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2022年1月15日土曜日

1月15日土曜日/受験の季節



◇ 赤坂見附

 今日も朝から外出。外は寒い。電車を待ちながらラジオを聴き始めていたら、電車がきたのに気がつかず、慌てて乗り込んだ。東横線、渋谷から半蔵門線に乗り換え、永田町に用があり、すぐに終わり、とりあえず、赤坂見附でのんびりする。ランチの時間にはまだ早く、マクドナルドに入り、ひと休み。コーヒーが全サイズ100円だというので、ホットコーヒーのMと、昼食前だから迷ったが、カスタードパイも食べてしまう。ツイッターからニュースを見ると、試験会場で受験生が刺されるという事件があったようだ。読書をするつもりだったが、眠くなり、音楽を聴きながら少し眠る。ほどよい時間で昼食に行くつもりでいたが、カスタードパイを食べたのがやっぱり効いたか、ちっとも腹が減らず、読書を続けて、3時間も長居した。昼になると、さすがに店内は混雑し、騒がしくなった。

 13時前に、中国茶房8に。腹が減らないが、ランチタイムにせっかく赤坂見附にいるのだから、この店に入りたいのだ。ランチメニューBセットの、豚肉白菜漬と春雨の炒めを食べる。580円。満腹。食い過ぎで苦しくなる心配もしたが、とりあえずは大丈夫。



 赤坂見附から、銀座線で渋谷に移動し、まず、古書サンエーに寄るが、なにも買わない。道玄坂を横切り、まんだらけにも寄り、階段の百均の棚を覗くと、「週刊プレイボーイ」のバックナンバーが4段を埋め尽くしていた。これだけ大量にあると、かえってチェックをしたくもなくなるもので、ほかの棚から「SPA!」の新創刊号を見つけ、これだけ買っていく。スマホの充電をしておきたく、新南口のベローチェに入る。読書の続きをするが、しかし、眠くて進まない。試験会場の事件が気になるが、続報によると、東大の門の前で起きた事件だったようだ。試験会場の外での事件ならば、70代の男性が切られたというのもわかる。そして、第一報では加害者も受験生なのかと思ったが、受験生ではなく、高校2年生のようだ。

 コーヒーを飲み過ぎたか、腹の具合が悪くなった。渋谷から東横線に乗り、横浜に戻ってくる。ビブレのブックオフにも寄り、4冊買っていく。ツイッターからニュースを見ると、東京の新規感染者数は 4561人に。沖縄は 1829人、広島は1212人、愛知は 1480人、大阪は 3692人、兵庫は 1191人、京都は 725人、北海道は 695人、千葉は 945人、埼玉は 1173人、神奈川は 1538人という具合に、いちいちメモっていてはきりがないが、最多を更新しているところも多く、感染は各地に及んでいる。

◇ 読書

 帰りの電車内でも読書を続け、小林信彦「東京少年」を読み終えた。2008年刊、新潮文庫。親本は2005年刊。小林信彦の自伝的三部作の、これが一作目にあたる。いずれ読もうと思って手元にそろえてあったが、やっぱり、「週刊文春」の連載が終わったせいで小林信彦ロスなのか、なかなかとりかかれずにいた本が、なぜかすいすいと読めてしまった。具体的な内容を確認せずに読み始めたが、疎開体験を描いた自伝的小説であり、小説といっても、かなりエッセイ的に書かれている。文庫の解説を坪内祐三が書いているが、小林信彦には「冬の神話」という疎開体験を描いた小説があり、今作はその40年後に書かれた、つまり、セルフリメイクともいえるもので、普通の小説のかたちをとらずに別のことを描こうとしている。疎開小説の傑作として、柏原兵三「長い道」が並べられているが、この「東京少年」の第一部で描かれていた疎開先での子どもたちの人間関係は、まさに、「長い道」を原作とした、藤子不二雄A「少年時代」で読んだ世界とも共通していた。ウィキペディアにあたると、藤子不二雄Aは小林信彦の2歳下にあたる。

 夜に帰宅し、録画していたテレビ番組をいくつか。昨夜の「タモリ俱楽部」と、それから、「ネタパレ」を観た。オジンオズボーン篠宮の「大林ひょと子」のキレのよさに笑う。「週刊フジテレビ批評」では番組審議会があり、岡室美奈子のドラマ評が面白い。タイムフリーで、今朝の「ナイツのちゃきちゃき大放送」を聴くと、「常連さん」のコーナーの前に、受験生刺傷事件のニュースが飛び込んでくる。早めに眠るが、深夜に目覚め、Netflix で「全裸監督」第4話を観た。

2021年12月31日金曜日

2021年の十大事件

 

 1位:ブログを1年以上休まずに続けられた!

 2位:メガネを変えた!(2月2日

 3位:(このブログには書いてないことが3位。)

 4位:毎日録画チェックをしていた「グッとラック!」が終了し、生活リズムが変わった!(3月26日

 5位:東京オリンピック開会式の開催中、その周辺を歩いていた!(7月23日

 6位:閉館間際の油壺マリンパークに行ってきた!(9月30日

 7位:小林信彦のサイン本に興奮した!(5月22日

 8位:横浜市長選で、田中康夫の生演説を聴いた!(8月19日

 9位:「浅草キッド」を観るために、Netflix の利用を始めた!(12月12日

 10位:コロナが収束した!

◆ 2021年に読んだ本・十選

 斎藤環「世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析」(2015/角川文庫)(2月21日

 遠野遥「破局」(2020/河出書房新社)(3月3日

 村上“ポンタ”秀一「自暴自伝」(2006/文春文庫PLUS)(3月20日

 小林信彦・荒木経惟「私説東京繁盛記」(2002/ちくま文庫)(5月2日

 後藤明生「小説 いかに読み、いかに書くか」(1983/講談社現代新書)(5月23日

 小林信彦「決定版 日本の喜劇人」(2021/新潮社)(7月10日

 北野武「浅草迄」(2020/河出書房新社)(9月25日

 村上春樹「村上春樹 雑文集」(2015/新潮文庫)(9月30日

 中島岳志「「リベラル保守」宣言」(2015/新潮文庫)(11月15日

 吉川潮「コント馬鹿 小説〈ゆーとぴあ〉ホープ」(2010/芸文社)(12月21日

(読んだ順)

今年は112冊の本を読んだ。→ 読書メーター

◆ 2021年・ベスト映画

 「映画:フィッシュマンズ」(7月15日

 「ドライブ・マイ・カー」(9月1日

◆ 2021年・ベストアルバム

 クレイジーケンバンド「好きなんだよ」(9月8日

◆ 2021年・ベストテレビ

 「キョコロヒー」「紙とさまぁ~ず」

◆ 2021年・ベストタレント

 ヒコロヒー

◆ 2021年・ベストラジオ

 「ナイツ ザ・ラジオショー」「中川家 ザ・ラジオショー」

◆ 2021年・ベスト漫才師

 おぼん・こぼん

◆ 2021年・ベストご飯

 赤坂見附「中国茶房8」のランチ

 

・・・そのほか、忘れてしまったことも多数。

2021年12月23日木曜日

12月23日木曜日/フォークダンスDE成子坂

◇ テレビ

 朝、録画していたテレビ番組をいくつか。昨夜の「水曜日のダウンタウン」は 90分スペシャル。ドッキリ企画が続いたが、最後の「帯番組ホントドッキリ」は特に手が込んでいて、深夜の「すてきに帯らいふ」という番組にもちゃんと気がつき、録画していたのはわれながらさすがだ。それにしても、専門家のかたがたにはどう説明して出演してもらったんだろうか。

 昨夜の「お笑い実力刃」は、フォークダンスDE成子坂の特集。この番組は毎週録画しているものの、録画したままで、しばらく観なくなっていたが、今回の特集だけは先に観てしまいたくなった。以前の放送で、三村マサカズが名前を出したことがきっかけになったのだろうか。現役ではないコンビの特集とは異例だ。スタジオに古坂大魔王が出演したほか、VTRには、太田光、伊集院光、三村マサカズ、有田哲平、名倉潤、堀内健、原田泰造、天野ひろゆき、土田晃之、ますだおかだ増田、バイきんぐ小峠が登場するという豪華さで、「GAHAHAキング」の映像もたくさん流れた。28年前のコントが、現在の眼で観てもなお、なんの遜色もなく面白いというのは本当に驚異的なことだ。それは個人的にも、昔のテレビ番組を上映するイベントを企画したとき(2014年)に発見したことで、デビュー間もないバカルディ(現・さまぁ~ず)のコントと観比べると、数年の時代のズレはあるにせよ、同程度のキャリアと思われるフォークダンスDE成子坂のコントのほうがよっぽど上手いと思い、驚かされた。番組内でも有田哲平が、桶田について、始めて1年から3年程度のキャリアなのに「どしっとしてるんですよね」と証言している。番組では、桶田敬太郎、村田渚、それぞれの人物像についても掘り下げていた。桶田について、普段の会話からボケてばかりいて、会話が続かないから話さなくなっちゃったと、太田が証言していたのはかなり可笑しい。ふたりがすでに故人であることは番組終盤に明かされた。桶田の死を知ったときのことを太田が語り、その横にスタッフロールが流れた。成子坂の魅力を充分に伝える、いい特集だった。

 フォークダンスDE成子坂は、それだけの実力者でありながら、1999年末に解散する。2000年代に入れば「M-1」が始まるなど、お笑い界の状況も大きく変化していくのだが、その時代を知らずして、このコンビは結論を迎えてしまった。売れるのが早すぎたのかなという気がする。現在の眼で観ると遜色がないとはいえ、リアルタイムでは、桶田のボケを松本人志に重ねる評価が少なくなかったことを記憶している。ダウンタウンがまだまだ血気盛んに大活躍している時代に、ダウンタウンに似ていると見られることは必ずしもプラスではなかったのではないか。ましてや、現在のように、若手お笑い芸人が大量にテレビに出ている時代ではなく、活躍できるのは、かぎられた若手芸人だけだった時代だ。たとえば、爆笑問題が頭角を現した時期は、ビートたけしの失速の時期と重なるとも考えられる。そのようなことはあるのではと思う。それに、1999年の時点では、さまぁ~ずでさえもまだ売れていなかったのであり、イチお笑いファンとして、ホリプロはちょっとおかしいんじゃないかとも思っていた。



 「ラジオビバリー昼ズ」を途中まで聴き、午後から都内に出かける。神保町で昼食となり、迷っている時間もあまりなく、嵯峨谷に入り、タレカツ丼セットを食べた。650円。帰りは夜になり、横浜駅まで戻ってきたところで読書をしたいと思い、西口のマクドナルドに入ろうとするが、注文前の客と注文後の客が入り乱れていて、どこに並んでいいのかさっぱりわからない。まともに並ぶこともできない連中と関わるだけ煩わしく、駅から離れたもう1店のマクドナルドに向うと、こちらの店は空いていて、誰も並んでいなかった。ホットコーヒーと、エッグチーズバーガーを食べる。金の計算をして、それから読書をした。

