2020年12月9日水曜日

12月9日水曜日/天王町を歩く

◇ 天王町

 今日も夕方から外出。星川のコーナンで買いものをする必要があったのだが、ただそれだけのために行くのもつまらないから、グーグルマップで検索してみたら、天王町に古本屋があるのを見つけた。天王町に今さら古本屋を見つけるというのも不思議なのである。歩ける距離なので、ここに寄ってから星川に行くことにしようと決めた。

 天王町駅の北側に出て、洪福寺の先、住所でいえば浅間町のほうまで歩く。「漫画漫画」というお店。外観からしていい味わいだったが、入ってみると、よくもまあこんな古本屋がまだ残っていたと思うようなお店だった。狭い店内に背よりも高い本棚が3列、棚のうらおもてと両側の壁に、びっしりとマンガが並んでいる。ざっと見た感じ、大手少年誌、青年誌のマンガばかり、十数年前から時間がとまっているかのような品揃えだ。奥の帳場にはかなりご高齢の老夫婦が座ってらした。ストーブも古いかたちで、やかんが乗っている。せっかくだからなにか買っていきたいと思ったが、買いたいものがまったく見つからない。いや、もっとしっかり棚を見たいと思ったのだが、通路が狭くてそれも難しかった。値段もやや高めだったが、しかし、それはブックオフに慣れた感覚のせいで、僕らが子どものころに記憶している古本屋はこんなもんだった。その時代の古本屋がそのまま保存されているようで、懐かしい心持ちになった。あの老夫婦のお歳を思うと、いつまでもというわけにはいかないだろうが。

 松原商店街を通り、天王町駅のほうに戻り、神社の角を曲がって星川方面に歩いていく。歩いていくと、だだっ広い土地が工事のフェンスに囲まれていて、なんだろうと思ったら、ここはイオンがあった場所だと気がついて驚いた。イオンが跡形もなく消えてしまった。いつからなんだろう。

◇ 今日の読書

 星川のドトールに入ろうと思っていたが、閉店時刻が早いとわかり、マクドナルドに入った。コーナンで買いものをする前に、ここで2時間ばかり読書をする。

 読もう読もうと思っていた、中里介山「大菩薩峠」をついに読み始めることにした。小林信彦「面白い小説を見つけるために」を今年再読したときに、「大菩薩峠」のことが書いてあるのを読んで、ブックオフで見つけたら買っておこうと思い始めた。110円の棚で以前からよく見かけるとは思っていたが、しかし、いざ買おうと思って探すと、傷みのないものはなかなか見つからない。当然、1巻をまず買いたいのだが、1巻を見つけるだけのことに意外と時間がかかった。ちくま文庫で全20巻あり、20巻のどれかを見ているのでよく見かけるような気がしていたが、意識的に探してみると、そうでもないのである。1巻を買えたら、つぎは2巻をと思うが、2巻はまだ買えていない。

 読み始めてみると、最初にまず「物語の発端」というのが書いてある。物語の冒頭をいきなり説明してあるのだが、わずか1ページ半のこの文章を読んだだけでも、なんという物語なんだという迫力がある。続けて「主な登場人物」というのが載っていて、ここまででももう、書いてあることがそうとう面白い。小林信彦は、大衆文芸にやみつきになったのは「大菩薩峠」からだったと書いている。 「友達の家に一冊だけあった本を借りて帰り、読み始めると、巻頭、説明抜きで子づれの巡礼が斬り殺され、これは凄い小説だと思った。めったにないことだが、ぞくぞくした。しかも、殺したのが主人公である。ダーティー・ヒーローの小説なんて、まったく知らなかったから、たちどころにファンになった。」

 全20巻を読んでいくことを思うと意識が遠のきそうになるが、ぜんぶは読めないにしても、こういう小説を少しは知っておきたい。

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