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2022年9月27日火曜日

9月27日火曜日/国葬の日〈前〉

◇ 国葬

 深夜に目覚めてしまい、早朝からもう少し眠りなおす。午前中から都内に。渋谷から半蔵門線に乗り、半蔵門駅で降りると、ホームからもう、花をもったひとのすがたが多く見られた。今日は国葬ということで、めったにあることではないから、どんなものかと思い、ほかに用もないのにわざわざ半蔵門までやってきた。安倍元総理の国葬が日本武道館にて行われるというのは報道のとおりだが、興味があるのは、当日の周辺の様子だ。事前に調べてみると、武道館の国葬は 14時からだが、一般献花もあり、10時から16時までと予定されている。一般献花の献花台は九段坂公園に設置され、普通ならば九段下駅が近いのだが、献花の列は、内堀通り墓苑入り口から千鳥ヶ淵緑道に並ばせるため、最寄り駅には半蔵門が案内されていた。半蔵門駅には、12時半頃に到着した。駅のトイレも混んでいる。半蔵門駅の南側の改札を出て、新宿通りに出ようとするとそちらの出口は混雑していたから、その奥の国立劇場に向かう出口から地上に出てみると、外にはすでに行列があり、千鳥ヶ淵からこんなところまで列が延びてるんだと思ったのだが、じつはそれどころじゃなかったのだ。

 最後尾がどこにあるのかもわからず、行列の向きもなんか変だなとは思ったのだが、地下で混雑していた出口、つまり、新宿通り側にある出口にまわってみると、こちらには警官が多くいる。どうやら、地下鉄を降りたひとたちは、こちらの出口に進むと、自動的に行列に並ぶようになっていたようだが、地下からはそんなことはわからなかった。ここから出ると、まず、山下書店の前を麹町方面に進ませている。そして、ふたつ先の角をぐるっと折り返し、また半蔵門側に戻らせていた。並んでいるひとたちは気がついていたかどうか、その折り返しの建物は、ちょうど、れいわ新選組の本部があるビルだった。





 行列は、東京FM通りから、最初の出口に戻り、交差点から新宿通りをまた改めて麹町方面に進ませている。新宿通りの向かい側を見ると、向こうにも行列があり、どこかで折り返しているのだということはわかる。自分は献花をするわけではないが、この行列の行方は突きとめてみたくなった。麹町駅のあたりで折り返しているのかなと思いながら進んでいくと、麹町ではまだ折り返していない。麹町でも遠いと思ったが、いったい、どこまで続いているのか。そろそろ折り返すかなと思いながら進むものの、まるで折り返す気配がない。行列もこれだけ長いと、途中、横断歩道もあり、信号待ちのたびに列は途切れることになり、行列のかたちをなさなくなっていく。ただ歩いているひとが多いというような状態で、自分も、行列をたどっているだけのひとなのに、行列の一員と区別はされないだろう。なんにせよ、新宿通りの向かい側に行列が見えているかぎりは、こちらの行列も続いているに違いないから、それを頼りに進んでいくしかないのだが、ひどいのは、列を誘導をする人間は誰もいないのだ。行列はついに四ツ谷までたどりついてしまい、半蔵門から並び、まさか四ツ谷まで歩かされるとは思わなかったが、上智大学の前までくると、「待機列最後尾」というプラカードをもった人間が立っている。





 ここを最後尾と案内しているのはいったいどういうわけなのか。すると、四ツ谷駅からやってきて、ここから並び始めてしまうひともいるのではと思うが、半蔵門からわざわざ歩かされてきたひとたちはたまったもんじゃないだろう。献花するひとたちには高齢者も多いのに、ちょっとそれはないんじゃないか。案内する人間のあいだで、情報は共有されているんだろうか。

 行列は四ツ谷駅の前を通り、アトレの前で横断歩道を渡り、ようやく新宿通りの反対側に移った。四ツ谷駅の先の交差点では道路を封鎖していて、警官の人数も多い。どこの警備を強化するというのもよくわからないのだが、ここはかなり強力で、愛知県警の制服を着た警官がずらりと並んでいた。報道のカメラのすがたもある。もうひとつ、妙なのは、土手沿いに、どうやら市ヶ谷のほうからも列が延びていて、四ツ谷からいい加減に合流してしまっているようなのだが、いったい、この行列の情報は世間にはどうアナウンスされているのか。












 支流まで追いかけているわけにはいかず、本流のみをたどっていくが、新宿通りを四ツ谷から半蔵門まで戻る際にも案内らしきものはなにもなく、この列だけを頼りにくっついていくしかない。有料のイベントだったら暴動が起きそうなひどさだが、ことの性質上か、みなさん、誰も文句を言っているような様子はない。半蔵門に戻ってから先も列の流れは複雑で、まずは、交差点から一番町のほうに坂道を下っていく。ややこしいのはこちらにも地下鉄の出口はあるので、こちらから降りたひとたちが、これから最後尾を見つけ出す苦労を考えると気の毒になる。一番町側の出口では、「顕正新聞」というのを配ってるひとがいて、せっかくだから一部もらった。

 一番町の交差点から千鳥ヶ淵方面に列は延びるが、道路の反対側にはまた折り返している列があり、すんなりとは行かせてもらえない。列はこの一角をぐるっとまわり、ローソンの脇で折り返し、また逆方向にもう一周。いかにも場当たり的に列を延ばしていったような感じがする。店の前を列でふさがれている珈琲館では、コーヒーの店頭販売を始めていた。並ぶひとたちも、まさかこんなに並ばされることになるとは思わなかっただろうから、どれだけその準備があったものか。列を抜けずに飲みものを買えるのは助かるだろう。自分は並んでないから気楽なもので、スギ薬局に寄り、クリーム玄米ブランを買い、軽く食べておいた。ここでなにやら大きな音が聴こえ、びっくりするが、それが数発続く。空砲かと思ったが、花火の音だとあとでわかった。14時になり、武道館での国葬が始まったようだ。











(後編に続く)

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