◇ テレビ
白楽のドッキリヤミ市場から帰宅したのは深夜近くになってしまったが、録画していた「キングオブコント」を今夜中に観なければならない。昼から放送されていた「お笑いの日」もぜんぶ録画してあるが、今年はまったく観ないまま、「キングオブコント」だけを先に観る。今年も梅田サイファーによるオープニングから始まるが、なんかこれ、かっこいいのかなんだかよくわからないな。同じTシャツを着せられた若い女性のみの客席もあいかわらずひどいもんだ。それとも、審査員席の後ろだけなのだろうか、カメラに映されない部分はわからない。司会の浜田と日比麻音子アナが登場し、続いて、審査員たち、かまいたち山内、ロバート秋山、バイきんぐ小峠、東京03飯塚、松本人志が順に登場した。ナレーションは今野浩喜。序盤からもう、浜田がイニシアティブを握り、笑いに大きく振れていく。ここは「M-1」との大きな違い。「M-1」のひんやりとした緊張感が「キングオブコント」にはない。そして、番組開始10分弱で、もうひと組目のネタが始まる。トップはカゲヤマ。ふすまの裏で謝罪をする先輩、ふすまを開けると下半身裸になっているというコントだが、これ、普段のステージでできるんだろうか。審査員たちは思いのほか高得点をつけ、469点。これで早くも、今年の方向性がつけられてしまったような予感がした。2組目はニッポンの社長。親友同士の殴り合いが、ナイフで刺し、ピストルで撃つというふうに発展していく。しかし、客席の笑い声にどうも違和感があり、拍手笑いが頻繁に起こる。ニッポンの社長は優勝候補かなと思っていたのだけど、過去の出場時のネタよりもちょっと落ちるかなという気がしてしまった。得点は 468点。1点差で2位になる。3組目はや団。ここも優勝候補と思っていた。演出家が灰皿を投げるコント。このネタは「たけし杯」のほか、何度か観ているが、声を出して笑ってしまう。さて、審査員はというと、これが微妙に低い点になり、465点。この審査員たち、なんだかわからないな。飯塚の評だけがまともに感じられる。カゲヤマのネタなんて、2回観たら面白くないだろう。4組目は蛙亭。彼氏にふられたイワクラと、寿司がつぶれて泣く中野。イワクラの芝居は面白いのだが、中野のキャラクターはそこまで面白いだろうか。審査員の評価もいまひとつになり、463点。ここまでの最下位。ここからは暫定席に残るか入れ替わるかということになるが、ハマダーのかっこうをしていたや団が残った。5組目はジグザグジギー。7年ぶりの決勝進出にちょっと期待していた。元お笑い芸人の市長がマニフェストを大喜利の解答みたいに出す。これを松本の前でやるのは勇気があるし、皮肉が効いている。すごく面白かったのだが、これを審査員たちはどう評価するかというと、464点にしかならなかった。6組目はゼンモンキー。神社で、彼女のとりあいでケンカをしているところに、学生がお参りにやってくる。ちょっと未熟で幼いコントかなと思った。審査員たちの点も伸びず、456点ではあったが、松本は「トリオ組んで4年目で、いちばん今日のなかでコントらしいちゃんとしたコントをじつはしている」 とコメントした。7組目は隣人。ほかの賞レースでもよく観ているコンビという印象がある。落語家がチンパンジーに落語を教える仕事をするが、教える落語家のほうがチンパンジーの言葉になっていく。チンパンジーの扮装が、いわゆるコントの扮装ではなく、リアルなチンパンジーの面をつけている。得点は 460点。8組目はファイヤーサンダー。観るまで忘れていたが、「ツギクル芸人グランプリ」に出ていたコンビで、そのときと同じネタだった。サッカー選手のものまね芸人のコント。92点。得点は 466点。ここで初めてや団をうわまわり、や団が脱落する。ここまでは最初の3組がずっと残っていたのだ。9組目はサルゴリラ。44歳と43歳、ファイナリスト史上最年長コンビだとは思わなかった。わかりにくいマジックをするマジシャンのコント。でも、こういうマジシャンって本当にいてもおかしくない気がする。ネタ見せの設定にしているのもなぜなんだろうという気がしたが、しかし、やけに面白いのは力量だ。審査員たちの評価は細部に集中した。得点は 482点となり、なんと、ここで1位に踊り出る。最後、10組目はラブレターズ。彼女の実家を訪れると、室内でシベリアンハスキーを飼っている。芝居の安定感が素晴らしいのだけど、爆発には至らないかという気がした。得点は 464点。ファイナルステージ進出は、サルゴリラ、カゲヤマ、ニッポンの社長に決まった。一番手はニッポンの社長。手術室のコント。臓器をどんどん切除していく。シンプルで可笑しいんだけど、優勝するほどのネタかどうか。得点は 466点。パワー系が多いなかで、不安にさせるおとなしい序盤から、その後の展開が面白いという点で、小峠と秋山のコメントが一致した。二番手はカゲヤマ。2本目はウンコのネタ。まったく嫌いだが、得点は 476点。まさか、去年のビスケットブラザーズのような王者を今年も生むのか。こうなったらサルゴリラを応援したくなる。最後はサルゴリラ。野球部の監督がなぜかしつこく魚に例えるコント。ファイナルステージになってからは、コントの最中に審査員の顔は映していないような気がしていたが、このコントの最中には、顔を伏せて笑う松本をはっきりと映していた。得点は 482点。点数だけを見れば、サルゴリラがダントツの優勝という結果になった。
続けて、これも録画していた「Nキャス」の冒頭を観ると、三谷幸喜が「キングオブコント」のスタジオからサルゴリラのインタビューをする。安住によると、楽屋でコントを観ていた三谷幸喜が児玉の演技を絶賛していたという。そのあとにはジャニーズのニュースとガザ地区のニュース。谷村新司の訃報に続き、財津一郎の訃報もあった。財津一郎を「今で言うキモカワイイキャラ」だとか、妙な説明をしていると思った。深夜3時半頃にようやく眠る。