◇ 読書

 半藤一利「日本史はこんなに面白い」を読み終えた。2010年刊、文春文庫。対談集だが、読んでみると、日本史をテーマに話しているというふうでもなく、あとがきを読むと、連載対談のなかから日本史に関するものを選んで編集したものだという。嵐山光三郎との芭蕉の話、川本三郎との時代劇の話などを特に興味をもって読んだ。

 1時間半ほどでマクドナルドを出て、帰りの電車内では、楽天マガジンで雑誌を読んだ。「週刊文春」が、16ページにわたり、落語特集を載せていた。談志の子、松岡ゆみこと慎太郎の対談があり、それから、談志、志ん朝、小三治について、高田文夫が談志を語り、志ん朝については、なんと、小林信彦が書いている。そして、小三治については喬太郎がインタビューに答えていると思って読むと、小三治については最後に少し語っているだけで、これは見出しに偽りありだ。構成は九龍ジョー。続く、平松洋子の連載エッセイも落語に関する内容で、これも特集に組み込まれている。最後は、広瀬和生と亀和田武の対談があり、そういえば、亀和田武は「BURRN!」で連載をしていた。その時代から、広瀬とは落語の話をよくしていたようだ。

 夜遅くに帰宅し、録画していたテレビ番組を観てから、ラジオを聴きながら眠った。時間の記憶がないが、深夜1時頃ではなかったか。

2021年9月20日月曜日

9月20日月曜日/「ブワナ・トシの歌」

◇ ラジオ

 早朝に目覚め、昨日、途中まで観た「ワイドナショー」の残りを観てしまう。「親ガチャ」という言葉を知らなかったが、「サンジャポ」と「ワイドナショー」の両方でその話題を扱っていた。そのあともSNSネタで、人前での説教はどうなのかという話題があり、松本が、伊集院のパワハラ疑惑にちらっと触れていた。特に説明もなく、この番組だけを観ていても意味はわからない。少し眠りなおし、そういえばと思い、ラジオを聴く。「伊集院光とらじおと」は、新井麻希が今日で最終回なのか。伊集院は先週から夏休みで、今日の代打は大橋未歩。オープニングを聴くが、もちろん、疑惑に触れるはずはない。少しの時間、ラジオから離れ、横山剣さんがゲストとわかり、10時からまたオンタイムで聴いた。おなじみの「円楽のプレイボーイ講座」の話をするが、この話題で伊集院が不在なのは惜しい。伊集院と剣さんは会ったことはあるのだろうか。番組のエンディングまで聴くと、今日で最後の新井麻希に向けて、伊集院からのメッセージがあった。そこまでひどい関係とは思えないのだが、疑惑の真相はわからない。

 11時半からは「ビバリー昼ズ」。こちらも横山剣さんがゲスト。「俵星玄蕃」をカバーしようとしていたという話をFMヨコハマの番組では何度かしているが、それがついに、高田先生にも伝わったのが嬉しい。後半は、剣さんの好きな映画ベスト3の発表があり、3位はビートルズの「EIGHT DAYS A WEEK」、2位は「サマー・オブ・ソウル」と、音楽映画を選んでいたが、1位はいきなり、森田芳光監督の「失楽園」だった。高田先生と森田芳光の関係を、知って選んだのか、知らずに選んだのか。


◇ 映画

 午後から外出。京浜急行に乗り、日ノ出町まで。まずは昼食ということで、イセザキモールの和気食坊という店に初めて入った。チャーシューと玉子炒め。650円。客がぜんぜんいない店だなと思ったら、不思議なもので、自分が入ってから、料理が出てくるまでの短い時間で、たちまち満席になった。横浜シネマリンに映画を観にきたのだが、まだ少し時間があり、有隣堂まで行って、戻ってくる。少し時間をつぶしすぎ、上映10分前になってしまった。 

 渥美清特集をやっていて、「ブワナ・トシの歌」を観ておきたかった。月曜はメンズデー、1100円。席はもうソーシャルディスタンス仕様ではなく、すべて入れている。だいぶ埋まっていたが、前のほうが空いていて、むしろ、そのほうがありがたい。2列目の真ん中の席をとった。今年は「日本の喜劇人」を読んだので、今年中にこの映画が上映されるとなれば、観ないわけにはいかない。観ようと決めてから、その箇所を軽く読みなおしはしたが、帰宅してからまた読みなおさねばならないと思った。この映画ってノンフィクションだったっけと思うほど、役名が出てくるまでは、本当にちょっとわからなくなってしまったが、渥美清の演技は素に近いように見える。いったいどういう演出をしているのかと思うが、現地のひとびとに演技(?)をさせていて、アフリカのドキュメンタリーのなかに、渥美清ひとりが紛れ込んでいるような映画だった。羽仁進監督のほか、清水邦夫、和田誠、武満徹と、その時代(1965年公開)の最先端の文化人が集結している。上映後は、映画評論家の高崎俊夫のトークイベントがあり、顔も名前も知らない評論家だったが、小林信彦の「おかしな男 渥美清」と「日本の喜劇人」にも触れ、どちらも優れた著作であることをまず語っていたが、小林信彦の「ブワナ・トシの歌」に対する見解には不満があるようだ。トークは 30分ぐらいはあっただろうか。それにしても、両隣りに客がいる状態で映画を観る感覚がひさしぶりで、冷房もやや弱い気がして、熱気でむわっとしていた。映画を観ている最中も、あたまがぼーっとしてしまった。帰り際、客席の後ろに、ジャック&ベティの支配人が立っているすがたを目にする。



 シネマリンを出て、イセザキモールを黄金町方面に向かい、雲雀洞に寄っていく。歩きながら、ツイッターを確認してみたら、いつもは月曜は定休日だが、今日は開けているとわかった。外のワゴンに、ちょうどいい具合に、和田誠が描いた渥美清が表紙の「話の特集」があり、こんなものを目にしたら買わないわけにはいかない。「話の特集」を3冊買う。店内で、しばらく雑談してから失礼し、馬燈書房にも寄り、外のワゴンから文庫本を3冊買った。イセザキモールを関内方面に戻り、ブックオフにも寄り、4冊買っていく。それからやっと、ベローチェでひと休み。アイスコーヒーとブリオッシュクリームパンを食べた。しかし、閉店時刻まで、1時間しかいられず、もっと読書をするつもりだったが、うまくいかなかった。渥美清「きょうも涙の日が落ちる」を少し読み始めると、この本はちょうど、「ブワナ・トシの歌」についてのエッセイから始まっている。

 電車で帰るつもりでいたが、まだ余力があり、横浜東口まで歩いてしまう。平沼のブックオフにも寄り、110円文庫本を2冊買っていく。トイレに行きたくなり、アソビルに寄ったが、店はぜんぶ閉まっていて、入っていいのかなと思いながら、おそるおそる使わせてもらった。

 帰宅前に、銀行のATMに寄り、入金をする必要があったのだが、通帳を見ると、手数料が110円引かれていて、なんだこれはと思う。画面をよく読まずに進めてしまったが、今までまったく手数料を引かれることはなかったのに、どうして引かれたのかと思い、帰り道、歩きながら、スマホで銀行のサイトを確認すると、手数料は、21時までは無料、それ以降は110円と記載されている。今までは、手数料無料の優遇条件を満たしていたようで、それで引かれなかったようだが、優遇回数が終わってしまったということなのだろうか。だったら、別にぜんぜん急ぐ入金でもなく、明日に入金すればよかったのだが、110円、ただお賽銭をあげたようなかたちになってしまった。銀行に賽銭をあげても、ご利益があるわけがなく、一日の最後につまらない失敗をした。

 夜遅くに帰宅し、いったん眠り、深夜に目覚める。録画していた「週刊さんまとマツコ」を観ると、今週はMISIAが登場し、30分まるまるトークだった。来週は木村拓哉が登場するようで、なんだかよくわからない企画よりも、シンプルにトークのほうがこの番組はいい。奇しくも、MISIAもアフリカについて語っていた。

2021年8月11日水曜日

8月11日水曜日/源流には

◇ テレビ

 朝、録画していた「紙とさまぁ~ず」を観た。ゲスト不在、ゲストのアンケートの答えだけを見ながらトークする番組だが、今回のゲストは内田理央で、この番組はここまでずっと女性ゲストばかりだ。若い女性ゲストのアンケートをもとに、おじさんふたりで勝手に盛りあがっているという構図が可笑しく、しかし、女性アナウンサーも同じ場にいるため、男だけの会話にもならないのがうまくできている。次週のゲストは泉里香で、今週は初めて、2週にまたがずに1週だけで終わった。月曜の深夜は、さまぁ~ずの番組が続けてあり、「さまぁ~ず論」はゲストにも寄るが、ここ3週は児嶋一哉が出ていて面白かった。

 昨夜に放送された、所ジョージの「ファミリーヒストリー」も録画していた。この放送は楽しみにしていて、すぐに観たかった。母型の祖父が飴売りの芸人だったということにまず驚くが、70年代に、その映像が資料として残されているくらいのひとなのだ。所ジョージはそのことを知らずに、芸能の道に進むというのはいったいなんなんだろうか。いっぽう、父は整備兵をやっていて、戦後は警察予備隊にいたが、露天商だった母型の祖父は警察が嫌いだったため、最初は結婚を認めてもらえなかったという。この番組はいつもそうだが、両親の結婚の過程に今回も感動させられる。なにしろ、ここがいちばん本人の存在に係わるところで、タイムトラベルものの映画みたいに、結婚できなかったら所ジョージが消えちゃうという気にさせられる。後半は、所ジョージ本人の道のりになっていくが、ここにもやはり、両親それぞれと似た部分をどうしても感じていくことになるのだから、この番組の構成は巧妙だ。



 夕方、駅前まで買いものに出て、吉野家にも寄り、牛カルビ丼を食べた。読書をするため、ドトールに入り、アイスコーヒーとクイニーアマンを食べる。ツイッターからニュースを見ると、東京の新規感染者数は 4200人に。神奈川は 1565人。埼玉は 1227人。千葉は 955人。大阪は 1490人。感染者数は2週間前の結果だというのは、「グッとラック!」で北村義浩教授がさんざん言っていたことだが、オリンピックの影響がそろそろはっきりしてくる。神奈川は二千人以下に戻り、少しほっとする。

◇ 雑誌・映画

 ドトールでは、少し前にブックオフで買った、「本の雑誌」4月号の津野海太郎特集を読んでいた。佐久間文子によるロングインタビュー、本人のエッセイと「津野海太郎がつくった本25冊+3」、それから、近しいひとたちが寄稿している「私が知っている津野海太郎」、最後に年譜もあり。ぱらぱらと読むだけでは済まず、特集ページすべてを興味をもって読んだ。津野海太郎の名は、ちょうど、今年読んでいた「決定版 日本の喜劇人」のあとがきにも出てきたところだった。あの本の誕生に津野海太郎が関わっているとは、晶文社の本だから言われてみればそうかとも思うが、このあとがきを読んで改めて知った。植草甚一もそうだが、自分の好きなサブカルチャーの源流には、津野海太郎の存在がじつはとても大きい。特集では、小林信彦も植草甚一も、まだ浪人生だった高平哲郎に教えてもらったということが語られていて、それもすごい話だと思った。もし、高平哲郎が教えなかったら、サブカルチャーの歴史がまるっきり違ってしまっていた。

