2023年12月9日土曜日

12月9日土曜日/豚おでん会・朝まで「THE W」

◇ テレビ・ラジオ

 朝、録画していたテレビ番組をいくつか。観そびれていた2週前の「情熱大陸」はゆりやんレトリィバァに密着。「R-1」で優勝した場面の映像が使われていたが、優勝を決めて泣いたあとの寄り目の顔がカットされている。この部分ひとつとっても、取材者はゆりやんを理解していないのではないか。冒頭にゆりやんが怒っていたシーンは、デリバリーがキャンセルされたことに対する怒りだったが、しかし、これもどこまで芝居かわからない。

 午後はラジオ。「田村淳のNewsCLUB」のゲストが長野智子だった。フジテレビが上場したのは1997年、「ひょうきん族」の時代はテレビ局がまだ上場していなかったんだというのは、言われてみるまで考えたこともなかった視点だ。西川のりおに胸をわしづかみにされたというエピソードをよく話すのだけど、聞き手のほうが困惑させられるのだが、別に告発しようというわけでもなく、そんなことも包み隠さずに当時の空気感を正確に伝えようとしている。長野智子は真っ当なジャーナリストだな。

◇ 吉祥寺

 家を出るのがずいぶん遅くなってしまった。今日は暖かいと思い、ひさしぶりにパーカーで出てみたら、少し肌寒い。服装が難しい。インスタから、新潮社の「波」にAマッソ加納と綿矢りさの対談が載っていると知り、横浜西口の有隣堂に寄ってみるが、「波」は置いてなかった。発売日は先月末か、知るのが遅すぎた。横浜から東横線。遅延しているようで、混雑していて座れなかった。渋谷から井の頭線に乗り換え、井の頭公園駅まで。着いたころにはすっかり薄暗くなる。

 場所#4で行われている、トリバタケハルノブさんが主催する「豚おでん会」を訪問する。コロナ前以来、4年ぶりの開催か。事前に連絡することもなく、めんどうだからいきなり訪ねてしまったのだが、カウンターはぎっしり、狭い会場は大盛況だった。知ってるひとがいたからよかったが、大半は知らないひとばかりだ。トリバタケさんはカウンターのなかにいて、料理をふるまっている、というか、もうさんざんふるまったあとだったかな。そもそもは、トリバタケさんが描いていた「三十歳バツイチ無職、酒場はじめます。」というマンガに出てくるメニューを再現するという趣旨の会だった。今は集英社オンラインで「東京ハゲかけ日和」というマンガを連載していて、それも読んできていたのに、その話をする機会はなかった。トリバタケさんに会うのも4年ぶりだが、特にハゲかけているようには見えないのだけれども。

 なんだかあっという間だったが、3時間ぐらいはいたのか。そのあと、みんなで吉祥寺駅に向かいながら、もうちょっとどこかでしゃべろうということになって、数人でエクセルシオールカフェに入る。なんの話をしてたんだったか、大声で笑っていたのがうるさかったらしく、近くの席のひとに注意された。吉祥寺駅で別れ、帰りもまた井の頭線に乗り、渋谷から東横線で横浜に戻ってきた。

 帰りの電車内で、渡辺正行「関東芸人のリーダー お笑いスター131人を見てきた男」を読み終えた。2022年刊、双葉社。古本で買ったまま、しばらく放ってあったのだが、読み始めたらやっぱり面白い。昨日から読み始めて2日で読み終えた。「週刊大衆」での連載時にも少し読んでいたのだが、渡辺正行の自伝的な部分は読んでいなかったかもしれない。テアトル・エコーから渋谷道頓堀劇場、漫才ブームに乗り、「ひょうきん族」で人気タレントになったその後は「ラ・ママ新人コント大会」を主催し、関東の若手芸人たちと関わり続けている。三宅裕司、荻野繫、ダチョウ俱楽部、爆笑問題との対談も収録。

◇ 賞レース

 深夜0時過ぎに帰宅し、録画していた「THE W」を観始める。こればっかりは結果を知らずに観たいから、あとまわしにはできない。まずは夕方に放送されていた事前特番を観る。司会はさらば青春の光森田。鬼越トマホークとニューヨークが今年もサポーターを務めている。そして、歴代チャンピオン、今年のファイナリストにもなっているゆりやん以外の5組も出演している。ただし、3時のヒロインの福田麻貴はドラマ撮影のために欠席。復帰したゆめっちの痩せたすがたをここで初めて目にした。これもここで初めて知ることになったが、本戦の司会をするフットボールアワー後藤が体調不良のために、なんと、山里亮太が代打を務めるようだ。

