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2021年9月7日火曜日

9月7日火曜日/青いものが並んでいる






◇ 新宿西口

 今日も朝から都内に。小田急線で新宿に向かうが、ずっと座れず、登戸のあたりで、呼吸がいよいよ苦しくなり、代々木上原で目の前の席が空き、たまらず座った。ひと駅だけでも座れて楽になる。新宿西口で昼食になり、雑居ビルの3階に、新宿レモンという店を見つけ、本日のおすすめランチから、チャーハン焼き餃子定食を食べた。780円。ランチはドリンクバーが無料になり、アイスコーヒーを飲む。NSビルまで行って、地上にあがり、都庁の前に出た。都議会議事堂の窓際に、青いものが並んでいるのが見える。ブルーシートをかぶせたもののようだが、いったいなにをたくさん並べているのだろうか。都議会議事堂の下の広場に降り、京王プラザホテルの脇を通り、西口まで戻ってきて、ブックオフに寄るが、めぼしいものはない。店内を2周まわり、じっくりと物色したが、それでもなにも見つけられなかった。

 代々木まで歩き、ブックオフにもう1店。意外や、こちらは買うものがたくさんあり、110円の棚に、岩波文庫のいい本がごっそりとあった。110円文庫本を 12冊、220円単行本を2冊と、量が多くなり、袋も買った。このあとはどこか、小田急線沿線のブックオフに寄りたいと思っていたが、代々木で荷物がいっぱいになってしまった。山手線で渋谷に出て、宮益坂のベローチェでひと休み。食べたいパンがなく、アイスコーヒーのみ。コンセントがあり、スマホの充電をする。滞在時間、2時間ほど。東横線の各停で、のんびりと読書をしながら帰ってきた。帰宅前にコンビニに寄り、楽天カードの支払いをしたら、いつの間にか手数料が 220円になっていた。いつも、220円もしなかったと思うんだけども。

◇ ラジオ・テレビ

 タイムフリーで、昨日の「ナイツ ザ・ラジオショー」を聴くと、今週は、ゲストが叱られたエピソードを語るというテーマだそうで、オープニングの最後に少し、東京03の例の一件が話題に出た。叱られたといえば東京03だが、この件も、最近になって、テレビなどでもぽつぽつと語られる場面を目にするようになっている。「オールスター感謝祭」のあの場に、ナイツも出演していたのだ。止めにいこうとした西川きよしと、シルク・ドゥ・ソレイユがぶつかりそうになっていたなど、現場にいたものならではの証言があった。その直後のクイズでは、土屋が最後まで残ってしまい、紳助にコメントをふられても、はっきりと答えたつもりだったのに、放送を観たら、びびっていてぜんぜん声が出ていなかったという。

 聴きそびれていた先週火曜の「伊集院光とらじおと」も聴く。京須偕充がゲスト。伊集院が言うには、この放送時には、「圓生の録音室」はアマゾンで4万8千円もしていたようだ。録音風景の思い出を訊かれた京須は、圓生のきびしさよりも、和やかな場面のほうが記憶に残っているという。「圓生百席」のなかのおすすめを訊かれると、京須さんは「文違い」をあげた。小三治のすごさはどこかと訊かれ、京須「まるで日常の会話のように、落語じゃないようにしゃべれる落語家。つまり、一般の市民のね、テイストでしゃべれる…、つまり、「そうするってえと」で逃げてないというか」「無論、じゃあ、「そうするってえと」って言いかたをあのひとがしないのかというと、そうではないんですけど、いわゆる落語家の、これが落語の口調なんだよというかたちではやっていない。そうとうね…、そうなるまでには、時間かかってると思いますけどね。」  現在の落語家でいいと思うひとは誰かと訊かれると、京須「それはねえ、さっき、(京須のことを)現役とおっしゃっていただいたけども、そのう、いろいろ、取り引き関係もありますのでね。(笑)」

