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2022年6月24日金曜日

6月24日金曜日/エル・カブキ

◇ 大手町・代々木・新宿

 今日も朝から外出。まず、最寄り駅でパスモの交換をしてもらった。若い駅員さん、びっしり書き込んである手帳を広げ、それを見ながら対応してくれる。めったにない業務なのだろう。しかし、交換はあっさりとやってもらえた。チャージ残量ももちろんそのまま。

 東横線に乗り、都内に出るが、混んでいてずっと座れない。移動で疲れてしまうのがいちばんいやだ。座れないときは読書はできず、ラジオを聴くことにするが、聴きそびれいていた先週土曜の「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」のオープニングを聴いてみると、富澤が犯人役で出演したドラマの話をずっとしていたのだが、最後に、元あばれヌンチャクの竹内の訃報に触れていた。

 まず、半蔵門に出て、それから、大手町に移動する。昼食にしようと、大手町ビルヂングの地下に入り、bamboo という店で、ランチメニューのガパオライスを食べた。850円。


 午後は代々木に移動する。ブックオフに寄り、110円の文庫本を2冊買う。代々木から新宿に向かって歩いていくと、ビル風が強く、髪がぼさぼさになった。南口のベローチェに入り、ひと休み。スマホの充電をしながら、タイムフリーで、今日の「ビバリー昼ズ」を聴いた。高田先生、明日が74歳の誕生日。一昨日の「ザ・東京漫才」の話にもなり、楽屋にいたはたけんじのことを話題にする。三波春夫のセリフとして知られる「お客様は神様です」は、じつは、はたけんじのネタだというのも高田先生の話で知ったのかもしれないが、それが談志師匠のアイデアだというのは新たに知ることだった。そして、白塗りをきれいに塗らずに面白く塗るという、内海好江師匠のアドバイスも活かされているのだという。

 ツイッターから、小田嶋隆の訃報を知った。65歳。著書は何冊か読んでいるし、「たまむすび」もある時期までは聴いていたが、ここ数年はツイッターでのふるまいを目にしていて、本当に大嫌いになった。

 水道橋博士の動向が気になっていて、れいわ新撰組の街宣活動のスケジュールをツイッターから確認しておいたのだが、今日、ちょうど新宿に用があるときに、南口でイベント(?)があり、うまい具合に寄っていける。金曜は「Friday Night ライブ」と題したイベントをやるようだ。17時開始だが、最初からは観なくてもいいかと思い、少し遅く、18時前に到着すると、よだかれんが演説をしていた。よだかれんの演説はすぐに終わり、そのあとに登場したのは、なんと、佐藤タイジだ。現在の佐藤タイジがどんな音楽活動をしているのかはまるで知らず、名乗るまで佐藤タイジだとわからなかったくらいだが、どんな思想信条のひとかも知らなかった。言っている内容はなんだか拙くもあったが、清志郎の「スローバラード」なども含め、何曲か演奏し、歌ってみせると、さすがの迫力だ。ギター1本の演奏だが、観ていると、ギターを弾いてないのに音が鳴っているときもあり、生演奏してるのかなと一瞬思ったが、演奏した音をその場でサンプリングし、ループさせながら、そこにまた生演奏を重ねている。しかし、あとの予定があるため、18時40分には離脱しなければならなかった。水道橋博士のすがたも見えていたが、佐藤タイジのライブを観ただけで時間切れ。







◇ ライブ

 新宿の東口に移動し、西武新宿駅の前にある新宿バティオスという劇場で、エル・カブキの単独ライブ「燃えよカミハン」を観る。この劇場はおそらく初めて入るはずだ。19時開演、5分前に到着し、TIGET のチケットの画面を見せて入場する。前のほうに空席を見つけることができたが、狭い会場はほぼ満席だった。なかなか都合が合わないもので、エル・カブキの単独ライブはけっこうひさしぶりになってしまったが、先日の「G-1グランプリ」で観て、改めて、追う価値のある存在だと思うようになった。出演者はエル・カブキのふたりのみ、漫才をただひたすらノンストップで見せるというシンプルな構成で、上半期をふり返る時事漫才なのだが、中身はかなりドキュメンタリーだ。暴露的な内容も多く、それだけがエル・カブキの面白さではないが、そのスタンスは大きな魅力になっている。配信もあるのに大丈夫かと思うが、会場では「パワーハラスメント」と書かれたTシャツも販売していた。2時間弱で終演。


