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2021年2月23日火曜日

2月23日火曜日/北野武「不良」

◇ 余裕なし

 早朝に目覚め、テレビを観ようとするが億劫になる。レコーダーの録画残量を確認するのみ。この日記を書く気力もなく、書けないことがストレスになっていく。いったいなんのために書いている日記なのか。おおもとは金の余裕がぜんぜん作れないことが原因で、金の余裕がなければ時間の余裕も作れず、気力体力も残らない。しばらくぼんやりする時間が欲しくなってしまった。音楽でも聴きながらぼんやりしようとするが、しかし、そうしているだけで明日に突入するのではますます面白くない。

 午後、ラジオを聴こうとするが、「ザ・ラジオショー」は祝日の特番のためにお休み。夕方、ヤマトの営業所まで。二俣川に出て、ジョイナステラスのくまざわ書店に寄り、松本人志が表紙の「週刊朝日」を買う。金の余裕がないとか言いつつ、こういうものは買っておくのだ。いや、金の余裕がないからこそ、節約することが不愉快でならない。部屋の蛍光灯が切れてしまい、西友の2階のビックカメラにも寄り、蛍光灯も買っていく。これは買わないわけにはいかない。

 イタリアントマトで、1時間半ほど読書をしていく。まずは「週刊朝日」。創刊99周年の特集として、5名のインタビューが載っている。松本人志、黒柳徹子、美輪明宏、小沢一郎、三浦雄一郎という5名だが、この人選はよくわからない。松本以外は高齢なのが理由になるのかもしれないが、松本はかつて「週刊朝日」にコラムを連載していた。大学生のころに読んでいたその連載は、のちに「遺書」という本になり、大ベストセラーとなった。その当時の連載担当編集者によるインタビューとあれば、これは記念に買っておいてもいいと思った。週刊誌はあとで古本で買おうと思ってもなかなか難しい。インタビューはおもに当時の連載をふり返るものだったが、松本が自身のことを「サブカルチャーの人」と考えているところに興味をもつ。「そんな人がなぜずっとテレビでやってこれたんか、不思議なんです。それに対する後ろめたさみたいなものがあって」と語っている。

 北野武「不良」も読む。イタリアントマトでは読み終わらず、深夜に自部屋で続きを読み、読み終えた。この小説は「小説すばる」(2020年2月号)掲載時に一度読んでいるが、この結末にはまたぞわっとする。雑誌掲載時には自転車をふたり乗りする少年たちのイラストがあり、どうしても「キッズ・リターン」を思い浮かべるが、この単行本でもやっぱり、自転車をふたり乗りする少年たちの写真が表紙になっている。しかし、この小説にはボクシングは出てこない。ヤクザの物語なのだが、登場人物たちを徹底的に突き放している。青春の甘さはなく、語り口は乾いていて、死の扱いもあっさりとしている。北野映画のファンとしては、北野映画からは失われてしまった語り口にぞくぞくさせられる。併録作の「3-4x7月」は書き下ろしだが、これも北野映画を知るものにはたまらない。ここ数年、たけしがすさまじいペースで小説を書きまくっていることには驚かされるが、そのあいだにも事務所のごたごたがあり、映画製作に関してはあまり希望的なことは考えられなくなってきた。それを思うと、もしかすると、案外、長生きすれば、晩年は小説家として正当な評価を得るのではという気もしている。稀代のしゃべり手だった人物は、思うようにしゃべれなくなったとしても、小説で語りまくるのではないか。

  蛍光灯をとりかえたら、びっくりするほど、部屋が明るくなるものだ。古本の登録の作業をするのでも、本の汚れがよく見えるようになった。いつのころからか、自宅で読書をする習慣がなくなっているのだが、そもそもは部屋の薄暗さに問題があったのかもしれない。明るさにびっくりするくらい、この部屋はずっと薄暗かった。

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