◇ テレビ
朝、どうも変な夢を観ていたようで、寝坊したような錯覚をした。早起きする必要もなく、ゆっくり眠っていればよかったのに、無駄に早起きをした。録画していた昨夜の「タモリ俱楽部」を観ると、ロッテの初芝、ビビる大木が出演し、「歌舞伎町のホームラン女王」というのでなにかと思えば、歌舞伎町のバッティングセンターに通う49歳(!)の女性の特集だった。ここ数年の「タモリ俱楽部」のなかでは珍しいタイプの特集で、とても面白かった。この女性はなにか目標があるわけではなく、ただ好きで通っているというのもすごいのだが、初めてのホームランは16年前で、なぜ記録が残っているのかといえば、女性のホームランが珍しいため、ベテランスタッフが興味本位で記録をつけていたというのだから面白い。
午前中から外出。横浜から根岸線に乗り、石川町に出て、元町を進んでいくところで正午になると、この時間から道路をふさぎ始め、歩行者天国になった。元町の真ん中に、いつの間にかマクドナルドができていた。本当はもう少し早く出て、昼食を済ませるるつもりでいたが、もたついてしまい、時間がなくなった。パンを食べておこうと思い、ウチキパンに寄るが、正午過ぎという時間で、なかなか混んでいた。のんびりと選んでもいられず、キーマカレーパンとミルクパンをとり、ふたつで 390円。港の見える丘公園に向かう坂道を歩きながら食べた。
◇ 展覧会・講演
今日の目的地は神奈川近代文学館。「吉田健一展」を観たかった。12時半頃に到着し、一般料金700円を払い、まずは展示を観る。吉田健一をろくに読んだこともなく、なのに、この展示を観にくる人間がどのくらいいるのかわからないが、神奈川近代文学館にしばらく行ってなかったから、ここらで行っておきたくなった。生誕110年だそうだが、ということはつまり、吉本興業と同い年だ。展示を眺めても、知識が追いつかないことだらけだが、手紙が多く展示されていて、それら手紙の細かい文字をガラス越しに読むというのもなかなか目玉に負担をかける。ネットで調べればわかるだろうと思うものは飛ばし読みしていくが、その判断もうまくできていたかどうか。ネス湖のネッシーに興味をもっていたようで、庄野潤三から送られた、週刊誌にネッシーの記事が載っていたことを知らせる手紙が展示されていた。鉢木会というのにも興味が湧き、そうそうたる作家が写っている写真を4コママンガ風に並べ、大岡昇平が文をつけたものが可笑しかった。吉田健一が落語を披露する写真があったりなど、楽しそうなのだが、吉田健一の発言をきっかけに三島由紀夫が脱会したというトラブルもあり、吉田健一が詫び状を書いている。そういった手紙も残されている。
展示は1時間程度でまわれた。14時からは講演を予約してあり、閉館時間を考えると、展示は先に観たほうがのんびりできるかと思い、早くやってきたのだが、1時間程度で済んだならばあとで観てもよかったか。それはともかく、立ちっぱなし、歩きっぱなしで、ひざが痛くなる。13時半にもうすぐなるというタイミングで、ホールがある2階にあがり、受付で、講演のチケットを引き換えた。千円、自由席。整理番号、92番。ロビーのソファーに座り、入場の順番を待った。扇形の客席、入り口から奥に進み、右側のやや後方に座る。チケットは完売していたようだが、隣りの席は最後まで空いていた。壇上には演台があり、前にはアクリル板が立てられ、役所の窓口みたいだ。
14時になったら、演壇の後方から松浦寿輝が登場する。そこが出入りできるようになっているとは知らなかった。松浦寿輝の本も一冊も読んだことがなく、しかし、どうもこの講演は聴いておくべきなのではという直感があり、金もないのに予約したのだが、結論からいうと、その直感は当たっていたと思う。入場時に、松浦寿輝が用意した資料が配布され、講演はそれをもとに進行する。「人生」と「小説」という軸となるテーマがふたつ。資料の余白に、メモをとりながら聴いた。松浦寿輝は講演時間は1時間だと思っていて、最後の数分で質問をとろうとしたが、実際は、1時間過ぎから質問コーナーに入るという段取りだったんじゃないだろうか。資料とともに、質問用紙も配られていて、講演が始める前にはもう集められていたようだ。質問に答えたあとに、もう少し時間があり、しゃべり残した話に戻る。松浦は若いころから吉田健一を読み、このように歳をとればいいんだと思っていたが、現在、吉田健一が亡くなった歳を追い越し、懐疑的になっているといって笑わせた。余生のユートピアという話だった。講演は1時間半で終わり、時間差で退場し、外に出る。
神奈川近代文学館のあとは、たいがい本牧まで歩くのだが、来週の講演も予約しているから、今日はやめにした。元町に降り、グーグルマップで検索して見つけた古本屋に行ってみる。ワグテイルブックストアという店で、元町の裏通り、中村川に面した小さいビルの2階にあった。せっかくだからなにか買っていこうと思うものの、自分の守備範囲とはだいぶ違い、吉田健一の本にしようかとも思ったが、結局、1冊だけ、昭和50年発行の「文藝春秋デラックス」を買っていく。マンガ特集で、のらくろが表紙だから、次回ののらくろードにもっていくことにしよう。
中華街に入り、遅めの昼食にしようかと思うが、まるで決められず、ぐるぐると歩きまわるが、食べたいものがない。そもそも、あまり腹が減っていない。満腹になりたいときにはいいが、軽く食べたいというときにはかえって困るのが中華街だ。先に食べたウチキパンがけっこう効いているようで、昼食は保留。中華街の山下公園側の入り口に、いつの間にかベローチェができていた。とりあえず、ベローチェに入り、スマホの充電をしながら、しばらく読書をした。2時間ぐらい経ち、外に出ると、すっかり夜になっている。昼食は食べそびれ、もう夕食だが、蘭州牛肉拉麺という店に決め、焼き牛肉ビャンビャン麺を食べた。880円。消費税がつき、968円。
中華街から横浜駅まで歩いてしまうことにして、歩きながら、タイムフリーで、今朝の「ナイツのちゃきちゃき大放送」を聴いた。「常連さん」はえのきどいちろう。平沼のブックオフに寄り、220円の単行本を1冊買う。
帰りの電車内でも読書の続きを。「ネットフリックス大解剖」を読み終えた。2019年刊、ディスクユニオン。11作品を11人のライターが紹介しているネットフリックスのガイド本。3年前の本だが、この一冊で、その当時の基本的な作品はだいたいカバーしているのだろう。11作品だけでなく、そこから派生する作品も紹介され、観るべきものはネットフリックス内だけにとどまらない。
帰宅は夜遅くなり、ブログの更新をしようとするが、眠気で朦朧とし、書きあげられなかった。鼻水が止まらず。風邪薬を飲んでおく。「HONMOKU RED HOT STREET」を途中からつけ、聴きながら眠ってしまい、深夜に目覚め、ブログを書きあげてからまたすぐに眠りなおした。