 歌舞伎町を横切り、靖国通りのブックオフまでわざわざ足を延ばすが、しかし、買うものはぜんぜんなかった。110円の文庫本を1冊だけ、アプリのクーポンを使い、10円で買っていく。新宿三丁目駅から副都心線に乗り、東横線直通で横浜まで戻ってくる。深夜0時前に帰宅し、録画していたテレビ番組を少し観て、1時前には眠る。

2021年10月20日水曜日

10月20日水曜日/初めてのワクチン

◇ ツイッター

 朝、「伊集院光とらじおと」のゲストがちばてつやだったので聴いていた。ツイッターを見ると、晶文社が小田嶋隆のコラムに対して反論を出したことを知った。綿野恵太の「みんな政治でバカになる」に対し、小田嶋がしつこく批判していることは小谷野敦のツイートで知ったが、コラムにまで書いていることは知らなかった。綿野恵太の本を読んでもいないのに小田嶋のコラムを読みたくはないが、小田嶋隆はもうずいぶん前から品性下劣で嫌いだ。小田嶋隆はツイッターでバカになった。

◇ ワクチン

 午前中から外出。ワクチン接種のため、みなとみらいまで。ぼやぼやしていたらずいぶん遅くなってしまい、新規感染者数がすっかり減ってからようやく打ちに行くというのも間が抜けている。10日以上、電車に乗っていなかったから、どうもふわふわしていて落ち着かない。この時間はもう、どうやら電車は混んでいるようだ。疲れてしまうから、二俣川で各停に乗り換え、横浜まで座っていった。せっかくだから、大規模接種会場を見ておくのがいいだろうと思い、ハンマーヘッドで予約したが、桜木町からシャトルバスも出ているが、横浜駅から歩いていくつもりで、だいぶ早めに出発した。東口から、日産ギャラリーを抜け、みなとみらいに出る。シャツを重ね着し、パーカーを着てきたが、やけに暖かい。


 新高島から、パシフィコ方面に歩き、まいばすけっとに寄り、炭酸飲料とフレンチクルーラーを買い、すぐに食べた。パシフィコの脇から、インターコンチネンタルホテルの裏にまわり、海のほうに出る。平日の昼間だが、遊びにきているひとたちがけっこう多い。散歩をするひと、海を見るひと、釣りをするひと、ジョギングをするひと。地図を見ると、ぷかりさん橋の先に、女神橋というのがあり、海沿いを歩いたことがなかったから、こっちを通ってみたくなった。歩いたことがないのは、それもそのはずで、通ってみると、橋には「令和3年竣工」と書いてあった。万葉俱楽部、カップヌードルミュージアムの裏側には公園があり、キャンプ場のようになっていて、家族連れなんかも多い。ここまでくると、ハンマーヘッドはすぐ目の前だ。何年か前のヨコハマトリエンナーレではたしかここが会場になっていて、そのときに訪れた記憶があったが、風景がぜんぜん違ってしまい、記憶に自信がなくなった。そのときに、なにかで時間をもてあましたのか、こちらの公園のほうに寄ったのではなかったか。海に面したところに座り、少しのんびりしたような記憶があるが、その記憶では、このあたりは日が陰っていて、ひっそりとしていた。今は明るく、ずいぶんにぎやかだ。