 録画していたテレビ番組もいくつか。まず、今日の「さんま御殿」を観ると、「せっかち軍団 VS のんびり芸能人」というテーマで、せっかち側に別所哲也が出ていて、くだものは皮を剥かずに食べるという話などをしていた。横浜には、ブリリア・ショートショートシアターという短編映画専門の映画館があり、閉館してしまったが、別所哲也はかつてそこの代表を務めていた。その映画館を開設したのが別所哲也であり、ショートフィルムのフェスティバルを主宰するほどの短編映画の愛好者だが、つまり、せっかちだから短編が好きだったということなんだろうか。

 土曜に放送された「アナザーストーリーズ」という番組では、志ん朝のドキュメンタリーをやっていた。再放送かなにかだろうとは思っていたけど、確認すると、2017年6月にBSで放送されたものだ。談志との関係にも大きく時間を割き、談志師匠の高座の映像では、麻原彰晃についてしゃべっているところを使っていて、なぜそこをと思った。亡くなった川戸貞吉や左談次師匠がインタビューに答えていた。川戸「口が裂けてもライバルとは言わなかったろうね。談志さんのことだから。たとえライバルと思ってても。」

 夜、鼻水がひどくなり、横になり、ラジオを聴きながら、2時間ぐらい眠った。深夜1時半頃に目が覚め、「爆笑問題カーボーイ」を途中から聴いたが、どこまで聴いたのか、記憶がはっきりしない。朝までブログの更新をしていたはずだが、そういえば、部屋のどこかに「圓生の録音室」があるはずだと思い、積み重なっている本をどけてみたら、小山田圭吾が表紙の「クイック・ジャパン」が出てきたのでびっくりした。1ヶ月半前に見つけていたら、読みなおしたかった。

2021年7月13日火曜日

7月13日火曜日/金の計算をする

◇ 貧乏暇なし

 早朝に目覚め、TBSラジオの、生島ヒロシ、森本毅郎の番組をつけっぱなしにしていると、菅内閣の支持率が低くなっているというニュースをくり返している。暑くなってきたせいか、疲れがぜんぜんとれず、起きあがるのもつらい。今日は朝から、小田急線の愛甲石田まで。午後は本厚木に移動し、マイカリー食堂で、欧風カツカレーを食べた。550円。アミューあつぎのブックオフに寄るが、あまりいいものはなく、2冊だけ買っていく。ベローチェでひと休みするが、どうも読書が進まなくなってしまった。金の心配があり、金の計算ばかりしている。有隣堂を少し覗き、それから、銀行に寄り、もう帰ろうかと駅に向かいかけていたが、もうひとつ銀行に寄る必要があることを思い出し、また別の銀行のATMに寄ってから、ようやく帰る。


◇ ラジオ・テレビ

 夜に帰宅し、タイムフリーで、先週木曜の「TOKYO SPEAKEASY」を聴いた。この番組、AuDee でも聴けると思い、しばらく聴いていなかったが、この日は古舘伊知郎と水道橋博士という顔合わせなので聴いておきたくなった。YouTube を観る時間もなかなか作れず、追いかけていないとなかなかわかりにくい話も多いのだが、相沢さんが作った年表の間違いを指摘した古舘伊知郎が、逆に、その記憶の違いを相沢さんに正され、しかもその心理状態まで分析され、うならされていたのがすごい。最後のオナニーの話は、古舘がしゃべり始めてすぐに博士はわかったようだが、自分もこの話をするのだとすぐにわかった。たしか、「第4学区」でその話をしていて爆笑した記憶があるが、記憶の捏造の話を聴いたあとでは、その記憶も正確なのかわからなくなってくる。