 夜に帰宅し、アマゾンプライムで映画を。大林宣彦監督の「さびしんぼう」を、昨夜に観ようとして中断してしまったが、その続きを今夜観た。しかし、今まで観た大林宣彦作品のなかでも、これはいちばん興味がもてなかった。富田靖子をなぜ白塗りにしたのだろう。大林作品では、未見の作品もまだたくさんあるが、叙情性よりも、「金田一耕助の冒険」や「HOUSE」のようなカオティックなもののほうが好きだ。

2021年8月5日木曜日

8月5日木曜日/猛暑・雑誌・映画

◇ 雑誌

 深夜から眠らず、早朝、まだ暗いうちに、近所の郵便ポストまで投函に。この時間はこんなに涼しいものだろうか。夜明け前に眠り、10時頃に目覚め、ブログの更新をまずひとつする。楽天マガジンで雑誌のチェックをすると、「週刊文春」に、なんと、小林信彦のインタビューが載っていた。連載は楽天マガジンではカットされていたが、このインタビューは読めるのだ。連載コラムの最終回にあたり、これまでをふり返るインタビューだったが、大島渚に映画監督になるように勧められたという話は知らなかった。過去にどこかで書いてるだろうか。

 夕方、ヤマトの営業所まで。昼になるとやはり暑く、猛暑のなかを歩いていった。二俣川に出て、ドン・キホーテのサイゼリヤに入り、チョリソーとハンバーグの盛り合わせを食べる。ツイッターからニュースを見ると、東京の新規感染者数は 5042人に。ついに五千人を超えた。神奈川は 1846人。埼玉は 1235人。千葉も間もなく千人を超えるだろう。大阪は 1085人。

 昨日、綾瀬のブックオフで買った、「ミュージック・マガジン」の5月号をぱらぱらと読んだ。デイヴィッド・バーンのインタビューを読みたかったから買ったのだが、もちろん、「アメリカン・ユートピア」について訊いているインタビューだ。「舞台上のものをすべてなくすことで、観客たちは目の前にいる人物たちとつながることができる。」という、この発言は、舞台の客席に座るものの感覚として、とてもよく理解できる。扮装や小道具を多用するコントがなぜつまらないか。


◇ 映画

 夜に帰宅し、アマゾンプライムで映画を1本。「デッド・ドント・ダイ」を観た。公開時に観そこねていた、ジム・ジャームッシュのゾンビ映画。デイヴィッド・バーンのインタビューにはジャームッシュの名前も出てきて、それで、今夜、観てみようという気になった。ジャームッシュの作品はあまり観ていないから知らないが、まあ、これは異色作か。抑制的な笑いが効いていて、ずっと可笑しかった。映画を観たあとは、ラジオを聴きながら眠るが、暑さで、朝までに何度も目が覚めた。

2021年7月31日土曜日

7月31日土曜日/開会式ウラオモテ

◇ ラジオ・テレビ

 早朝4時には目覚め、まず、ブログの更新をひとつ。からだじゅうが痛く、ラジオをつけたまま、しばらく横になっていた。「木梨の会」に、こんな朝早くから藤井フミヤが出演している。とんねるずのビクター時代の楽曲がサブスク解禁になったという話題にもなり、とんねるず、チェッカーズの曲をいくつかかけていた。少し眠りなおし、9時からは「ナイツのちゃきちゃき大放送」を聴く。出水アナが濃厚接触者になったそうで、いつもは中継を担当している渡辺峻アナが代役を務めた。「常連さん」は、「ビリギャル」の坪田信貴が初登場。塙さんとは小学校の同級生なんだとか。

 ラジオは中断し、録画していたテレビを観る。昨夜の「タモリ俱楽部」は、世界の冷凍食品の特集。劇団ひとりが司会をしていて、タモリの番組に、「火薬田ドン」のTシャツを着て出ていた。それから、オリンピックの開会式を、一週間遅れでようやく観始めた。録画していたのはNHKで放送された生中継で、4時間弱の放送なので、さすがにいっぺんには観られない。とりあえず、午前中に半分まで。午後はまた、ラジオに戻り、「田村淳のNewsCLUB」を聴くと、こちらのゲストも坪田信貴だった。

 夕方、ヤマトの営業所まで。それから、二俣川に出て、相州蕎麦に入り、かき揚げ天せいろを食べた。470円。くまざわ書店にも寄り、「週刊文春」を買っていく。店内もざっと見てまわるが、社会問題の棚に、オリンピック関連の本に混じり、「ファンタズマ」が表紙の「昭和50年男」と、小林賢太郎「こばなしけんたろう」が一緒に平積みしてあった。こういうことを考える店員さんは応援したくなる。ジョイナスプラザを出て、西友のイタリアントマトに入る。ツイッターからニュースを見ると、東京の新規感染者数は 4058人に。増加ペースがいよいよ加速していないか。神奈川県は 1580人。大阪も 1040人となり、千人を超えた。


◇ 雑誌・本

 「週刊文春」を買ったのは、五輪開会式の記事を読みたかったからだが、その記事は、「台本11冊を入手 開会式〝崩壊〟全内幕」というもので、目次のすぐあとに6ページにわたって掲載されていた。楽天マガジンも利用しているのだが、「週刊文春」はこういう目玉になる記事は電子版ではカットしてあり、非常にずるい。その内容だが、これを読むと、開会式がその当日に至るまで、当初の予定からどのように変貌し、どのような人物が関わり、どのような理由でそうなったかがよくわかる。演出責任者だった MIKIKO が排除されていった経緯はすでに報じられていたが、まあ、その号はざっと立ち読みしたような気もするが、この号でも改めて確認できた。IOCにプレゼンした幻の台本というものが存在していて、それが例の、「AKIRA」をモチーフにした場面で幕を開けるというものだ。ところが、そのプレゼンの1ヶ月後には、電通の高田佳夫らにより MIKIKO は排除され、佐々木宏が代わりに責任者に就く。MIKIKO案を白紙に戻したことで、億単位の費用が無駄になったということにまず呆れるが、佐々木宏が出した構成案は、MIKIKO の案を切り貼りしたものだったというからさらにひどい。そして、火消しと海老蔵は、それぞれ、小池百合子、森喜朗が押し込んだ政治案件であり、佐々木宏はそれらをあっさりと採用した。MIKIKO は辞任することになり、その後の台本の変遷もこの記事は伝えていて、山口智充、秋元才加、松重豊らの名もキャスティング案にはあがっていたようだが、しかし、今年3月には、佐々木宏が侮辱演出問題で辞任となり、その後任に小林賢太郎が就く。そして、本番直前のごたごたになっていくわけだが、先にネットに出ていた竹中直人の出演辞退はこの記事が報じたものだ。驚いたことがもうひとつ、競技紹介の場面はもともとは任天堂が監修するはずだったが、佐々木宏に代わったあとに、その場面はピクトグラムに変更された。入場行進にも任天堂の曲が使われていないのはそのような理由があったのだ。聖火ランナーも、松井は森喜朗によるゴリ押しで、王、長嶋、松井を最終走者にする予定だったが、森喜朗が会長を辞任したため、急遽、大坂なおみが選出されたという事情もこの記事は伝えている。

 週刊誌だけでなく、本も読む。小林信彦「昭和の東京、平成の東京」を読み終えた。2005年刊、ちくま文庫。「私説東京放浪記」「私説東京繁盛記」とともに、小林信彦自身が東京三部作と呼ぶ3冊を、今年に入ってから立て続けに読んでいった。東京についてのコラムやエッセイを集めた本であり、時代的には、前のオリンピックの時代からの東京が描写されていて、まさに、今年読まずにいつ読むのかという本だった。そこでくり返し書かれているのが「町殺し」だが、今年もやはり、コロナも重なったとはいえ、あとでふり返ってみれば、そういう年だったということになりそうだ。あとそれから、前から探していた、横浜の古本屋について書かれた文章もこの本に収められていた。一寒堂という古本屋について、111ページに書いてあったと、ここにメモしておく。

◇ 開会式

 夜に帰宅し、録画していた開会式の続きを観て、一週間遅れでやっとすべて観ることができた。朝と夜に分け、一日がかりで4時間すべてを観たわけだが、つまらないかといえばそんなこともなく、さまざまな興味は湧いた。MISIA の国家斉唱、森山未來のパフォーマンスに続き、真矢ミキが大工の棟梁を演じた火消しの場面は、政治案件だということを抜きにしても、あのタップダンスは、まるで、たけしの「座頭市」だ。独創性に問題があるんじゃないだろうか。それから、選手入場となるが、ドラクエのテーマ曲が鳴り、マンガの吹き出しをかたどったギリシャのプラカードが映った瞬間には、観ていて、なんともいえない恥ずかしさが湧きあがった。ここがよかったという視聴者も多かったようだから、少数派の感覚かもしれないが、つくづく、日本は幼稚な国だという気にさせられる。いや、ゲームやマンガが幼稚ということではなく、そのアピールの態度に、悲しいくらいの幼稚さを感じた。子どもが一生懸命、ゲームが上手いところをおとなに見てもらいたがっているというような。そして、多くの視聴者は選手入場が長くて退屈だったというが、たしかに退屈ではあるのだけど、ここは演出の意図とは関係のない部分で、たとえば、遠くの小国の選手たちが、はるばる日本までやってきて手を振っているのかと思うと、それはそれでいいものだと思い、感動もした。日本よりもむしろ、ああいう小さい国を贔屓にしてやりたくなるくらいだ。バッハのあいさつが長いのはどうすることもできないが、後半になると、なだぎ武が登場し、そして、例のピクトグラムと、小林賢太郎の色を強く感じる演出が続いた。ピクトグラムは無観客だからこうしたのかわからないが、あの大会場のなかでは、どうも貧弱さが否めない。そのあとの、劇団ひとりが登場する映像から、上原ひろみと海老蔵のコラボという流れはなかなか面白かった。聖火リレーも、王、長嶋が登場し、大坂なおみにつないでいく場面は感動的なもので、これも演出の意図とは関係がない。評判になっていたドローンだが、あの日、21時半までは千駄ヶ谷にいたが、もう少し残っていれば、あれを生で観ることができたのかと思うと、帰ったのがちょっと惜しい気もした。あの殺伐とした場はいったいどうなっていただろうか。

 23時からラジオをつける。「HONMOKU RED HOT STREET」をオンタイムで聴いた。クレイジーケンバンドのカバーアルバムの話題から、「俵星玄蕃」をいつか完コピしたいという話をこの番組ではたびたびしているが、今回のアルバムもその案はあり、だけど、あきらめたということか。剣さんの「俵星玄蕃」は、なかなか難しそうだが、いつか聴いてみたい。ラジオを聴きながら、オンライン将棋を指し、ブログの更新をひとつしてから、深夜0時過ぎに眠った。