 ハンマーヘッドにたどりつくと、おもてに「大規模接種会場」という看板が出ている。13時で予約をしていたが、15分前には着いた。ゆるゆると歩いてきたら、ちょうどいい時間になった。建物はまるっきり商業施設で平常時はどうなっているのかわからないが、その奥に接種会場はあった。入り口で写真を撮ろうとしたら、注意された。13時にはまだなっていなかったが、待たずに通され、案内のスタッフがそこらじゅうに立ち、経路を進んでいくたびに、流れ作業式にすかさず案内される。記憶がたしかならば、まず、受付があり、身分証の確認があった。予診票に記入をしていなかったので、つぎに進むと、記入する席が用意されていて、そこで記入をした。つぎは予診になり、パーテーションで仕切られた部屋に医者がいて、書類にさっと目を通すだけの楽な仕事だ。つぎにいよいよ接種。男の医者と、看護師の女性がいて、横向きになっている椅子に女性の指示で座る。注射を打たれるためにやってきたことをほとんど忘れていたが、パーカーを脱ぎ、左腕を出すと、すぐにちくっとやられた。パーカーを着て出ていこうとすると、ここで待っているように引き留められるが、何秒も待たず、医者に書類を返される。それから、15分は様子を見る必要があり、会場内で待機になった。椅子が並べられているスペースがあり、そこで待機することになっている。ここまではあまりにもすいすいと進み、ここで初めて、落ち着いてあたりを見まわすが、並べられている椅子の数からすると、一時期はそうとうな人数を相手にしていたのだろう。今は、テープで仕切られて、その半分ぐらいの椅子しか使っていないようだった。とはいえ、きょろきょろしていて不審なやつだと思われてはいけないので、たいして観察はできない。会場内にも、撮影禁止の貼り紙があちこちにあった。待機の席で、まわりのひとが誰もスマホを見ていなかったのが不思議だったが、別に禁止にされてるわけではないだろうと、スマホを見て時間をつぶした。しかし、注射をした左腕はなるべく動かさないようにしていたほうがいいのではと思い、どういう姿勢でいていいのかわからなくなる。やがて15分が経ち、退出する。待機時間は13時11分までという紙を渡されていたから、着いてから、ぜんぶで25分程度だったのか。そのうち、待機が15分。予診票をあらかじめ書いてあれば、もっと早く済んだ。シャトルバスを案内されたが、桜木町には行かないので、そちらには進まず、赤レンガ倉庫のほうに歩いていく。









◇ 放送ライブラリー

 ワクチンのためだけにここまでやってくるのももったいないので、今日はついでに、放送ライブラリーに寄っていくことに決めていた。象の鼻パークを抜け、日本大通りに。放送ライブラリーに到着すると、入り口で、小学生の遠足かなにかにぶつかり、ぞろぞろと入場し終わるのを待つことになった。子どもたちは上階の展示ホールだったが、あとから続いて入っていくと、スタッフのひとに自分も展示ホールを案内された。展示ホールには進まず、いつもどおり、視聴ホールを利用する。

 これは観なければと思っていた、渥美清主演のドラマ「時間よとまれ」をようやく観る。テレビドラマだが、今年5月の、シネマヴェーラ渋谷の小林信彦プレゼンツの喜劇人特集でも上映され、それでこの作品を知ったのだ。1977年放送、「土曜ワイド劇場」の1本で、芸術祭賞の優秀賞を獲っている。寅さんではない渥美清を観ることができるが、しかし、観てみると、そんなに面白いドラマだとも思えなかった。時効寸前の殺人犯を追いかける田舎刑事の物語で、寅さんのキャラクターとも大きく違わないと思ったが、まあ、こういうドラマがあったと知っておくことが大事だ。それはともかく、今日はいちばん手前のブースを与えられ、カウンターからもモニターがまる見えになる位置だったが、ドラマにはストリップの場面がけっこうたっぷりとあり、こんなブースで観ていて大丈夫かなとちょっと心配になった。当然、古い番組には女性の裸が出てくるものも珍しくないはずだが、さっきみたいに遠足の子どもたちが入り口を通ったりすることだってあるんだから、この御時世、クレームがくる前になんとかしたほうがいいんじゃないのか。パーテーションひとつ立てれば済むことなんだから。

◇ 中華街

 放送ライブラリーのあとは、中華街で食べていくのが決まりになっている。15時半頃だったが、しかし、まだあんまり腹も減らず、どこで食べようかとずいぶん歩きまわったが、品珍閣という店に決める。ランチメニューから、豚ロースをカレー風味に揚げた料理とチャーハンのセットを選んだ。メニューをすぐに下げられてしまい、正式なメニュー名は覚えられなかった。料理がやってくると、外に出ていた写真とはずいぶん違っていて、野菜も多く、とろとろのあんがたっぷりかかっていた。ザーサイ、フカヒレスープ、杏仁豆腐が付き、700円弱。ボリュームがすさまじく、食べるのに苦労したが、がんばって残さずにたいらげた。しかし、苦しくてたまらない。前回、中華街に寄った際も、満腹で苦しくなったが、また同じことになってしまった。中華街を出て、関内方面に歩くが、これはきついと思い、横浜スタジアムの公園のトイレに寄り、唾液を吐き出したら、余計に吐気をもよおした。ベンチで少し休まざるをえなくなる。休みながら、日記を確認してみると、前回も品珍閣で食べていた。どこの店だったか完全に忘れていて、安い店だと思い、つい入ってしまった。品珍閣には気をつけよう。ワクチンの副作用で体調を崩すという話は聞いていたが、ワクチンのあとに食べすぎで気持ち悪くなるって馬鹿じゃないだろうか。