 夜に放送していた「チマタの噺」を追っかけ再生で観る。先週に引き続き、小堺一機がゲストの後編で、先週の予告の映像にも出ていて楽しみにしていたが、今週は、小堺一機の気になるひととして、高平哲郎がVTRに登場した。途中まで、鶴瓶が高平哲郎のことを知らないふうな様子で、そんな馬鹿なと思いながら観ていたが、鶴瓶の勘違いで、あの高平哲郎だとは思わずに話を聞いていただけだった。小堺は「ぎんざNOW」のころに、高平哲郎のインタビュー本を読み、線まで引いていたという。高平とは「いただきます」で出会い、二十代の小堺に、笑いに関する本や映画を教え、英才教育をしてくれたという恩師なのだ。談志師匠の会に呼ばれて、スタンダップコメディをやったエピソードもあり、それも初めて聴くものだった。談志師匠がソデで聴いていて、笑っていないのが見えていたが、終わったあとに「オチに向かってねえのがいいな」と褒めてくれたという。

 深夜1時からはラジオ。「爆笑問題カーボーイ」をオンタイムで聴く。オープニングは、亡くなった映画カメラマンの前田米造の思い出話。前田米造というひとを知らなかったが、森田芳光作品を多く手がけたカメラマンであり、太田が監督した「バカヤロー!4」のカメラマンでもあるのだ。コロナ禍での死という話から、ロッキング・オンのフェスが中止になった件について触れ、かつて、干されていた時期に、音楽番組に使ってくれたのが渋谷陽一とNHKの石川というプロデューサーだったという話にもなった。そのプロデューサーが演芸班に移り、「新人演芸大賞」を担当したのがきっかけで爆笑問題が出場したというのはまったく知らない話だった。

2021年7月7日水曜日

7月7日水曜日/「日本の喜劇人」を読む(13)

◇ ラジオ

 早朝に目覚め、聴きそびれていたラジオ番組を、タイムフリーやポッドキャストなどであれこれと聴きつつ、雑務を片づけ、合間に読書もしていた。家にいるのだから、のんびり読めばいいのに、数分ずつのこまぎれの読書。いったん、近所の郵便ポストまで出て、昼間は「ビバリー昼ズ」をオンタイムで聴いていたら、少し眠ってしまった。午後は「ナイツ ザ・ラジオショー」。ゲストの AMEMIYA が、元相方が脚本を書いてるというので、検索してみると、西条みつとしという名前で、誰かと思えば、あれきさんだーおりょうだった。そういえば、これは前にも確認したことがあったはずで、よっぽど関心がないのか、すぐに忘れてしまう。タイムフリーで、日曜の「山下達郎のサンデー・ソングブック」も聴いた。Spotify ではなにを聴いてるんですかというリスナーからの質問に、Spotify では落語しか聴きませんと答えていた。

 夕方、駅前まで買いものに出て、すぐに帰ってくる。家を出た直後にアマゾンから注文があり、大きいものが売れてくれた。大きいというのは物理的なことで、本のサイズが大きく、出品しているくせに、いざ発送するとなると、どうすればいいのか困るようなしろものだ。いつも利用しているクリックポストやクロネコDM便とはわけが違い、手元に準備がなんにもない。あと1時間早く注文があれば、もしくは、あと1時間遅く外出していれば、今日中に箱ぐらいは用意できたのに。ツイッターからニュースを見ると、東京の新規感染者は920人に。

◇ 読書

 小林信彦「決定版 日本の喜劇人」の続きをまだ読んでいる。後半、「日本の喜劇人2」の第二部、藤山寛美の章を読んだ。この本全体を通して、自分の知識がいちばん追いつかないのがこの松竹新喜劇に関する箇所で、松竹新喜劇に関してはなにしろ、映像でも観たことがないし、人名もわからない。しかし、1990年に亡くなった藤山寛美の訃報は、リアルタイムでの記憶がたしかにあるのだが、そのとき、中学2年生だった自分が、少なくとも、藤山寛美の名前は知っていたということか。この章の導入部に、「EXテレビ」で島田紳助が引用したという談志師匠の発言が出てくるが、中学2年生のときに、立川談志という名前を認識していたかはわからないが、「EXテレビ」は観ていたとしてもおかしくはない。後年、談志を通じて多くのことを学習したが、もしかすると、上岡龍太郎を通じて、意識せずに学習していたこともあったのかもしれない。「決定版」の後半は「日本の喜劇人2」となってはいるが、植木等も、藤山寛美も、小林信彦はじかに関わり、ここに書かれていることはその個人的な体験が主である。渥美清、横山やすしについては、それぞれ一冊の本が書かれているが、「決定版」の後半部はむしろ、それらの作品に連なるもので、しつこいようだが、「日本の喜劇人」とセットに組むのは無理矢理な感じがする。