2021年7月10日土曜日

7月10日土曜日/「日本の喜劇人」を読む(14)

◇ テレビ・ラジオ

 朝、録画していた水曜放送の「お笑い実力刃」を観た。この週は歌ネタ特集で、どぶろっく、AMEMIYA、ラニーノーズ、アイロンヘッド、テツandトモという5組。この番組の性質からすると、5組はちょっと多い感じがする。テツトモのトークが面白く、アンタッチャブルとの関係性は「オンバト」の時代からだから古いはずだ。談志師匠のエピソードも語られた。昨夜の「ネタパレ」を観ると、TOKYO COOL がついにメインステージに登場した。「ニュースターパレード」では、アイドル鳥越をひさしぶりに観た。というか、このひとは「お笑い向上委員会」以外で観たことがない。

 ラジオも聴く。「ナイツのちゃきちゃき大放送」は、テレビ朝日の加地倫三がゲスト。このひと、大学の先輩だとは知らなかった。学年で7年上だから、同じ時期にはいなかったろう。「アメトーーク!」で、「今こそ高田文夫」はぜひ実現してもらいたい。続けて、文化放送の「田村淳のNewsCLUB」を。そのあとは、伊東四朗と吉田照美の「親父・熱愛」をつけておく。

 夕方、ヤマトの営業所まで。二俣川に出て、くまざわ書店に少し寄り、それから、ドドールに入ろうと思っていたが、混雑でやめる。相州蕎麦で食べてしまうことにして、とろろ焼き鳥丼のセットを食べた。690円。ジョイナステラスを抜け、西友のイタリアントマトに入り、読書をした。ツイッターからニュースを見ると、東京の新規感染者数は 950人に。


◇ 読書

 小林信彦「決定版 日本の喜劇人」の続きを読む。後半、「日本の喜劇人2」の最後の章は伊東四朗。小松政夫についても、この章で書かれていた。伊東四朗は「テレビの黄金時代」に間に合ったひとであると書き、「黄金時代」末期にかろうじて間に合ったタレントがもうひとりいる、というのが小松政夫だ。伊東四朗が「日本の喜劇人」の最後のひとりであると結論づけていて、文庫刊行時のままなのか、見比べないと細かい部分はわからないが、しかし、前半最終章では、志村けんについて書かれている。読む順序と書かれた順序が違うのだが、そもそも、「日本の喜劇人」のあとに改めて伊東四朗について書かれたのが本書の後半部分となる「日本の喜劇人2」であり、前半部分である「日本の喜劇人」の最終章は、さらにそのあとに大きく加筆修正されたものだから混乱する。「喜劇人に花束を」(本書では「日本の喜劇人2」)とセットにして「決定版」とした違和感は最後まで残った。あとがき、巻末インタビューも読みなおし、1ヶ月以上かかり、このぶ厚い本をようやく読み終えたが、BIG3については、「文庫版の時は、タモリはまだ前途がわからず、ビートたけしは抜群の若手でした。待っていた、という感じで書いているのが見え見えだから、今回は改稿してあります。」というのだけど、新たに大泉洋を入れてしまったら一緒じゃないかと思う。文庫版をそのまま残したうえで、新たな最終章を足すわけにはいかなかったのか。とんねるずについても、ほかのコラムではさんざん評価しているだけに、ここに収められなかったことが惜しい。先日の「さまぁ~ず論」で、さまぁ~ずはお笑いの年表には載らないという話をしていたが、この巻末インタビューにはさまぁ~ずの名は出てくる。サンドウィッチマン、爆笑問題の名もあるが、ウッチャンナンチャンはまったく出てこない。風間杜夫について書いていることを思えば、シティボーイズにも触れてほしかったが、まあ、細かい不満をいえばきりがない。あとはわれわれの世代や、その下の世代が考えるべきことだろう。

◇ 映画

 夜に帰宅すると、いよいよ部屋が暑い。動けず、横になるしかない。アマゾンプライムで映画を1本。由利徹で検索して見つけた「006は浮気の番号」という映画を観たが、いや、この映画、かなり好きかもしれない。近江俊郎監督作品は今まで観たことがなかったが、まともに評価されているのを目にしたことがなく、たとえば、まあ、近江俊郎監督だから、みたいな言われかたをよくされている印象がある。近江俊郎監督だからしょうがないよというような。しかし、この馬鹿馬鹿しさは徹底していて、名人芸の滑稽噺のように、見事にくだらない。そのくだらなさは、意味でしか捉えないような観客には通じないもので、そのような観客はそもそも笑いには縁がないのだ。おバカ映画だとか、トホホ映画だとかいうような、映画ファンのノリがそもそも信用できるものではないと思うのだが、それよりも、笑いのマニアである自分の感覚では、名作とされているような喜劇映画よりもむしろ、この映画は、現在の笑いの感覚で観て笑える映画だった。由利徹がいるだけでもう面白いという、まったく稀有な喜劇俳優だということも充分に再確認できると思う。一人二役のシーンなど、じつにたまらない。

 23時からはラジオをつけ、「HONMOKU RED HOT STREET」を聴いた。横山剣、キヨサク、SAMI-T のユニット、TIKI TIKI TOURS で「テレ東音楽祭」に出たとは知らず、観逃してしまった。番宣は目にしていたのだが、後藤真希や ASKA が歌う場面が気になっていたにもかかわらず、録画を怠ってしまった。それから、土岐麻子の「サマーヌード」をかけたが、クレイジーケンバンドでも「サマーヌード」をカバーしようと思っていたというのは知らなかった。深夜に、録画していた「Nキャス」を観るが、熱海の土石流の原因となった盛り土の問題は本当にひどい。業者の名前はまだ公表されていないが、いくらなんでもいずれは出るだろう。ブログの更新をひとつしてから、深夜2時半頃に眠る。

2021年7月9日金曜日

7月9日金曜日/神保町ぶらぶら

◇ 水道橋・飯田橋・神保町

 小雨。今日も朝から都内に。総武線で水道橋に出て、飯田橋のほうに歩いていくと、少年画報社がこんなところにあるんだというのを初めて知った。首都高の下を川が流れていて、どうやら神田川の支流だ。橋を渡ると、アイガーデンテラスという商業施設がある。ホテルエドモントのすぐ裏だが、この商業施設はいつからあるのだろうか。だいぶ前に、ホテルエドモントで少しだけバイトをしたことがあり、23年前の5月だと、明確に思い出したが、その時代にはこんな商業施設はまだなかった。その時代に、この裏のあたりを歩いたことはあっただろうか。歩いてみると、案外、水道橋駅のすぐ近くである。また、ぜんぜん別の時期に、水道橋でもバイトをしたことがあった。西口にマクドナルドがあった記憶があるが、見当たらない。水道橋から神保町方面に歩き、九段下のマクドナルドに入ろうかと思い、行ってみるが、朝マックをやっているのかわからない店で、また神保町方面に戻り、ドトールに入った。まだ午前中だ。アイスコーヒーとクイニーアマンを食べ、しばらく読書をする。

 午後、雨は止み、神保町の古本屋をまわる。九段下側から、まずはアットワンダーだが、雨降りだったので、外の棚は閉めてある。少し進むと、店頭、外の箱に珍しいマンガを出している店があり、「Naga」という、どうやら新店のようだ。店内を覗いてみると、店内も、棚には古いマンガが並んでいる。店をひとつ覗いてみると、不思議なもので、隣りの店も覗いてみたくなるというリズムができるようで、いつもは店頭に並ぶものを眺めていくだけだが、今日はこまめに店内に入っていった。入っていっても、なにも買わないのだが。矢口書店も外の棚は閉めている。交差点からすずらん通りに入り、トイレに行きたくなり、東京堂書店に入った。トイレは2階にあり、ここの2階の売り場を見ていくこともしばらくなかったが、ある一角では「日本の喜劇人」のフェアをやっていた。小林信彦の似顔絵のパネルが飾ってあり、書店員をやっていたら、こういうものをもち帰れたのにと悔しい気になった。三省堂も覗き、折り返し、靖国通り側を交差点のほうに戻った。いつも、すずらん通りを歩いてしまうので、靖国通り側はあんまり知らず、仰々しい店構えの一誠堂書店にひさしぶりに入ってみる。「日本の喜劇人」を読んでいる最中なので、喜劇関連の本が気になった。もっている本も多いが、いくらで売っているかが気になるのだ。なにも買わなくても、神保町はぶらぶらしているだけで勉強になる。



 神保町を離れ、半蔵門線で渋谷に出る。まんだらけに寄り、階段の百均だけ見ていくが、なにも買うものなし。ちょっと頻繁に寄りすぎだろうか。まんだらけの入り口のすぐそばにある鳥道酒場で、14時過ぎにようやく昼食にする。ランチメニューの鶏唐揚げ定食を食べた。550円。道玄坂を横切り、古書サンエーにも寄る。ここは寄るたびに閉まっている日が続いていたが、今日は開いていた。なにも買わないのだが、店内も見ていく。東横線、各停に乗り、のんびりと横浜に戻ってくる。プチプチがもうすぐなくなりそうで、星川のコーナンに寄る必要があると思ったが、眠気がひどく、朦朧としてしまい、星川で降りられなかった。しかし、やっぱり、今日買っておいたほうがいいと思い、星川まで戻り、買っていく。雨も心配だったが、店を出ると、ちょうどまた降り始めていて、しかし、それほど強い雨ではなく、なんとかなった。

◇ 読書・ラジオ・テレビ

 電車内で、尾崎世界観の対談集「身のある話と、歯に詰まるワタシ」を読み終えた。神田伯山のほか、加藤シゲアキ、金原ひとみら、作家との対談も気になったが、しかし、なぜこんなに自意識の話が多くなるのだろうかと思いながら読んだ。世代的な問題もあるだろうか。最年長の尾野真千子で、1981年生まれ。那須川天心がいちばん若く、1998年生まれ。

 夕方に帰宅し、タイムフリーで、今日の「ビバリー昼ズ」を聴いた。12時台のクイズコーナーに、XXCLUB が登場した。昨日木曜の「ナイツ ザ・ラジオショー」も聴く。この前日に塙さんが出演した、水道橋博士の「アサヤン」の話をしていた。ベイビーギャング北見と会ったというのは、このライブだったのか。ナイツのふたりが、博士とU字工事の関係を不思議がっていて、浅草キッドのことをどうもあんまりよくわかっていないようだ。

 録画していた「ミュージックステーション」を観ると、上白石萌音、池田エライザがともにカバー曲で出演していて、「夜もヒッパレ」みたいだなと思った。観たかったのは、松たか子と STUTS のコラボ曲で、この曲、実演できるんだということに驚いた。KID FRESINO というラッパーのことは知らなかったが、松たか子が、平然とラップに入っていくのがすごい。「タモリ俱楽部」は灯台マニアの特集。ヒコロヒーが初出演。ついでに、観そびれていた「キョコロヒー」も観た。ダンスで伝言ゲームをする企画が面白かった。深夜2時半頃に眠る。

2021年7月7日水曜日

7月7日水曜日/「日本の喜劇人」を読む(13)