 横浜スタジアムの公園で、30分ぐらい休み、もうちょっと歩こうと思い、桜木町方面に向かった。しかし、また気持ち悪くなり、市役所のトイレに駆け込んだ。げえげえ、余計な空気を吐き出したら、少し楽になる。ついでに、丸善も覗いていく。桜木町駅前に出ると、ひとがたくさん集まっていて、なにかと思えば、共産党の演説だ。志位和夫の名前も出ていて、どこにいるのかわからなかったが、ずいぶん大々的だ。チラシを受けとり、少しだけ立ち止まって見物した。通りがかった女子高生が「安倍首相?」と言っていた。



 動く歩道から、ランドマークプラザを抜け、クイーンズの丸善にも少し寄った。横浜美術館の前を通り、日産ギャラリーを抜け、一日がかりで横浜東口に戻ってくる。電車は混んでいたが、なんとか座れ、コーナンに寄るため、星川で降りるつもりだったが、たちまち眠ってしまい、二俣川まで乗り、星川に戻ってきた。1時間ぐらい読書しようと、マクドナルドに入る。ホットコーヒーが、Mサイズも百円だというので、Mサイズにしてもらった。ところが、店内利用は20時までで、30分程度しかいられず、せっかくMサイズにしたのに、まだまだ飲みきれず、外にもって出て、歩きながら飲むはめになった。なんだか今日はドジなことばかりだ。コーナンに寄り、封筒とプチプチを買っていく。

 21時過ぎに帰宅し、すぐに横になり、タイムフリーで、今日の「ナイツ ザ・ラジオショー」を聴いた。オープニングに、なんと、いきなり松田聖子が登場する。今日はニッポン放送の一日PR局長ということらしい。14時台は、ホリがゲスト。テレビ初出演は、一昨日のコージー冨田と同じく、「いいとも」の松村邦洋のコーナーだったのだ。学生時代に、日大の落研のライブに出ていたというのも初めて知る話だった。「ビバリー昼ズ」も聴くと、こちらにも松田聖子は登場していた。胃がすっきりせず、苦しくて横になっていたいのだが、あたまはわりあい元気なのがもどかしい。深夜0時頃、Spotify で、広沢虎造を聴きながら眠った。

2021年10月12日火曜日

10月12日火曜日/秋がなくなった

◇ テレビ・ラジオ・雑誌

 朝、まず、ブログの更新をひとつ。それから、録画していた土曜の「ゴッドタン」をようやく観る。おぎやはぎとナイツで「ジジイ芸人キレ悪検証テスト」。劇団ひとりの若手時代のリズムネタに挑戦し、続いて、怪奇 Yes!どんぐりRPGのネタに挑戦する。ギャグをやるメンバーが交代でセンターにくるというのは、これはジャドーズのスタイルと同じだ。TikTok でバズっている「千円ちょうだい」というのは知らなかったが、4人がこれをやると絶対につまらなくなるのがくだらなくて爆笑した。「ゴッドタン」をDVDに保存しようとしたら、まだ残量があるはずのDVDに録画できないとの表示が出る。また無意識にファイナライズしてしまっていたのか。なぜこういう無駄なことをするんだろう。

 土曜の「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」もタイムフリーでようやく聴いた。14時台は、木梨憲武、ミッツ・マングローブがゲスト。木梨憲武の新譜は Spotify で一度だけ聴いて、もういいやと思い、それっきりだったが、マツコ・デラックスと3人による楽曲は、放送で改めて聴くと、マツコとミッツに引っぱられて、憲武もちからがこもっている。ミッツの女装の原点に、木梨憲武のコントでの女装があったというのは面白い話。憲武も、若いころには2丁目に通っていた時期があり、そこで吸収した芸があるというわけで、芸が循環している。13時前からはオンタイムのラジオに切り替え、「ナイツ ザ・ラジオショー」の前に「ビバリー昼ズ」のエンディングから聴くと、東貴博とナイツで、おぼん・こぼんの話になった。娘ふたりのコンビには、かつて「ビバリー」で、東が中継に行ったそうで、最初は「おぼん子・こぼん子」という名前だったというのは知らなかった。おぼん・こぼんのつぎはTake2だという話にもここで触れる。