◇ テレビ・音楽

 録画していた「ゆりやんと七人のツッコミ」という番組を観た。「R-1」の優勝特番で、ゆりやんレトリィバァが作ったVTRを、ゆりやんが選んだ七人に観せ、ツッコミを入れてもらうという企画。その七人とは、陣内智則、粗品、かまいたち濱家、千鳥ノブ、おいでやす小田、見取り図盛山、ハリセンボン春菜というメンバーで、見事に吉本ばかりだ。七人それぞれ、別々に映像を観て突っ込んでいるので、言葉がかぶるという都合はあるだろうが、ツッコミの音声が消されている場合があり、それに気がつくと、どうも面白みが半減する。目論見ほどには、ツッコミが面白くならなかったという感じがするが、ただし、ゆりやんの映像はすこぶるくだらなく、笑わされるポイントはツッコミではなく、映像そのものだった。こういう番組は、構成作家を思わずチェックしたくなる。それから、「しゃべくり007」の2時間特番もざっと早まわしで観た。こちらは、戸田恵梨香とハリウッドザコシショウの即興芝居がいちばんの見どころだった。

 Spotify で KERA のアルバムが配信されていたので、深夜、さっそく聴いた。毎度思うが、Spotify は配信開始日をどこかにきちんと表示してもらいたい。「まるで世界」というカバーアルバム。KERA の歌声は特に好きということもなく、曲によるというところだが、「マリリン・モンロー・ノー・リターン」がこのアルバムではまず好きだ。聴きながら眠る。いよいよ部屋が暑くなり、自分の体温が不快で、なかなか眠れなかった。

2021年6月10日木曜日

6月10日木曜日/「日本の喜劇人」を読む(6)

◇ テレビ・雑誌

 少し読書して、早朝5時頃から3時間ほど眠った。午前中にブログの更新をひとつ。録画していた昨夜の「あちこちオードリー」を観る。今週は、パンサー向井プレゼンツ「反省ノートSP」という特別編で、アルコ&ピース平子、3時のヒロイン福田、吉住が出演した。これは想像以上に面白い回。通常の「反省ノート」のコーナーもあり、ギース尾関の小6の娘が反抗期だというが、たしか、娘のことを書いた本も出していたのに、これは切ない。続けて、「はなつまみ」を観ると、こちらはゲストMCにナイツ土屋が登場した。ラジオリスナーにはおなじみの、土屋のお年玉の一件をついにテレビでも扱い、ラジオでは、もういいよと思っていた話題だが、テレビで改めてやり合うのは新鮮で笑った。それから、普段の土屋が気づかれないという話題に続き、「問わず語りの神田伯山」「ナイツ ザ・ラジオショー」「ビバリー昼ズ」「爆笑問題カーボーイ」と、すべて連動していて、全体でひとつの大きな番組のようだ。この番組、月末の特番にはなんと、志らく師匠が出演だと。伯山が仕掛ける不毛なケンカを「はなつまみ」がうまく回収してくれる。

 テレビを観ながら、楽天マガジンで週刊誌のチェックもする。「週刊新潮」によると、羽生善治がナベプロ系のトップコートの所属になったという。杏と畠田理恵が親しいそうで、なるほど、「聖の青春」で東出昌大が羽生を演じた縁もあるのか。そのほか、横浜市長選に渡辺真理が出馬かとの記事があり、本人に取材すると否定していて、自民が候補者選びに苦戦しているという表れかという内容だった。