◇ ラジオ

 早朝に目覚め、聴きそびれていたラジオ番組を、タイムフリーやポッドキャストなどであれこれと聴きつつ、雑務を片づけ、合間に読書もしていた。家にいるのだから、のんびり読めばいいのに、数分ずつのこまぎれの読書。いったん、近所の郵便ポストまで出て、昼間は「ビバリー昼ズ」をオンタイムで聴いていたら、少し眠ってしまった。午後は「ナイツ ザ・ラジオショー」。ゲストの AMEMIYA が、元相方が脚本を書いてるというので、検索してみると、西条みつとしという名前で、誰かと思えば、あれきさんだーおりょうだった。そういえば、これは前にも確認したことがあったはずで、よっぽど関心がないのか、すぐに忘れてしまう。タイムフリーで、日曜の「山下達郎のサンデー・ソングブック」も聴いた。Spotify ではなにを聴いてるんですかというリスナーからの質問に、Spotify では落語しか聴きませんと答えていた。

 夕方、駅前まで買いものに出て、すぐに帰ってくる。家を出た直後にアマゾンから注文があり、大きいものが売れてくれた。大きいというのは物理的なことで、本のサイズが大きく、出品しているくせに、いざ発送するとなると、どうすればいいのか困るようなしろものだ。いつも利用しているクリックポストやクロネコDM便とはわけが違い、手元に準備がなんにもない。あと1時間早く注文があれば、もしくは、あと1時間遅く外出していれば、今日中に箱ぐらいは用意できたのに。ツイッターからニュースを見ると、東京の新規感染者は920人に。

◇ 読書

 小林信彦「決定版 日本の喜劇人」の続きをまだ読んでいる。後半、「日本の喜劇人2」の第二部、藤山寛美の章を読んだ。この本全体を通して、自分の知識がいちばん追いつかないのがこの松竹新喜劇に関する箇所で、松竹新喜劇に関してはなにしろ、映像でも観たことがないし、人名もわからない。しかし、1990年に亡くなった藤山寛美の訃報は、リアルタイムでの記憶がたしかにあるのだが、そのとき、中学2年生だった自分が、少なくとも、藤山寛美の名前は知っていたということか。この章の導入部に、「EXテレビ」で島田紳助が引用したという談志師匠の発言が出てくるが、中学2年生のときに、立川談志という名前を認識していたかはわからないが、「EXテレビ」は観ていたとしてもおかしくはない。後年、談志を通じて多くのことを学習したが、もしかすると、上岡龍太郎を通じて、意識せずに学習していたこともあったのかもしれない。「決定版」の後半は「日本の喜劇人2」となってはいるが、植木等も、藤山寛美も、小林信彦はじかに関わり、ここに書かれていることはその個人的な体験が主である。渥美清、横山やすしについては、それぞれ一冊の本が書かれているが、「決定版」の後半部はむしろ、それらの作品に連なるもので、しつこいようだが、「日本の喜劇人」とセットに組むのは無理矢理な感じがする。

◇ テレビ・音楽

 録画していた「ゆりやんと七人のツッコミ」という番組を観た。「R-1」の優勝特番で、ゆりやんレトリィバァが作ったVTRを、ゆりやんが選んだ七人に観せ、ツッコミを入れてもらうという企画。その七人とは、陣内智則、粗品、かまいたち濱家、千鳥ノブ、おいでやす小田、見取り図盛山、ハリセンボン春菜というメンバーで、見事に吉本ばかりだ。七人それぞれ、別々に映像を観て突っ込んでいるので、言葉がかぶるという都合はあるだろうが、ツッコミの音声が消されている場合があり、それに気がつくと、どうも面白みが半減する。目論見ほどには、ツッコミが面白くならなかったという感じがするが、ただし、ゆりやんの映像はすこぶるくだらなく、笑わされるポイントはツッコミではなく、映像そのものだった。こういう番組は、構成作家を思わずチェックしたくなる。それから、「しゃべくり007」の2時間特番もざっと早まわしで観た。こちらは、戸田恵梨香とハリウッドザコシショウの即興芝居がいちばんの見どころだった。

 Spotify で KERA のアルバムが配信されていたので、深夜、さっそく聴いた。毎度思うが、Spotify は配信開始日をどこかにきちんと表示してもらいたい。「まるで世界」というカバーアルバム。KERA の歌声は特に好きということもなく、曲によるというところだが、「マリリン・モンロー・ノー・リターン」がこのアルバムではまず好きだ。聴きながら眠る。いよいよ部屋が暑くなり、自分の体温が不快で、なかなか眠れなかった。

2021年7月6日火曜日

7月6日火曜日/「日本の喜劇人」を読む(12)

◇ 雑誌・テレビ

 朝っぱらから、楽天マガジンで雑誌のチェックを。「週刊朝日」の亀和田武の「マガジンの虎」で、上白石萌音が表紙の「ミュージック・マガジン」をとりあげていたが、「昭和歌謡という言葉を耳にするようになって、もう10年以上はたつ。」というのは話が大雑把すぎるんじゃないか。クレイジーケンバンドを追いかけていたからわかるが、20年は経とうとしているはずだ。(たとえば、「クイック・ジャパン」で、初めてクレイジーケンバンドが特集された号は 2001年刊。) 「SPA!」の渋谷直角の連載マンガは、主人公が「ルー大柴のお笑いダイナマイトショー」に出演し、キャイ~ンに出会った話が描かれていた。いつも不思議に思うが、このマンガはどこまでが事実なのだろうか。「伊集院光とらじおと」を途中からつけると、ゲストが本谷有希子で、これは聴く。ツイッターでニュースをチェックすると、なんと、田中康夫が横浜市長選に出馬の意向と。

 録画していた今日の「徹子の部屋」を観ると、また追悼特集で、今回は、なかにし礼、鈴木登紀子、綿引勝彦、小野清子の4名をとりあげていて、なかにし礼と綿引勝彦のところだけを観た。綿引勝彦が亡くなっていたというのがどうも記憶になかったが、確認してみると、昨年末に亡くなっていたのだ。すると、昨年は、「天までとどけ」の母と父が立て続けに亡くなったということか。続けて、日曜に放送された「週刊さんまとマツコ」も観た。たつき諒の「私が見た未来」というマンガに予言が描かれているというので、都市伝説のスペシャリストだという YouTuber が出演し、予言の解釈をしていた。富士山の噴火が今年の8月なのではないかと予測していたが、とかくコンプライアンスのうるさい世の中だというのに、どういうわけかこういうものは未だに平気で放送される。いや、規制を望む気もないのだが、なにか変な気がする。

 夕方、ヤマトの営業所まで。今日も雨降りで、家を出るときには止んでいたが、一応、傘はもっていく。二俣川に出て、くまざわ書店に少し寄ってから、ドトールに。クイニーアマンを食べたかったが、売り切れていたので、アイスコーヒーのみ。小銭を使わずに済んだ。しばらく読書をして、ライフに寄り、買いものしてから帰る。ライフでトイレに入り、ふと鏡を見ると、白髪が目立っていてぎょっとする。ずっと、実年齢よりも若く見られる人生だが、ずいぶん老けたと思う瞬間はやっぱりある。1年後は、いったいどんな顔になっているか。

◇ 読書

 小林信彦「決定版 日本の喜劇人」をまだ読んでいて、いよいよ後半に進んだ。後半は「日本の喜劇人2」となっているが、これは、新潮文庫版では「喜劇人に花束を」というタイトルで出ているもので、「日本の喜劇人」は何度か読みなおしたが、「喜劇人に花束を」は一度読んだっきり。そもそも、これが「日本の喜劇人2」だったとは、今回初めてわかり、いったいいつの段階でそうなったのか。そもそも、単行本刊行時には「植木等と藤山寛美」というタイトルだったものに、伊東四朗の章を加え、文庫化したのが「喜劇人に花束を」なのだが、植木等、藤山寛美、伊東四朗というこの組み合わせも妙で、「日本の喜劇人」とはまったく別の本としか思っていなかった。しかし、「2」だというから、まずは第一部、植木等の章を読む。最後に、八十歳で死去の一文が加えられていたが、「喜劇人に花束を」からはおおむね変更はなさそうだ。読みなおしてみると、やっぱり、「日本の喜劇人」とは感触の違う読みものだと思った。評論的な面よりも、より観察者であり、証言者であり、ドキュメンタリー的になっている。「テレビの黄金時代」に書かれていたこととも、かなり重複しているんじゃないだろうか。改めて勉強になったのは、「ニッポン無責任時代」が公開された1962年は、アンチヒーローの当たり年であったということ。座頭市シリーズがあり、「椿三十郎」があり、前年には「用心棒」があった。それに加えて、1964、65年になると、高度経済成長からは落ちこぼれた無数の大衆が、東映のやくざ映画やクレイジー映画を愛好していたというわけだ。

◇ テレビ・ラジオ

 夜に帰宅し、録画していた「うたコン」を観た。加山雄三特集だというので、ひさしぶりに録画しておいた。谷原章介の司会を改めて観ると、中身の見えないひとである。中身が見えないのか、あるいは、中身を見せないのか。「バナナサンド」の特番も、所ジョージがゲストなので録画しておいたが、こちらはまったく観るべきところのない2時間だった。タイムフリーでラジオも。昨日月曜の「ナイツ ザ・ラジオショー」は、コウメ太夫がゲスト。梅沢富美男劇団在籍時に、歌を出さないかという話もあったくらいに、じつは歌が上手いらしい。ダンスの能力も高く、つねに自信なさげな佇まいでいるひとだが、潜在能力はまだまだこんなものではないんじゃないのか。深夜1時からはオンタイムのラジオ。「爆笑問題カーボーイ」を聴きながら眠る。

2021年7月2日金曜日

7月2日金曜日/「日本の喜劇人」を読む(11)

◇ 寝坊

 早朝にいったん目覚め、もう1時間ぐらい眠ろうと、眠りなおしたら、3時間ぐらい眠ってしまった。今日は朝から千葉の美術館まで行こうとしていたのだが、完全に寝坊してしまい、呆然とする。美術館に行くだけなら、そんなに朝早くから出かける必要もないが、ブックオフに寄るスケジュールを綿密に考えていたので、それを無駄にしてはつまらない。どうしようかと思ったが、本当は平日がいいと思っていたけれども、明日でもいいかと思いなおした。今日も雨降りで、出かける気も萎えた。

 楽天マガジンで雑誌のチェックをすると、「FRIDAY」に、菅義偉、藤木幸夫、小此木八郎のスリーショット写真が載っていた。「側近であり、カジノ反対派の小此木氏を送り込むのは、菅さんが『横浜カジノは一旦、棚上げでいい』と考えていて、両者の『手打ち』という意味があると思われます。」という自民党関係者の談。タイムフリーで、ラジオ番組をいくつか。とり・みきのツイートで、寺内タケシの追悼特集をやっていたと知り、「山下達郎のサンデー・ソングブック」を聴いた。加山雄三「夜空の星」、クレイジーキャッツ「遺憾に存じます」も寺内タケシが弾いているのだ。続けて、先週の「HONMOKU RED HOT STREET」も聴いた。1曲目からいきなりいい、剣さんが歌う「しらけちまうぜ」があるなんて知らなかった。「しらけちまうぜ」は配信はないようだが、剣さん、キヨサク、SAMI-T のユニット、Tiki Tiki Tours は配信もあった。