 ラジオを聴きながら、楽天マガジンで雑誌のチェックをする。「サンデー毎日」には、先週に引き続き、松尾潔による「永六輔の光跡」の後編が載った。先週の前編では、幼いころに母に連れられて観た永六輔の講演、そして、その講演のあとに、母が、江藤淳の著書に永六輔のサインをもらった記憶が綴られていたが、後編には永六輔との再会が綴られる。2008年に、EXILEの作詞作曲でレコード大賞を受賞した際に、「土曜ワイド」の中継ゲストに出ることになり、そのときに幼いころの記憶を伝え、それから改めて、スタジオにゲストとして招かれることになる。永六輔が早口に語った作詞をやめた理由に、松尾潔は控えめに同意しながら、「変わりゆく、変わらないもの」というアミリ・バラカの提唱した概念を引き、現状の説明を試みるが、永六輔はそれでもなお、現状の大衆音楽のありかたに疑義を呈した様子が描かれている。そして、永六輔と最後に会ったのは、デューク・エイセスの60周年記念シングルを松尾潔がプロデュースするという大役をゆだねられたときだった。「週刊朝日」の一之輔さんの連載エッセイは、10月1日が命日の志ん朝師匠の思い出を。一之輔さんは、志ん朝が亡くなった年の5月に一朝に入門しているのだ。素人時代に最後に聴いた落語は、その年の4月に池袋でトリをとっていた志ん朝の「火焔太鼓」だという。「サンデー毎日」では、中野翠も志ん朝について書いていた。

 これといって、外出する用はなく、午後に近所の郵便ポストまで投函に行くのみ。小雨。外に出ると、半袖ではだいぶ涼しい。昨日も天気予報を確認していたが、予報どおり、ようやく涼しくなってくれた。さすがにこのまま、冬に向かうだろうか。なんだか今年は、秋の期間がなくなってしまったかのようだ。

◇ テレビ・映画

 録画していた今日の「徹子の部屋」を観る。ゲストは桂吉弥。初出演だとは思わなかった。米朝の「徹子の部屋」出演時の映像も観ることができた。1990年の放送。米朝、65歳か。吉弥からは、米朝が「紅白」の審査員をやったときに、安室奈美恵がいちばんよかったと言っていたエピソードが語られた。お客さんいじりをしなかったという米朝に、黒柳徹子も共感を示す。吉弥を見ていると、五十歳だというが、同世代のほかの落語家に比べると、非常にまともな社会人に見える。きちんと世間のなかに生きているということだろう。東京の落語家のことしかわからないが、落語家風のバリヤーを張っているようなひともいっぽうでは多く、世間一般のおとなとはまとっている空気がどうも違う。

 アマゾンプライムで映画を1本。「DUNE/デューン 砂の惑星」の監督をしているドゥニ・ヴィルヌーヴの過去作を観たいと思い、「静かなる叫び」を観た。ウィキペディアにあたると、アマゾンプライムにあるなかではいちばん古い作品で、賞もたくさん獲っているし、77分という時間も観やすくてちょうどいい。モントリオールの大学で実際に起きた銃乱射事件を題材にしていて、その事件のことは知らなかったが、女性を標的にしたいわゆるフェミサイドという犯罪で、2009年の作品だが、むしろ、非常に現在的な題材だ。実際の事件は1989年に起きている。モノクロの映像で、描いている場面は暴力的だが、語り口は静謐で、起きた出来事を描きはするが、多くを語ってはいない。この監督の作品では「メッセージ」だけは劇場で観ていて、これで2本目だが、ほかの作品もまだ観てみたくなった。

 ツイッターを見て、小谷野敦のツイートから、綿野恵太という文筆家が小田嶋隆から執拗に批判されているということを知り、自分とはまったく関係がないのに、不愉快でたまらなくなった。小田嶋隆みたいな人間は大嫌いだ。23時頃には眠る。

2021年7月20日火曜日

7月20日火曜日/相武台・相模原

◇ 相武台・相模原

 朝、森本毅郎のラジオをつけていたら、こちらでもしきりに小山田圭吾の件を扱っている。コメンテーターが、小山田を知らないということをわざわざ言いながら非難していて、一般的な反応というのはどうやらこういうものだ。今日も朝から県央地区に。昨日のカラオケが効いたか、今日は朝からやけに元気がある。ペットボトルを2本半飲み干し、昼間にまた、スギ薬局に寄り、アイスチョコモナカを買って食べた。