 夕方、ヤマトの営業所まで。途中、そうてつローゼンに寄り、今季初めて、アイスチョコモナカを買って食べる。二俣川に出て、くまざわ書店に寄り、「週刊文春」を立ち読みしていく。小林信彦の連載は、シネマヴェーラの特集上映にもからめ、B級映画について。エノケンと三木のり平、それぞれの「孫悟空」について書かれていて、三木のり平にはかなり辛辣だ。西友のイタリアントマトに入り、読書をする。滞在時間、2時間ほど。

◇ 読書

 柳家小三治の自伝、「どこからお話ししましょうか」を読み終えた。談志ファンとしては、小三治の談志評がとりわけ面白い。「あの人はいつも他人がいると、かっこつけたがる人でした。」「あの人は世間を気にして生きてる人でしたからねえ。」「とっても手柄を大事にしてたし、国会議員になりたい、議員になればえらいっていう、そういう庶民感覚でしたから」と、同門のすぐ上の兄弟子だったからこその言いかたで、いっぽう、志ん朝はそういう部分がなく、小三治も志ん朝も世間体を気にしなかったから気が合ったという。しかし、談志とは「おんなじ柳家に育って、どういう芸を目指すのを良しとするか、どういう芸が良くて、どういう芸はみっともないのかとか、そういうことについては、いつのまにか意見は合うようになってたんだろうと思います。」「そういう点では、談志さんとは世間では合わないように思ってるかもしれないけど、合ってはいましたね。」とも語っている。別のページでは、小三治がまだ前座のころ、談志が若いものを集めて、「新しい時代が匂わないような言葉を使ってやれ」というようなことを言っていて、いいなあと思ったということも語られている。小三治の育った環境をこの本で改めて追いかけていくと、そこからはやはり、談志とは合わないだろうという感じがあり、特に、母親に抱いている複雑な感情は、この本を読むまでは知らなかった。そして、落語に出会ったのが中学三年だというのも、意外と遅いと思い、驚いた。

 夜に帰宅し、帰宅後も読書をする。「決定版 日本の喜劇人」の続きを読み進めているが、第六章は「醒めた道化師の世界」と題し、宍戸錠と小林旭について書かれている。この章はこの本のなかで、小林信彦独自の視点がもっとも現れている章といっていい。宍戸錠と小林旭を喜劇人として捉え、現在は大泉洋を喜劇人として評価する。喜劇人という肩書きが存在するわけではなく、喜劇を演じる俳優が喜劇人なのだ。

 アマゾンプライムで映画を1本。小林旭主演の「東京の暴れん坊」を観た。今日読んだ「週刊文春」で、小林信彦がちょうどこの映画について書いていて、観るなら今日だと思った。小林信彦が書くとおり、これはたしかに可笑しく、特に序盤はずっと面白かった。観たうえで、「週刊文春」をもう一度立ち読みしなおしたい。深夜2時半過ぎに眠る。

2021年3月10日水曜日

3月10日水曜日/蔵前





◇ 蔵前

 朝から都内に。昼食は蔵前になり、すき家でビビンバ牛丼を食べた。隅田川テラスのベンチで、ひと休みする。今日は春のような暖かさ。周辺を歩いてみて、浅草、両国との距離感が初めてつかめた。蔵前駅の地下鉄の出口を出てすぐのところに、御蔵前書房という古本屋がある。写真では見たことがあったが、とんでもなく年季の入った店だ。棚が傾いてしまっていて、店の奥に入っていっていいものか。というよりも、店全体が傾いている。外からは店の奥は見えず、会計をする際はこの奥に入っていくのだろうが、まるで洞窟にでも入っていくような探検家の気分がする。手前のほうの棚を眺めると、あまり手入れがされないまま、長らく売れ残っていそうな本が多く、そのなかにもこれはと思う本はあるが、さすがに安くはない。なにか買うものがあればと思ったが、なにも買わなかった。