◇ 読書

 今日はもう外出せず、部屋で読書をする。小林信彦「決定版 日本の喜劇人」の続き、第十二章「日本の喜劇人・再説」と、最終章「高度成長のあと」を、続けて読んだ。最初の単行本が出たあとに、「定本」が出た際に追加されたのが十二章。森繫久彌、藤山寛美、由利徹のその後について書かれていて、注意深く確認はしていないが、これは新潮文庫にも載っているものとどうやら変わらない。大幅に書き変えられたのは最終章だ。まず、新潮文庫版では「高度成長の影」となっているタイトルが、「決定版」では「高度成長のあと」になっている。「あと」には違いないが、1982年刊の新潮文庫版から、40年近くが経っているのだからそうとう「あと」だ。萩本欽一についての記述にはあまり変化がないが、そのあとがまるで違う。まず、主だった喜劇人について改めて書かれていて、一貫して評価が辛いと思われていた三木のり平を、ここでは好意的に評価しなおしている。なにしろ、その直前の十二章でもきびしい書かれかたをしているので、ここは、おおっと思う部分だった。藤田まことにも、ここで改めてページを割く。「決定版」に書かれているのは、それから、いかりや長介、伊東四朗ときて、三宅裕司、風間杜夫を詳しく説明している。三宅裕司は新潮文庫版には索引に名前すらないが、伊東四朗のあとに、この流れで登場させるのはわかる。新潮文庫版では、つかこうへいについて書かれているが、ここで風間杜夫だけを特別に扱うのは意外だった。新潮文庫版の終章は、萩本欽一、ドリフターズ、山城新伍、つかこうへい、タモリ、たけしについて書かれていて、山城新伍は「決定版」ではばっさりカット。「決定版」は「ビッグ・スリー」(という表記もどうなのか?)の三人が並べて書かれ、さんまは新潮文庫版には登場しないが、タモリ、たけしについては新潮文庫版のほうがよっぽど熱がこもっていて、「決定版」ではあっさりしたものに修正されている。しかし、推測だが、けして評価が落ちたというわけではないだろう。小林信彦はおそらく、ビッグ3は「日本の喜劇人」の流れでは語れる存在ではないと結論づけたのではないか。かといって、無視できるような小さな存在ではぜんぜんない。その代わり、大きく比重が変わったのはドリフで、むしろ、新潮文庫版の時点では、ドリフこそが無視できない存在だったはずだが、たった4行しか書かれていない。「決定版」ではまず、いかりや長介について詳しく、そして、志村けんについては、タモリ、たけしよりも大きな扱いになっている。最後には大泉洋が登場するが、その前に風間杜夫について書かれているとわかると、唐突という印象は薄らいだ。新潮文庫版との比較はここまでだが、「決定版」はこのあとにまだ、「日本の喜劇人2」が収録されている。

◇ テレビ・映画

 録画していたテレビ番組をいくつか。「お笑い実力刃」を、2週分、まとめて観る。まずは、先週の中川家の回をようやく。なんと、漫才なし、コントばかり3本という構成で、それぞれ、タクシー、旅館の女将、師匠と弟子という設定。ラジオでしゃべっていたが、収録現場には、研ナオコ夫妻が見学していたという。もう1本は、今週放送のロバートの回。こちらはコント4本。ロバートも中川家と同じく、模写の芸だが、それぞれのタッチに違いがある。トークで解説されたおかげで、山本博の可笑しさが際立つ放送だった。山本ひとりに対し、異常者がふたりになるのがトリオの利点で、数の優位により、異常な世界を成立させてしまう。コントは民主主義だというのが面白かった。今日の「徹子の部屋」も観る。ゲストは東ちづる。「まぜこぜ一座」の活動に興味があったので、この放送は気になったが、その話はあまりしていなかった。金子信雄がゲストの回の映像が少し流れた。

 アマゾンプライムで映画を1本。ウディ・アレンが出演する「ジゴロ・イン・ニューヨーク」を観ようとしたが、もしかしたらと思い、ツイッターで検索してみると、どうやら公開時に観ていた。まったく記憶にないから、観なおしたってかまわないんだけども。その代わりとするにはどうかと思うが、「なにはなくとも全員集合!!」を観た。ドリフ映画の第1作のようだが、このあたりのことは疎くてよくわからない。特に面白いという評判も聞かないので、まあこんなもんかという映画だった。ドリフよりも三木のり平が活躍している。若き志ん朝も登場する。深夜0時過ぎに眠る。

2021年7月1日木曜日

7月1日木曜日/「日本の喜劇人」を読む(10)

◇ ニュース・テレビ・ラジオ

 早朝に目覚めてしまい、何時間眠れたかわからない。寺内タケシの訃報に二日間気がつかなかったことがショックで、それからは、ツイッターでニュースだけは追うようにしているが、しかし、疲れているときはだめで、昨日は夕方からぜんぜんニュースを追いかけていなかった。東京の新規感染者数は 714人になった。

 午前中、タイムフリーで、先週土曜の「田村淳のNewsCLUB」を聴く。ニュース解説は中島岳志。利他についての話が面白い。利他は事後的にわかること、未来にならないとわからないものだという。利他は受け手になった瞬間に発動するものであり、積極的に受け手になることが大切なのではないかという話だった。そのあとのコーナーは、光浦靖子がゲスト。この番組が、留学前の最後のラジオ出演だという。ラジオを聴きながら、楽天マガジンで雑誌のチェックもする。「週刊新潮」に、たけしが映画の権利をめぐり、バンダイを訴えたとの記事があった。記事の最後には、吉川潮のコメントがあった。「週刊文春」のテレビ評はてれびのスキマさんの担当で、「ラヴィット」がお笑いマニアに注目される大喜利番組になっているという。

 録画していたテレビ番組をいくつか。昨夜の「はなつまみ」は、志らく師匠がゲストの特番の延長戦だった。テレビのなかでは、百戦錬磨の太田に比べると自分は未熟だという、志らく師匠が弱さを出していたのがよかった。「全身落語家読本」がもとで、小里ん師匠に殴ってやると言われた一件は、テレビでしゃべっているのは初めて聴いた気がする。その後の結末は知らなかった。「水曜日のダウンタウン」は、鬼越トマホークのネタをマネージャーたちが仕掛けるドッキリの第2弾があった。笑いというよりも、これはドキュメンタリーで、松野明美にこれを仕掛けてしまうのは、マネージャーが認めてのことであれ、失礼極まりないのではという気になる。おぼん・こぼんのときもそうだが、タレントを人間だと思っていないように感じるところがあり、「電波少年」も「お笑いウルトラクイズ」も、後年になるにつれて不愉快な番組になっていったが、不愉快な時点からスタートしているのが「水曜日のダウンタウン」であり、おおむね面白く観ている番組ではあるが、積極的には支持したくないとつねづね思っているのはこういう部分だ。

 タイムフリーで、聴きそびれていた「日曜サンデー」も聴いた。ニュースのコーナーでは、立花隆の訃報があり、太田が立花隆の影響を受けているというのは初めて聴いた。14時台ゲストは、声優から講談師になった一龍齋春水。「宇宙戦艦ヤマト」の話が多くなる。午後は、今日は「大竹まこと ゴールデンラジオ!」を聴いたが、留学する光浦靖子の代わりに誰がレギュラーになるのかと思えば、なんと、小島慶子が登場した。これは面白い人事だ。そういえば、この番組が15周年を迎えたと知ったときに、この時間は、以前はTBSの小島慶子の番組を聴いていたことをちょうど思い出したのだ。そのTBSには、以前はニッポン放送に出ていた土屋礼央が木曜日のこの時間には出ている。「ゴールデンラジオ」の裏番組になる以前には、TBSの「アクセス」で、大竹まことは小島慶子と共演していたのか。しかし、「ゴールデンラジオ」は毎日聴いているわけではなく、水曜の檀蜜と、木曜の光浦の日を好んでよく聴いていたが、小島慶子と光浦とではまるっきり性質は違う。ほかのメンバーとのバランスに、しばらくは慣れないかもしれない。

(★木曜は小島慶子が毎週出演するのかと思っていたが、その後、パートナーは週替わりであることがわかった。)

 15時過ぎから外出し、ヤマトの営業所まで。朝からどしゃぶりだったが、昼には止んだと思って外に出てみると、まだ小雨が降っていた。二俣川に出て、くまざわ書店に寄り、「週刊文春」の立ち読みをする。いつものように、小林信彦の連載だけ立ち読みするのだが、見開きの左側のページまで読んだところで、この連載は今回で終わりと書いてあり、一瞬、意味が飲み込めない。なんと、突然の最終回だ。この感覚をどう捉えたら正確だろうか。なにしろ、ご高齢であることはわかっているから、いつまで読めるかという思いは漠然とはあったが、まったく予想しないかたちで、いきなりそれがやってきた。だから、驚きもするが、それよりもなにか、整理できない感覚に襲われてしまう。小林信彦の最新のコラムはもう読めないということか。それを、この先、どう受け止めていったらいいのか。

 相州蕎麦で、カツカレーを食べる。650円。ドトールに入るつもりでいたが、混雑でやめ、ジョイナステラスの無印良品に寄り、Tシャツを1着買っておいた。ドトールをやめて、Tシャツを買うことになるのも変なのだが。それから、西友のイタリアントマトに入り、読書をした。

◇ 読書

 小林信彦「決定版 日本の喜劇人」の続きを読む。第九章を読んでからだいぶ間が空いてしまったが、第十章は「ふたたび道化の原点へ」と題し、てんぷくトリオ、コント55号、由利徹について書いている。この章は新しい発見もなく、続けて、第十一章も読んだ。十一章はずばり「藤山寛美」と題している。この本のなかで、自分の知識がいちばん追いつかないのが、この松竹新喜劇に関する部分だ。新潮文庫版を初めて読んだときから二十年以上経ってもなお、まるで知識が増えていない。「おちょやん」をなぜ観ておかなかったんだろうと思うが、観ようとしないくらいに、自分の意識のなかには抜けている。

 もう一冊、村上春樹「村上T」を一気に読んだ。2020年刊。村上春樹のエッセイを読むことがひさしぶりだったが、軽くて、とても面白い。笑う箇所もいくつもあった。スーパーヒーローのTシャツを紹介する回では、最近の「バットマン」シリーズについて、「話がリアルというか、やたら暗いですね。最初は「そういうのも新鮮で悪くないか」と思って見ていたんだけど、だんだん疲れてきて、あまり新鮮でもなくなって、「もういいや」みたいになってしまった。」なんて言ってる。巻末のインタビューでは、「この前、京都のブックオフにラモーンズのTシャツがあったので、これはいいやと思って買いましたけど」と言っているのに驚いた。村上春樹もブックオフに行くのか。その直後にインタビュアーが、「村上さんもラモーンズとか聴いたりするんですか?」と訊いていて、どこに食いついてるんだと思った。