 先週、小田急沿線の近場のブックオフにはだいたい寄ってしまい、ほかに寄れる古本屋はないかとグーグルマップで検索すると、相武台前に2店見つかり、今日はここに寄ってみることにした。海老名から2駅、相武台前駅で降りるのは初めてだ。駅に近いほうから、まず、青木書店という店に行ってみる。商店街のはずれといえばいいのか、店の向かいには公園があり、視界をさえぎる建物もなく、公園の手前からよく見えた。ひと時代前からやっている雰囲気の古本屋で、ブックオフにはないような本がごろごろあったが、傷んでいるものが多く、けっこうじっくり探したが、なにも買えなかった。棚の新陳代謝も悪く、いい本はとっくに誰かが買っていってしまっているだろう。青木書店のある通りを北に向かって歩いていく。相武台前駅からは少し離れ、2店目、sabulum(サブルム)という店にたどりついた。ここはさほど古くない、今どきの古本屋だ。アンティークの家具、古道具などを多く扱っているようで、端のほうに本棚が並んでいる。外に百均の本棚が出ていて、そこからもう、好みの本だらけだったが、どうやら、サブカルチャーと文学に強い。外の棚から4冊選び、それから、店内からもなにか買いたくなり、もう1冊、計5冊買っていく。「ブックオフ大学」もあり、この本、私も書いてるんですよと、よっぽど言おうかと思ったが、言わずに出ていく。また訪ねたい店だが、相武台前にくる用はなかなかないか。それから、相武台前のつぎの駅、小田急相模原まで歩いていく。駅の向こうに3店目、二の橋書店という店があったが、ここはカフェもやっていて、店内に入るのはやめた。外の均一本だけ見るが、なにも買わなかった。昼食がまだだったが、食欲がなく、駅前のショッピングビルのドトールに入り、アイスコーヒーとブリオッシュショコラを食べる。






◇ 雑誌

 今日は「クイック・ジャパン」の佐藤伸治のインタビューを読みなおしたいと思い、部屋から探し出し、カバンに入れてきていた。1998年発売の18号。「映画:フィッシュマンズ」を観たときには読みなおしたいと思っていたのだが、それからすぐに、初期の「クイック・ジャパン」がこんなに話題になるとは思わなかった。この号にも小山田圭吾は登場している(ジャン・ラムとの対談)。佐藤伸治のインタビューは、1998年3月だから亡くなるちょうど一年前で、前年には「宇宙日本世田谷」が発売されている。聞き手は「編集部」と表記されているが、ひょっとしたら、村上清かもしれない。このインタビューはリアルタイムで読んだから、今、ふり返ってみると、時間の感覚がおかしくなるが、なんだかもっと以前のインタビューのように錯覚していた。この先のフィッシュマンズが、あると思って読むのと、ないと思って読むのとではまったく違う。佐藤伸治の生前、フィッシュマンズが音楽誌で特集されたという記憶がないのだが、表紙を飾ったのは、音楽誌というよりもカルチャー誌である、これと「スタジオ・ボイス」くらいではないだろうか。このインタビューで覚えていたのは、佐藤伸治はテレビをよく観ているということだった。

「なんか、あの、TVとかダラダラ見るじゃないですか。そのー、俺、TVすごい好きなんです。だから「そんなTVばかり見てる人間に、何が出来るんだよ」っていうところもね、音楽にないと、楽しくないかなっていう。だから自分に忠実でさえあれば、何でもいいのかなって。」

(家では音楽を聴くよりも)「TVがどうしてもね、メインですね(笑)。この一、二年特に。俺ね、あんま人と騒ぐのが好きじゃないんですよ。なんかTVとかに走っちゃうタチなんですね(笑)。」「例えば土日はプロレスでしょ、とりあえず。あと『電波少年』と……『ガキの使いやあらへんで!!』。あの辺は全部見るから(笑)。あと『ガサ入れ』とか、あの辺はちょっと見ます。」

