◇ 一日の流れ
録画している「グッとラック!」を午前中のうちに観て、「ラジオビバリー昼ズ」が始まる時間に間に合わせたら、いい流れで一日が始まるという気がしている。
「ビバリー」の今日のゲストは片岡鶴太郎だった。高田文夫先生を前にして、ノッているのがわかる。こんなに絶好調な鶴太郎に出会うのはひさしぶりだ。いいキャッチャーがいると、ばんばんいい球が出るもので、こんなにいい球をまだまだ投げられるひとだとは思ってもみなかった。
◇ 祖父
先週金曜の「徹子の部屋」に池田エライザが出ていて、録画してあったその放送を観た。「徹子の部屋」も毎日録画している番組。
池田エライザは少し前に「キネマ旬報」の表紙を飾っていて、それをぱらぱらと立ち読みしたときに読書が好きだということを知ったが、ここでもやっぱり読書についてしゃべっていた。小学生のときには父親に古本屋に連れられ、105円の小説を買ってもらっていたという。これは間違いなく新古書店だろうし、新古書店がそのような記憶として語られる世代だ。
ギターも得意だということはこの番組で初めて知った。母親は歌手、祖父はギタリストだったと徹子に紹介されると、「ギターを片手にもったコメディアンというか」「俳優をやってたり、コメディアンをやってたり、ギターをやったりっていろんなことをしてたんですけど」と説明していた。この祖父にもものすごく興味を惹かれるが、フィリピンのかたなのかもしれない。
◇ 新聞
夕方から外出し、平沼橋まで。「ブックオフ大学ぶらぶら学部」の書評が載っている昨日の読売新聞を買おうと、販売店を検索してみると、通り道とするには平沼橋がちょうどいい。しかし、行ってみたはいいが、いきなり入っていいものかわからない。まごついていたら、ちょうど外におじさんが出てきて、訊くことができたから助かった。買えるというのでなかに入れてもらうと、おじさんはそのへんの束から一部取り出してきてくれて、150円をそのおじさんに渡した。
◇ ドルビーシネマ
ムービルのモスバーガーで時間をつなぎ、T・ジョイ横浜で、ドルビーシネマ上映の「AKIRA」をレイトショーで観てきた。「AKIRA」を観るのは二度目だったが、この映画に特に思い入れがあるわけではなく、ドルビーシネマをちょっと体験してみたいという気持ちがあったからなのだが、結論からいえば、ドルビーシネマの醍醐味はよくわからなかった。前面からしか音が感じられず、普通の上映となにが違うんだろうと思った。そもそも、ドルビーシネマ用に作られているわけではない旧作を、どのようにしてドルビーシネマ上映にするのかが素人にはさっぱりわからない。
「AKIRA」を初めて観たのはたしか「MEMORIES」公開記念の上映で、「老人Z」との2本立てだった。すると、四半世紀前になるのか。たしか、新宿のどこかの映画館だったが、もはや記憶がはっきりしない。しかし、「AKIRA」というマンガはもちろんマンガ史に残る大傑作なのだが、映画はそこまでの作品ではないという感想を、初めて観たそのときにも思ったはずだ。二度目に観る今回も、思い起こされるのは初めて映画を観たときの記憶ではなく、原作マンガを読んだときの記憶だった。そのくらい、原作マンガを読んだ体験のほうが強烈なものとして残っている。
ドルビーシネマ用の劇場はとても広く、客席はがらがらだったのだが、自分のほうが先に席をとっているのに、一列違いのすぐ目の前の席にあとからやってきた男がいた。いったいどういう神経をしていたらその席がとれるのか。どうせ誰もこないだろうと思い、自分のほうが横の席に移動したが、そいつにはこの不快感はおそらくなんにも伝わっていない。その男、山盛りのポップコーンを食っていたのが余計に腹立たしかった。ドルビーシネマのサウンドを味わおうと耳をそばだてていると、ポップコーンを食っている音が聴こえる。お前のポップコーンを食う音を聴くためにこっちは耳をそばだてているのではないのだ。映画の終盤までのんびり食いやがって、ポップコーンが減ってくると、容器のなかでポップコーンがしゃかしゃか動く音がするのまでわかるようになった。