 続けて、いよいよ「THE W」本戦。これから3時間観るというのもなかなかの仕事だ。司会は水卜麻美と山里亮太。山里はNHKからの移動だったようだが、ちゃんと間に合っていた。審査員がさっそく紹介され、塚地武雅、川島明、アンガールズ田中、笑い飯哲夫、友近、野田クリスタルという6名が並んでいる。事前特番の出演者たちもさっきのスタジオに残っていて、福田麻貴もこの時間には加わっていた。この大会のルール、勝ち残りノックアウト方式の説明のあと、Aブロックがもう始まる。◆Aブロックのトップはまいあんつ。なにかの番組で観たことのあるひとだが、なんだったか。ひとりコントの形式で、ギャグを連発する。ギャガ―は嫌いだなあ。この番組、ネタの最中は審査員の顔はいっさい映さないのか。いや、優れた芸ならばいいが、このクオリティでネタだけをしっかり放送するというのは勇気ある番組だ。二番手ははるかぜに告ぐ。まったく知らないコンビだったが、たしかに、1年目の超若手にしてはスタイルができあがっている漫才だ。結果は、視聴者、塚地、川島、田中がはるかぜに告ぐ、哲夫、友近、野田がまいあんつに投票し、はるかぜに告ぐが勝つが、意外と接戦になった。三番手はスパイク。ボクシングジムのコントだが、90年代にさんざん観たような、いかにも女の子のコントという感じがするのだが、結果はスパイクが7票獲得のストレート勝ち。相手は1年目だからしかたがない。四番手はやす子。回文のフリップネタであり、自衛隊ネタでもある。自衛隊ネタなのに誰も政治的に解釈しないのはやす子のキャラクターの強さだ。これはスパイクの勝ちになるよりしかたがないかと思ったが、結果はやはり、スパイクがまたも満票獲得。Aブロックはスパイクが勝ち抜けた。◆続いて、Bブロック。トップはハイツ友の会。漫才もコントもするコンビだが、まずはコントをもってきた。陶芸家の取材をするコント。NHKのコンテストを観たときにも感じたが、このコンビは漫才よりもコントのほうが面白い気がする。二番手は紅しょうが。紅しょうがもコント。相撲取りのファンのコントだったが、このコンビは逆に、漫才のほうがいい気がするのだけどな。この対決は難しいと思ったが、結果は意外や、紅しょうがが満票獲得。得票数だけ見ると圧勝だけれども、けして圧勝ではない感じがする。敗者コメントでは、ハイツ友の会は紅しょうが稲田の私服をいじっていた。三番手は変ホ長調。お笑いマニアのあいだでは伝説化されていると思われるコンビだが、しかし、醸し出す雰囲気はシロウトでしかなく、おばさんの立ち話のようだ。結果は、紅しょうががまたもや満票獲得。四番手は梵天。このコンビは「ニューヨークと蛙亭のキット、くる!!」で観たことがある。姉妹漫才だが、これもシロウトっぽい。結果はやはり、紅しょうがが満票。Bブロックは紅しょうがが勝ち抜けた。◆Cブロックのトップはゆりやんレトリィバァ。「エアハムスターショー」というネタだが、困ったことに、ここまでではだんとつでくだらない。二番手はあぁ~しらき。ドラマーから妖怪角刈りおばちゃん、そこからコント喫茶店になり、やっぱり妖怪角刈りおばちゃんになるという説明してもよくわからないネタだが、これは予期せぬいい対決になった。審査員たちもあたまを抱えてしまうが、結果は、視聴者、野田、哲夫、田中、塚地があぁ~しらき、友近、川島がゆりやんに投票し、あぁ~しらきが勝った。三番手はぼる塾。本来は4人組だというのは有名なのだが、4人そろってのテレビ出演はこれが初になるようだ。4人漫才という形式も珍しいが、酒寄さんというひとだけはどうしても圧倒的にシロウトの雰囲気だ。結果は、視聴者、田中、川島、塚地がぼる塾、野田、友近、哲夫があぁ~しらきに投票し、ぼる塾の勝ち。最後はエルフ。(設定が)姉妹のコント。ここもすでに売れているコンビだが、じつはいちばんの正攻法だ。これならばエルフを勝たせたいと思ったが、結果もエルフが満票を獲得し、Cブロックはエルフが勝ち抜いた。◆いよいよ最終決戦。一番手はスパイク。女友だちのコント。靴下の裏が真っ黒というだけの笑いで押していく。二番手はエルフ。なんと、ここで漫才をやるんだ。三番手は紅しょうが。こちらは2本ともコントだ。パンツにスカートが入ってしまっている女。これは紅しょうがが迫力を見せたかなというところ。ついに結果発表だが、スパイクのネタの最中に音声トラブルがあったようで、この最終決戦は視聴者投票は中止になった。塚地、川島、哲夫、友近が紅しょうが、田中、野田がエルフに投票し、優勝は紅しょうが。順当な結果と思う。観終わったときにはもう早朝になろうとしていた。

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