「あとやっぱ、12チャンのね、あのー、素人のドキュメントみたいなのあるじゃないですか。なんか……脱サラして居酒屋を作るとか。」「そういうのがもう……たまんないんだよ最近(笑)。借金一億とか、そういうの。うん、ああいうのがやっぱね、リアルなんだよね、すごく。そういう音楽がほんと作りたい。ああいう、普通っぽい音楽が。そうそうそう。」「『警視庁二四時間』とか、ああいうのはあんまり好きじゃない。でも〝ドロンズ〟の、あの旅のやつあるじゃないですか、ああいうのはすげー好きかな俺。なんか(笑)。」

(テレビをわざわざ録画することはあるかと訊かれて)「ありますよ。プロレスとか、確実に。……プロレスももう、あのー、猪木も長州も引退試合だから、ダメかもしれないですね。……あ、でもね、俺、心境としては、そういうのに近いかな。プロレスラーとか。」「長州は、すごいリアルなんですよ、やっぱり。なんかおっさん臭ーい感じが。二人とも全然タイプは違うんだけど。ああいうのがすごい好きかな……。うん。で、まぁ、音楽でそういうのが出来たらすごくいいなーと思う。」

「なんか「わかった」っていう感じがね、プロレス見てるとよくあるんですよ。あと、『朝まで生テレビ』。すごい好きっすね。」「いやもう、なんか役者揃いで。……でもあれ、一生懸命内容をわかろうとするんだけど、全然分からないですね。……やっぱ、議論してるメンバーの強い人と弱い人の、あの感じがすごい好き。意見言ってもすぐ潰されちゃう奴とかいるでしょ(笑)。「声のデカい奴が勝ちなんだな、この場は」っていう。ああいう感じが好きなんですよ。」

 ツイッターを見ると、近田春夫が、小山田圭吾の後任に名乗りをあげていて笑った。前回の東京五輪は三波春夫、今回は近田春夫で決まりだと。ふざけているひとがいるとほっとする。小山田圭吾は、楽曲が使われていたEテレの番組も放送差し替えになってしまった。こんなことにまでなるのかとただただ驚く。オリンピック・パラリンピックにさえ関わらなければ、ここまでの事態にはなりようがなかった。電車内で流れているニュースの画面には、小山田圭吾の顔が映されていた。ツイッターでさまざまな発言を追いかけてみると、小田嶋隆と町山智浩はめちゃくちゃで、ツイッター中毒者というのはまったく手の施しようがない。真っ当なのは東浩紀。それから、ついに、当事者のひとりといっていい北尾修一が述懐を始めようとしている。


◇ ラジオ

 夜遅くに帰宅し、タイムフリーで、昨日の「ビバリー昼ズ」(ゲスト・宮藤官九郎)を聴いた。それから、ほかのラジオもいくつか、テレビも観ていたが、記憶がはっきりしない。少し眠り、深夜1時からは「爆笑問題カーボーイ」をオンタイムで聴いた。「サンジャポ」での太田の発言が炎上しているということで、冒頭からそれについて語られ、太田のひとり語りは1時間20分続いた。太田光は真摯なひとだ。「サンジャポ」でも語っていたこと、つまり、小山田の行為そのものを時代が容認していたということを言ったのではなく、あのようなインタビュー記事を時代が容認していた、それも、時代のすべてが容認していたわけではなく、そのような局面があの時代の一部にはあった、その背景も含めて考えなければならないということを、丁寧に、丁寧に、言葉を尽くして語っていた。後半に特に強調されていたのは、小山田の行為を、小山田の発言だけを根拠にして、事実と判断するのは危険だということだ。ツイッターなどで一般人が騒ぐのはともかく、報道機関や、プロのジャーナリストたちがそれをやっていることは問題ではないのか。テレビでも雑誌でも、小山田の行為について検証したところは一社でもあるのだろうかと、検証もせずに、ひとりの人間を叩きのめしていることが、どうなるか、つい最近もそういう事例があったじゃないかと。そのあとは、ぱっといつものトーンに切り換わり、通常のコーナーになっても、今夜は番組を最後まで聴いた。

ブログ アーカイブ

5月20日土曜日/「THE SECOND」

◇ 神保町  朝から都内に。小雨だが、予報ではすぐに止みそうなので、傘はもたずに出た。気温も読めず、パーカーを着ていく。今夜は「THE SECOND」を観なければならないから、余力を残しておきたかったが、想定していたよりも時間に余裕が作れなかった。昼は神保町。土曜はランチをや...