローン(一人で歩め)」という言葉です。ガンディーらしい、いい言葉だと思います。彼は人々と協調しながら運動を進めましたが、一方で孤立や孤独を恐れませんでした。彼は人間の共同性と単独性の両方を重視しました。時に人間は静かに一人で神と向き合い、自問自答しながら歩まなければならないのだと思います。」

P145-146「ガンディーは、世の中にはヒンドゥー教やイスラーム教、仏教、キリスト教などいろいろな信仰があるけれども、究極的には目指すところは一緒であると考え、それをわかりやすいたとえで語りました。例えば、「山のたとえ」というのがあります。「山にはいろいろな登り口があるけれども、頂上は一つである」と言いました。我々は登り道の違いのほうにばかり目を向けがちですが、重要なのは頂上で、目指すところは一緒だと言っているわけです。いわく、「宗教は同じ場所に到達する別々の道です」。つまりガンディーが言いたかったのは、真理の唯一性とそれに至る道(=宗教)の複数性です。(略)世の中では、平和主義的に、「それぞれの違いを認め合いましょう」などと呼びかけることがあります。しかし、それを聞くたびに、私は「違いを認め合う」ところにとどまっていていいのかという気がします。これに対して、ガンディーはもう一つ先の、「差異を認めながら、同時に真理の同一性を求める」というところを目指しました。ちなみに、これを西田幾多郎に言わせると「多と一の絶対矛盾的自己同一」ということになります。この難しい言い方を、ガンディーは非常にわかりやすく言ったわけです。」

P149-150「彼の人生は、まさに実践する人生でした。理論で語るのではなく、身体を使って、足を使って行動しました。「口だけ」で「行動」が伴わない宗教家や政治家が多いので、その人生はよけい際立って見えます。ガンディーもそう考えていたのではないかと思います。彼の自伝には、こんなサブタイトルがついています。「真理へと近づくさまざまな実験」です。(略)実験ということは、試行錯誤ということです。試し続けるということです。途上にあるということです。すなわち、悟っていなかったということです。悟っていなかったから、模索していたのです。自分には欲望があって、悟っていないという自覚があったから、実験し続けたのです。」

 平沼のブックオフにも寄り、スーパーで買いものをしてから夜遅くに帰宅した。録画していたテレビ番組を少し観て、明日のゴミの準備をしてから、深夜1時頃には眠った。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ガンディーに訊け (朝日文庫) [ 中島岳志 ]
価格:726円(税込、送料無料)

ブログ アーカイブ

8月19日木曜日/田中康夫の演説を聴く

◇ ラジオ・雑誌  今朝もまず、ブログの更新をひとつ。それから、聴きそこねていた「ザ・ラジオショー」を聴いていく。今週はナイツが夏休みで、月曜の代打はニッチェ、火曜は中川家、水曜は三四郎が務めた。(パートナーは通常どおり) まずは、火曜の中川家の日から聴いておきたかった。オープニ...