◇ テレビ・ラジオ
朝、録画していたテレビ番組を少し。昨夜の「あちこちオードリー」はトレンディエンジェルとメイプル超合金がゲスト。トレンディエンジェルの斎藤さんがコロナ禍に始めた競馬で大損し、ひと知れず、ひどい金欠に陥っていたことが明かされる。自信のなさ、ひと見知りも告白し、今回は斎藤さんが中心になる回だった。家を出るまではラジオをつけておく。文化放送の「おとなりさん」に合わせてみると、オテンキのりと女性アナウンサーがしゃべっていた。そういえば、明日の文化の日には文化放送のイベントがあるんだっけ。
◇ 金町
午前中に出発し、都内に。横浜から京浜急行に乗ろうとすると、ダイヤが乱れているようで、発車案内に時刻が表示されていない。しかし、動いてはいるようだから、少々不安だが乗ってしまう。品川止まりの快速に乗り、品川駅でつぎの電車を待っていると、どうもまた遅れているようで、浅草線、京成線に乗るつもりだったが、改めて路線検索してみると、品川から山手線に乗り換えたほうが安いし、時間もあまり変わらない。山手線に乗り換え、西日暮里からは千代田線。あとは乗り換えなしで行けるのかと思えば、綾瀬でまた乗り換えねばならなかった。路線検索をくり返したため、スマホのバッテリーは早くも半分まで減ってしまう。
はるばる、金町までやってきた。今年に入ってから二度目だが、それまではまったく訪れたことのないなじみのない土地だ。まず、昼食。ひさしぶりにから好しに入り、親子丼を食べた。450円。安い。駅からさらに 30分ぐらい歩いたところまで行かねばならず、その後、夕方になってから金町駅まで戻ってきた。ドトールに入り、ひと休み。とにかく、スマホの充電をしたく、前に金町にきたときにもこの店に入り、コンセントがあったことを覚えていた。店に入る前に閉店時刻もきちんと確認し、ひたすら読書をしてから帰る。
◇ 読書帰りの電車内でも読書を続け、「文藝別冊 竹中直人」を読み終えた。2018年刊、河出書房新社。佐野亨による編集。少し前にブックオフで見つけて買っておいた本だが、これは読んでよかった。興味のあることがたくさん書いてあった。俳優、映画監督、ミュージシャン、芸人、舞台人といったさまざまな角度から竹中直人に関する証言を集めている。もちろん、竹中直人本人のロングインタビューもあり、それから、竹中直人が書いたエッセイもいくつか収録されている。そうだった、竹中直人ってこういう文章を書くひとだった。竹中直人の最初のエッセイ集は高校生のときに読んだんだっけ。横浜の富岡の出身だということも、映画が好きで好きでしかたがないひとなんだということも、竹中直人ってじつはこんなに純情で繊細なひとなんだということもそのエッセイ集を読んで知ったのだった。この本のなかでは、さまざまなひとが竹中直人を語り、あるいは論じているが、多摩美時代からの仲間だった宮沢章夫のインタビューがやはり核心を突いている。「彼は本質的には、笑いに対してそれほど思い入れはないと思いますね。」「やがて竹中はシティボーイズと一緒にコントをやり始めましたが、「この人たちはどうもいまひとつ垢抜けないな」と感じたらしくて、僕に「なにか書いてくれないか?」と頼みに来た。それでホンを書いているうちに、演出するのが面白くなって、以来ずっと舞台に関わることになった。ラジカルの竹中は抜群に面白かったんですが、じゃあなにが面白いのか論理で説明しようとしてもできない。あえて言えば、もともと彼がもっていた身体性の発露ということなんだろうけれど。」「だから、いわゆる作家がつくるような、構造的な面白さというものには関心がないんだと思います。映画を一緒にやったときにも感じましたが、たとえばカットの切り替えで笑わせるとか、そういうのはあまりやりたがらない。一つのシーンのなかで、役者たちがどう動いて、そこからどういう面白さが生まれるか、ということが竹中にとっては重要なんですね。それがつまり身体性ということにつながる。」「ラジカルはやはりモンティ・パイソンと同じくスケッチの羅列で、いかに新しい笑いを生み出すか、ということを志向したんだけれど、竹中にとってはそんなこと、どうでもよかったんだと思います。そのズレというか、欲求不満がだんだん溜まっていったんじゃないかな。だから、ラジカルでは竹中とやれるぎりぎりのところまでやった、という気持ちがあるし、途中から彼が出なくなったのも必然的ななりゆきだったんじゃないでしょうか。」「そのあとの「竹中直人の会」は、岩松さんの世界のなかに竹中がいる、という面白さですよね。僕から見ると、竹中がきっちり演出されている、というすごさ。そうでない演出家との仕事は正直、目も当てられないものが少なくない。竹中の面白さってそういうことじゃないよ、と。岩松さんや周防(正行)さんはそこがきっちりわかってる人なんだと思いますね。」「笑いを構造的にとらえる、ということが嫌なのと、どこかでつながっているのかもしれないけど、恐怖に対しても竹中は非常にプリミティブなんですね。ふつう、ホラー映画なんかでも、たくさん観ていくと、だんだん分析するようになっちゃうじゃないですか。竹中は絶対に分析の方向には行かないんです。どこまでも本気で怖がる純粋さというか。すごいなあと思うし、バカだなあとも思います(笑)。それが尊敬すべきところです。」 竹中直人も、ここに再録されている 1991年のインタビューで、宮沢章夫について語っている。「(略)その途中にシティボーイズと出会って、一緒に芝居をやろうよってことになり、それで宮沢章夫をひっぱってきたんです。彼とは大学時代ずっと一緒で、俺にとってはかけがえのない仲間だったからね。でも、やっていくうちにだんだん宮沢は自分の世界を構築していくわけですよ。そうすると俺、テレちゃうんですよね。昔から知ってるやつに、まじめに〝ああしろ〟っていわれても何かやだなぁって……現実逃避しちゃうタイプですから照れちゃってできないんじゃないかな……俺の場合。それで、なし崩し的に辞めちゃったんです。やっぱり親友とはハズかしくって、あまり芝居やりたくないと思いますね……。でも、また、やりたいんですけどね。その点、岩松さんとは非常にクールにできた。でも岩松さんの世界ってのは1回やった限りではわかりえない、とても深いものですから、今後も岩松さんに毎年書いてもらえたらと思ってるんです。」
帰りは明治神宮前を経由し、東横線の各停に乗り、のんびりと横浜に戻ってきた。疲れているのか、鼻水がずっとひどく、ポケットティッシュを使いきってしまった。なんでこんなに遅くなるのか、帰宅は深夜になり、すぐに横になる。Spotify のポッドキャストをいろいろとあさっていて、ウーマンラッシュアワー村本の番組で「福田村事件」について語っているのを今さら見つけた。9月21日の配信。映画を観て、水道橋博士にLINEしたんだね。