2020年12月3日木曜日

12月3日木曜日/空転するギャグ

  昨夜は深夜に帰ってきて、日記を書くのに朝までかかってしまった。あたまがだんだんまわらなくなっていくので、まったくよくない。早朝から眠り、目覚めたのは正午近くだった。

◇ 黄金町

 すっかり日が暮れてから外出。西横浜から黄金町まで歩いた。

 伊勢佐木町の古本屋、バイアップ、川崎書店、馬燈書房を順番にまわる。といっても、外に出ている均一本を眺めていくだけだが、あんまり期待できないコース。今日は馬燈書房で一冊だけ、小林信彦「植木等と藤山寛美」を300円で購入。こちらのお店で買いものしたのはかなりひさしぶりな気がする。

 いつもなら雲雀洞にも寄るところだが、今週は所沢の古本市に行っていると事前に店主に聞いていたのでスルー。店番のひとに会いたい気もしたが。均一本ならば、先に挙げた3店よりも雲雀洞のほうがいい本が買える可能性が高い。

◇ 空転するギャグ

 シネマジャック&ベティで、山本政志監督の「脳天パラダイス」を観た。ナンセンスなギャグがふんだんに盛り込まれているが、ことごとく空転していて、観ていて怖くなった。もしかしたら、脚本では面白いのかもしれない。もしも、三木聡が監督だったらどうだろうか。あるいは、細川徹が監督だったら。

 怖くなったというのは、自分も「ブックオフ大学ぶらぶら学部」ではギャグを盛り込んだ文章を書いていたため、とても他人事とは思えなくなった。あの本の趣旨とは関係ないので強くアピールもしづらいのだが、頼まれたわけでもないのに、ギャグをたくさん詰め込んだ文章を勝手に書いたのがあの本に載っている文章だ。文章というのは映画とはまた違って、読者がこちらの狙いどおりのリズムで読んでくれる保障はない。いや、狙いどおりに読ませるのが腕の見せどころだとは思うが、それにしても、自分のせいではないところで空転している可能性があるかと思うと、恐ろしさに震えてどこかへ駆け出してしまいそうになる。

◇ 今日の読書

 大江健三郎「「話して考える」と「書いて考える」」を読み終えた。集英社文庫。ノーベル賞受賞後の、2000年代の講演録。難しいところもあったが、特に気になったのは、エラボレーションと文体についての話、そして、後半にしつこく語られていたカンヴァセーショナリズム。もう一度読みなおせばわかることもあるだろうか。

 たけしのレコードを間違えて買っちゃったエピソードもよかった。

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