◇ 読書

 夕方には横浜駅まで戻り、ムービルのモスバーガーに入る。テリヤキチキンバーガーを食べ、コーヒーを飲み、読書をしてから帰る。

 野坂昭如「俺の遺言 幻の「週刊文春」世紀末コラム」を読み終えた。2016年刊、文春文庫。「週刊文春」連載コラムのなかから、単行本化されていない1995年以降のものを厳選した文庫オリジナルで、1999年の最終回まで掲載されているから、まさに世紀末コラムだ。編者は坪内祐三。坪内も連載していた「週刊文春」のバックナンバーを整理しているうちに、野坂のその時代の時評が衰えていなかったことを発見する、その過程が解説に書かれている。こんな本は、坪内祐三でなければ編まれない。野坂昭如は2015年に亡くなり、坪内祐三は2020年に亡くなった。

 夜に帰宅し、もう少し読書をする。奇しくも、コラムの名手をもう一冊、小林信彦「コラムは笑う」を読み終えた。1992年、ちくま文庫。こちらは1983年から1988年に「キネマ旬報」に連載されたコラム。編集部の要望により、映画以外の批評にも触れる〈エンタテインメント評判記〉というかたちをとったそうで、この時代に少年だったものとしては、テレビの話が特に面白い。具体的には、とんねるずやたけしについての評価が。あるいは、たけしに「理解不能な中傷」をされたという一件(P204)はこれを読むまで知らなかったし、また、談志師匠が「週刊サンケイ」に連載していた映画評に強い共感を示している(P378)ところには感慨も湧いた。ほかにも、高田文夫の落語、円丈の「御乱心」、「ゆきゆきて、神軍」などなど、楽しく読んだ。

(★目次では見つけられない箇所だけ、ページを記しておきます。自分で探しなおすときのために。)

 

2021年1月26日火曜日

1月26日火曜日/観客の視線

◇ 迂闊

 朝、クリックポストを作ろうとすると、カードの利用額がなぜか足りなくなっている。なにか把握していないものに使われているというわけで、不気味に感じるが、利用履歴を確認すると、ヤフージャパンで引き落とされている。いつの間にかプレミアム会員になっていたようで、その料金だ。日付を見ると、5月開始になっているから、どうやら半年無料かなにかで登録して、そのまま忘れていたのだ。料金は11月から発生している。忘れているくらいだから、まったく利用はしていない。会員特典を確認してみるとこれからも使わないだろうと思い、すぐに解約したが、無駄に3ヶ月分も払うことになった。つねに金がないというのに、どういうわけか迂闊なことをする。

◇ 今日の読書

 今日は朝から都内に。帰りに渋谷に寄り、古書サンエーの外の百均から文庫本を1冊だけ買った。横浜に戻り、帰宅前にベローチェで読書をしていく。

 新潮文庫になった「絶滅危惧職、講談師を生きる」を読んだ。杉江松恋さんが神田松之丞のインタビューをまとめた本で、読みたいと思いながらもずっと読みそびれていた。今さら読んでもツイッターには書きづらいと思っていたせいもあるのだが、読んでみるとやっぱりとても面白く、昂揚感が湧いてくる本だった。この文庫本は2019年11月の新刊で、翌年2月に神田伯山を襲名する。単行本は2017年刊で、わずか数年前だが、そのころにはまだテレビにはあまり出てなかったんだなということに改めて気がつく。なのに、当時の感覚では、すさまじくメディアに出ているという感じがしていた。この本が出てからだいぶ時間は経っているので、ほかの媒体を通じてすでに知る話も多いが、入門前に観客の視線をたたき込んだという話は、ほかのインタビューで読んでとても印象に残っていた。談志師匠への傾倒も伯山に興味をもった大きな要因だが、毒舌が談志師匠の影響というだけではない、この観客の視線こそが談志師匠と同じに思えて、個人的には伯山への信頼度があがるきっかけとなった。