 西友で買いものしてから、夜に帰宅する。スマホの画像をドロップボックスに移し始めたら、こまめにやっていなかったから、100点以上も溜まっていて、すごく時間を食った。そのあいだに録画していた「徹子の部屋」を観る。今日は追悼特集で、フィリップ殿下、坂本スミ子、林家こん平の過去の映像が流れた。坂本スミ子が 2016年に出た回は観逃していたが、「夢であいましょう」を歌っていて、黒柳徹子との関係性がとてもよかった。3人まとめてではなく、坂本スミ子単独での追悼回が観たかった。そのほか、「つぶやき英語」や「キョコロヒー」も楽しく観ている。テレビを観たり、ラジオを聴いたりしながら、ごちゃごちゃといろんなことを片づけていたら、気がついたら深夜2時を過ぎていた。なんという一日の短さだ。Spotify のニューリリースから、ACOのライブ盤を聴いてみたら、歌声が昔とぜんぜん違うのでびっくりする。なにか健康上の理由だろうかと思うほどの変化だったが、検索してもわからなかった。深夜3時頃に眠る。

2021年6月22日火曜日

6月22日火曜日/「日本の喜劇人」を読む(9)

◇ ラジオ・雑誌

 朝、「伊集院光とらじおと」を途中からつけると、稲川淳二がゲストだった。ライブの魅力を温泉に例えていたのは見事で、まったくそのとおり、温泉は浸からなければ意味がない。タイムフリーで、昨日月曜の「ビバリー昼ズ」も聴く。アキラ100% がゲスト。月曜のエンディングの恒例、高田先生が平野ノラの子どもの成長を訊くくだりが毎度面白い。

 楽天マガジンで雑誌のチェックも。「サンデー毎日」で、小林亜星の追悼文を岡崎武志さんが書いていた。2015年に「寺内貫太郎一家」出演者の座談会の司会をやっているのだ。ほんの6年前だが、2018年にはもう、出席者のうち、3名は故人になってしまった。「SPA!」の渋谷直角の連載マンガは、「週刊朝日」の松本人志の連載について描いている。一応、フィクションの体裁をとっていて、どこまでが実話かわからないが、同い年の渋谷直角の当時の実感はディテールまでじつに正確だと思う。たけしと松本の比較がよく議論されていたといい、この主人公はたけし派の発言にいらだち、上の世代にたけし派が多かったと書いているが、自分はまさに、渋谷直角と同い年だが、完全にたけし派だった。結果的には、たけしのバイク事故があったことで、その勝敗はうやむやになったような感じがある。「SPA!」では玉川太福の連載コラムも始まった。

 午後、ヤマトの営業所まで。二俣川に出て、くまざわ書店に寄っていく。「昭和50年男」の最新号の表紙は、なんと、コーネリアス「ファンタズマ」のデザインをそのまま使っている。アマゾンで検索すると、バックナンバーには高値がついているものもあり、これは値上がり確実ではないか。食欲なく、ドトールに入り、アイスコーヒーと一緒にクイニーアマンだけ食べておく。

◇ 読書

 小林信彦「決定版 日本の喜劇人」の続きを読む。第九章は「大阪の影」。冒頭に、1963年に、大阪を主にした漫才史の番組の台本の依頼がNHKからあり、ほかに適任者がいるのではと念を押したが、NHKのちからを利用して、関西の芸能の歴史を調べるのもいくらかは意味のあることかと考えたということが書かれている。「東京では漫才は傍系の芸能であるが、大阪では、主流であり、(略)漫才史と芸能史は重なり合う部分が多い。」とあり、そもそも、漫才が傍系だったということが、漫才ブームのあとの時代しか知らないわれわれの世代には、注意深く読まないと気がつきにくいように思う。そして、この章ではなんといっても、澤田隆治について多く書かれている。一見、辛辣な書きかたにも見えるが、友人とも書いてあり、澤田が書いていたことに後年感動したとも書いている。大阪の芸能界の〈煮つまっている〉人間関係を「ここでは〈批判的でありながらも友人〉といった関係は成立しない。」と書いているが、まさに、澤田とは〈批判的でありながらも友人〉だったのだろう。

◇ テレビ・音楽

 ドトールは冷房がきつく、あまり居心地がよくなかった。西友、クリエイトに寄り、買いものして、夜に帰宅する。録画していた「さんま御殿」を観る。家族特集だが、土佐兄弟だけはただの家族ではないから、この特集のなかでは邪魔だった。平野レミ(義娘と出演)の発言をきっかけに、さんまがお笑い陣にボケをふっていく流れがあったが、平野レミに向かって「余計なことしてくれたな」とは、ツッコミとしてもあんまりな言葉だ。土曜の「お笑い向上委員会」も観る。おいでやすこが、もう中学生が活躍し、こがけんがネタをやろうとしているのに、音曲漫才の師匠たちの話になってしまうという流れに爆笑した。ザ・ダッシュ、東洋朝日丸・日出丸という名が出て、ザ・ダッシュがわからなくて検索したが、松本が「ごっつ」のコントのなかで歌っていたのがザ・ダッシュのテーマ曲なのだ。それで思い出したが、たしか、「ごっつ」にはご本人が出演した回もあった気がする。このあたりのベテランの名前はさすがに、出演者のなかでも、さんま、今田、中川家しか反応しない。

 ラジオを聴こうとすると、パソコンのラジコの地域判定がまた狂っている。なぜか北海道になっているが、スマホで聴くのもわずらわしく、北海道でも放送されている「桑田佳祐のやさしい夜遊び」を聴いた。Spotify のニューリリースから、上白石萌音のカバーアルバムを聴いてみる。あんまり興味が湧かない女優だが、「ミュージック・マガジン」の表紙になっていて、注目のアルバムなのだろうか。まりんのポッドキャストでも語られていたが、配信は演奏者がわからないのがつまらない。カバーアルバムで、作詞作曲者だけわかってもしょうがないんじゃないか。深夜2時前に眠る。

2021年6月17日木曜日

6月17日木曜日/「日本の喜劇人」を読む(8)

◇ テレビ・ラジオ・読書・映画

 水曜の夜はどういうわけか面白いバラエティ番組が集中するようになり、その録画を観る木曜が忙しくなる。まず、「水曜日のダウンタウン」。夫婦コンビに離婚か解散かの選択を迫るドッキリに、かりすま~ず、チャイム、ウェンズデイズが出演した。若手はともかく、ベテランの2組、現実に仕事がない状況でのこのドッキリは真に迫っていた。どのコンビも解散よりも夫婦をとった。昼はラジオ。「ビバリー昼ズ」を聴くと、オープニングでは、清水ミチコとナイツが「水曜日のダウンタウン」の話をする。これがあるから、「ビバリー」を聴く前に「水曜日」は観ておかなければと思うのだ。それから別の話題に移ろうとしていたが、途中で飯田浩司アナが入ってきて、辛坊治郎が太平洋横断に成功したとかいうのでわざわざ中継が入った。よりによって、「ビバリー」に辛坊治郎というのがそぐわない。たしかにすごいことには違いないが、辛坊治郎の興奮と、スタジオの清水ミチコとナイツのテンションがまるで釣り合っていなかった。これだけかと思いきや、12時台にもまた改めて中継を入れるのでうんざりする。まったく興味がないと思いながら聴いていたが、ひとりでいるほうが孤独を感じないというのはそのとおりだろうとは思った。

 午後、ラジオは中断し、録画していた今日の「徹子の部屋」を観る。こちらもちょうど、清水ミチコがゲストなのだ。33歳の娘が結婚したという話にはちょっと驚いた。娘が33歳でも不思議はないのだけど、「ビバリー」を毎週聴いていても、そういえば、私生活の話はぜんぜんしない。33年前、妊娠中に「徹子の部屋」に出演した映像も流れた。室井佑月のものまねはテレビ初披露だろうか。育ての母の話もよかった。

 夕方、駅前の郵便局まで。昼間は激しく雨が降っていたが、すっかり止んだ。今日は涼しい。レターパックをひとつ出し、コンビニに寄り、「週刊文春」を立ち読みしていく。小林信彦の連載は、今週も、シネマヴェーラの上映作品について解説を加えている。たしかに、セレクトした理由のわからないものもある。渥美清のドラマ作品2作のうち、片方は、小林信彦は観ていないのだという。

 帰宅し、聴きそびれていた月曜の「ズーム」をタイムフリーで聴いた。この番組、2時間半もあったっけと思ったが、今週は延長版のようだ。橋下徹がゲストで、オープニングから出ずっぱり。志らく師匠はもともと、水道橋博士との一件もあって、橋下徹のことが嫌いだったというが、「ひるおび」で政治についてコメントするようになり、橋下徹のツイートになるほどと思うようになっていったという。志らく師匠は良くも悪くもこういうひとで、なるほどと思うほうにあっさりと改めてしまう。ツイッターをあまり見なくなったので、橋下徹が百田尚樹と対立しているということも知らなかったが、しかし、タイムラインだけを見ていても、そんなツイートは流れてこないかもしれない。タイムラインだけを見ていると、もっと単純な図式でしか語られていない話が多い。

 部屋で読書もする。小林信彦「決定版 日本の喜劇人」の続き、第八章は渥美清と小沢昭一について。「上昇志向と下降志向」と題されたこの章は、新潮文庫版で、ことあるごとに読みなおしている。小沢昭一の人生が個人的にことさら気になるからだが、小沢昭一の「それはそれとして」という論理展開に小林信彦がこだわっているところは何度読んでも可笑しい。そして、このふたりとともに、この章ではジェリー藤尾にも触れられている。なべおさみとは違って、ジェリー藤尾の評価は「決定版」にもきちんと残された。

 アマゾンプライムで映画を1本。「日本の喜劇人」に書かれていた「フランキー・ブーちゃんのあゝ軍艦旗」が、ちょうどアマゾンプライムにある。1時間11分と短いので、さっそく観てしまった。ほんと、書かれていたとおり、小沢昭一が出てくると笑ってしまう。大泉晃も可笑しい。さすがにこの古さでは手放しで楽しめるとは思わずに観ていたが、思いがけず、声を出して笑う場面もあった。フランキー堺が目をまわす場面に、アニメで星を入れているのにはちょっと驚いた。ほかにも特撮らしき場面が多々あり、たぶん、当時としては新しい技術をかなり使っている。新しいセンスの映画だったのかもしれない。

 夜もテレビ。録画していた昨夜の「お笑い実力刃」を観る。今回はナイツの特集で、これも本当は、ラジオよりも先に観ておくべきだった。漫才の定番ネタを3本、初披露の大事MANブラザーズバンドのネタがすこぶるくだらない。それからコントがあり、「捜査一課長」のパロディだが、ここになんと、中津川弦さんも出演する。これを楽しみにしていたのだが、ちょっと出るだけではなく、たくさんセリフがある役だ。負担のすさまじさを想像してしまうが、堂々たる活躍だ。なんだかいつもと雰囲気が違ったが、たぶん、テレビに出るから床屋に行ったのかもしれない。劇団ひとりが「ラジオショー」出演時に土屋の演技が上手いと言っていたが、このコントを観ると、それもうなずける。この番組、次週は中川家。充実のラインナップだ。深夜2時過ぎに眠る。

2021年6月15日火曜日

6月15日火曜日/「日本の喜劇人」を読む(7)

◇ テレビ・ラジオ

 今朝は涼しく、気持ちよく眠れた。午前中に、録画していた昨夜の「さまぁ~ず論」を観た。ゲストは見取り図、今週は後編。三村に、MCのパンサー向井が、生き残っていかなきゃみたいな時期はあったのかと訊くと、三村は「本当のこというと、生き残っていかなきゃっていうギリの、底辺の話じゃなくて、天下獲ろうっていう上の話だからね。」と答えた。うっかりすると忘れてしまうが、バカルディの時代はたしかにそうで、ダウンタウン、ウンナンに続く存在として、ホンジャマカ、バカルディが期待されていた時代の空気があった。しかし、三村は「天下を獲れてないのよ。」と。「とんねるずさん、ダウンタウンさんとかとはちょっと違うなって、ひそかに思ってますよ。」 大竹「三村さん曰く、お笑いの歴史のね、いずれ年表みたいのが出たとしたら、俺らは載らないだろうっていうの。」  三村「そんな細かい年表なんかないから。」「こっから年表に載るにはって考えると、ピークはこの先にないと載れないのよ。」

 タイムフリーで聴いた昨日月曜の「ナイツ ザ・ラジオショー」は、劇団ひとりがゲスト。「元気が出るテレビ」の「お笑い甲子園」でのデビューから、「本能のハイキック」「リチャードホール」「ゴッドタン」と、こうして話を聴いていくと、目立ったブレイクがあったわけではなく、数珠つなぎに仕事が仕事を呼び寄せていったという感じがある。「陰日向に咲く」も、幻冬舎の編集者がライブを見て、流行りのネタ本を提案されたが、書いてみたら小説っぽかったからというので、小説の企画に切り換えたという。この切り換えも見事だ。小説が監督業につながっていくわけだが、後半は土屋も出演する「浅草キッド」の話になり、聴けば聴くほど、これは観たくなる。


◇ 読書・テレビ・ラジオ

 午後、ヤマトの営業所まで。二俣川に出て、相州そばに寄り、特製肉つけ麺を食べた。780円。西友のイタリアントマトに入り、読書をしていく。小林信彦「決定版 日本の喜劇人」の続きを、暇ができた日に一章ずつ読み進めている。第七章はクレイジー・キャッツ(この本ではこの表記)。80年代以降の植木等、「スーダラ伝説」の再ブレイクについても書き足されていて、これは新潮文庫版と見比べなければならない。帰宅してから見比べてみると、なべおさみについての箇所が「決定版」ではごっそりカットされているのだ。「決定版」では、なべおさみは索引に名前すらない。

 録画していた今日の「徹子の部屋」は、小林亜星追悼になっていた。これを観るまで気がつかなかったが、「この木なんの木」は作詞が伊藤アキラなのだ。この曲は、作詞家、作曲家を、立て続けに亡くしてしまった。日曜の「笑点」を観ると、演芸コーナーに球児好児が出ていた。「ゲロゲーロ」のネタは、球児師匠がひっくり返る箇所があるが(もちろん、ひっくりカエルのシャレ)、球児師匠はもうひっくり返れない。代わりに、好児師匠がひっくり返るように変えられていて、好児師匠はお元気だ。

 タイムフリーで聴いた昨日月曜の「伊集院光とらじおと」は、林真理子がゲスト。「小説8050」という新刊が話題の中心になるが、伊集院にここまで熱っぽく語られると興味も湧く。それから、林真理子は雑誌の連載コラムなんかでも最近はずいぶん直されると言い、コンプライアンスの話にもなった。今朝の「らじおと」も、オープニングはあまり聴かないのだが、珍しく聴いてみたら、今朝は小林亜星追悼から始まっていた。今日のゲストは予告どおり、円楽が登場する。昨日の放送後に収録したもので、45分たっぷり放送した。二人会の話が中心だが、密度の濃い落語論が語られていた。伊集院が談志師匠のエピソードを話していたが、しかし、これは話が不正確だと思う。聴きながら、楽天マガジンで雑誌のチェックもする。「FLASH」の巻末の「寄港めし」というページに伯山が登場していた。浅草の蕎麦屋を紹介しながらインタビューに答え、こちらでも談志師匠の話をしている。

 続けて、昨夜の「深夜の馬鹿力」も聴く。当然、二人会の話を期待してだが、なんと、つい先週に、にぎわい座の円楽の会にまた出ていたと知り、これは悔しくてたまらない。ツイッターで検索してみても、伊集院ファンでもこれはさすがにノーチェックだろう。しかし、「タイタンシネマライブ」と同じ日だったから、一か八かで観に行くということはなかったとは思うが、それにしても、にぎわい座に毎月通っていた時期もあるのだから、そのモチベーションがあれば、二度の出演のどちらかは観ていておかしくない。思うように落語会に行けないというのはつまらないものだ。二人会の話はたっぷりと、1時間45分過ぎにようやくコーナーに入ったが、エンディングにまた二人会の話に戻った。円楽の二席について、「一文笛」という噺を初めて聴いた驚きを、筋を説明しながらえんえんと語っていたが、ほかの部分でも、落語ファンなら知っているようなことに対しても、素朴な驚きをもって語っているというところが多々あり、考えてみると、十代で落語家になり、その後に離れたという距離感は独特だ。落語ファンの段階がなく、いきなり落語家として落語とつきあい、しかし、落語家の感覚にも伊集院はなりきらなかった。

 深夜1時からは「爆笑問題カーボーイ」をつける。ぼんやり聴いていたら、いつから二人会の話になったのかわからず、いい加減なもので、じきに眠ってしまった。

2021年6月10日木曜日

6月10日木曜日/「日本の喜劇人」を読む(6)

◇ テレビ・雑誌

 少し読書して、早朝5時頃から3時間ほど眠った。午前中にブログの更新をひとつ。録画していた昨夜の「あちこちオードリー」を観る。今週は、パンサー向井プレゼンツ「反省ノートSP」という特別編で、アルコ&ピース平子、3時のヒロイン福田、吉住が出演した。これは想像以上に面白い回。通常の「反省ノート」のコーナーもあり、ギース尾関の小6の娘が反抗期だというが、たしか、娘のことを書いた本も出していたのに、これは切ない。続けて、「はなつまみ」を観ると、こちらはゲストMCにナイツ土屋が登場した。ラジオリスナーにはおなじみの、土屋のお年玉の一件をついにテレビでも扱い、ラジオでは、もういいよと思っていた話題だが、テレビで改めてやり合うのは新鮮で笑った。それから、普段の土屋が気づかれないという話題に続き、「問わず語りの神田伯山」「ナイツ ザ・ラジオショー」「ビバリー昼ズ」「爆笑問題カーボーイ」と、すべて連動していて、全体でひとつの大きな番組のようだ。この番組、月末の特番にはなんと、志らく師匠が出演だと。伯山が仕掛ける不毛なケンカを「はなつまみ」がうまく回収してくれる。

 テレビを観ながら、楽天マガジンで週刊誌のチェックもする。「週刊新潮」によると、羽生善治がナベプロ系のトップコートの所属になったという。杏と畠田理恵が親しいそうで、なるほど、「聖の青春」で東出昌大が羽生を演じた縁もあるのか。そのほか、横浜市長選に渡辺真理が出馬かとの記事があり、本人に取材すると否定していて、自民が候補者選びに苦戦しているという表れかという内容だった。

 夕方、ヤマトの営業所まで。途中、そうてつローゼンに寄り、今季初めて、アイスチョコモナカを買って食べる。二俣川に出て、くまざわ書店に寄り、「週刊文春」を立ち読みしていく。小林信彦の連載は、シネマヴェーラの特集上映にもからめ、B級映画について。エノケンと三木のり平、それぞれの「孫悟空」について書かれていて、三木のり平にはかなり辛辣だ。西友のイタリアントマトに入り、読書をする。滞在時間、2時間ほど。

◇ 読書

 柳家小三治の自伝、「どこからお話ししましょうか」を読み終えた。談志ファンとしては、小三治の談志評がとりわけ面白い。「あの人はいつも他人がいると、かっこつけたがる人でした。」「あの人は世間を気にして生きてる人でしたからねえ。」「とっても手柄を大事にしてたし、国会議員になりたい、議員になればえらいっていう、そういう庶民感覚でしたから」と、同門のすぐ上の兄弟子だったからこその言いかたで、いっぽう、志ん朝はそういう部分がなく、小三治も志ん朝も世間体を気にしなかったから気が合ったという。しかし、談志とは「おんなじ柳家に育って、どういう芸を目指すのを良しとするか、どういう芸が良くて、どういう芸はみっともないのかとか、そういうことについては、いつのまにか意見は合うようになってたんだろうと思います。」「そういう点では、談志さんとは世間では合わないように思ってるかもしれないけど、合ってはいましたね。」とも語っている。別のページでは、小三治がまだ前座のころ、談志が若いものを集めて、「新しい時代が匂わないような言葉を使ってやれ」というようなことを言っていて、いいなあと思ったということも語られている。小三治の育った環境をこの本で改めて追いかけていくと、そこからはやはり、談志とは合わないだろうという感じがあり、特に、母親に抱いている複雑な感情は、この本を読むまでは知らなかった。そして、落語に出会ったのが中学三年だというのも、意外と遅いと思い、驚いた。

 夜に帰宅し、帰宅後も読書をする。「決定版 日本の喜劇人」の続きを読み進めているが、第六章は「醒めた道化師の世界」と題し、宍戸錠と小林旭について書かれている。この章はこの本のなかで、小林信彦独自の視点がもっとも現れている章といっていい。宍戸錠と小林旭を喜劇人として捉え、現在は大泉洋を喜劇人として評価する。喜劇人という肩書きが存在するわけではなく、喜劇を演じる俳優が喜劇人なのだ。

 アマゾンプライムで映画を1本。小林旭主演の「東京の暴れん坊」を観た。今日読んだ「週刊文春」で、小林信彦がちょうどこの映画について書いていて、観るなら今日だと思った。小林信彦が書くとおり、これはたしかに可笑しく、特に序盤はずっと面白かった。観たうえで、「週刊文春」をもう一度立ち読みしなおしたい。深夜2時半過ぎに眠る。

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1月20日木曜日/「G-1グランプリ」

◇ 赤坂  早朝に目覚め、Netflix で「全裸監督」の続きを観てから眠りなおすが、からだが痛くて、なかなか起きあがれない。ツイッターからニュースを見ると、オードリー春日、ナイツ塙もコロナ感染と。録画していた昨夜の「水曜日のダウンタウン」を観て、それから、出かけるまで、「伊集...