 深夜、「爆笑問題カーボーイ」をオンタイムで。田中の代役にはアンジャッシュ児嶋が登場。太田が児嶋に喧嘩腰になるかたちもやってみせるが、状況をまじめに伝える話もかなりあった。代役の活躍に、田中が嫉妬する心配をしているのが可笑しい。聴きながら眠る。

2021年1月16日土曜日

1月16日土曜日/いらいらする一日

◇ やりなおし

 決まっていた仕事がなしになり、金の計算をやりなおしていた。疲れきってしまい、いらいらしながら過ごしていた一日。こういう日は、なにをやっていたかつい数時間前のこともすぐに記憶があいまいになる。ほかのことを考えながら、ラジオをつけたり、録画してあったテレビを観たりしている。金曜は決まって録画する番組が多く、週末はたまったバラエティ番組を駆け足でチェックするということになりがちで、ひまなときなら楽しい作業だが、生活のバランスが崩れてくると、なんてつまらないことをやってるのかという気になる。

 昨夜の「A-Studio+」を観た。高橋一生がゲスト。上田岳弘との交友関係は知らなかった。昨夜、メルカリでずっと売れ残っていた上田岳弘「ニムロッド」がようやく売れてくれたが、この番組のせいだったのか。これは観ておいてよかったと思った。

 夕方、ヤマトの営業所まで。二俣川のドトールで読書して、西友で買いものしてから帰る。今日は読書も調子が出ない。

 夜、ラジコのタイムフリーで、木曜に放送された「TOKYO SPEAKEASY」を聴いた。いつも AuDee で聴いてしまうので、放送では國村準がナビゲーターとして登場することを忘れていた。山田雅人と太田光という、「かたりの世界」のイベント以来の顔合わせ。イベントと重複する話も多かったが、前半は野球の話、後半は芸人の話となり、天才たちのエピソードとしてつながった。長嶋茂雄、横山やすし、立川談志。それぞれが用意したリクエスト曲はどちらも芸人にまつわる曲で、山田雅人は横山やすしの「俺は浪花の漫才師」、太田は越路吹雪の「コメディアン」をかけた。

2021年1月11日月曜日

1月11日月曜日/松元ヒロのドキュメンタリー

◇ ひとが寄ってこないやつ

 今朝の「グッとラック!」を観ると、橋下徹は大阪からのリモート出演になっていた。若林アナも別スタジオからのリモート。またこの状態に逆戻りか。

 昼間はいつもどおり、「ラジオビバリー昼ズ」を聴く。みうらじゅんがゲスト。オープニングでは、瑛人の「情熱大陸」を観た高田先生が「ひとが寄ってこないやつはだめなんだ」とずばっと言っていた。「いちばん必要ないのは努力と学歴」という言葉もぐさりとくるもので、文字起こしの難しい高田先生の口調だが、この部分を書き留めておきたくなる。

 「たくさんいろんな本読んでんだけど、やっぱりね、芸術家とか創作者、本の編集長とか、ラジオパーソナリティとか、みんなね、明るくなきゃだめなんだ。まず、明るくなきゃ、こういうときこそ。ひとが寄ってこなきゃだめなんだ。この商売ね、ひとが寄ってこないやつはだめなんだ、才能がないから。要するに、いちばん必要ないのはね、努力と学歴だって。そのとおりだよ。努力と学歴ってのはどうにもなんないんだよ。才能だから、ひとが寄ってくるってのは。愛されなきゃだめなんだよ。その点、昨日、瑛人を観てたら愛されるわ、あれ。」

 今日は成人の日の特番で、「ナイツ ザ・ラジオショー」はお休み。文化放送の「ゴールデンラジオ」をつけるが、こちらも大竹まことが不在で面白くない。祝日は休むという決まりなんだっけ。

 夕方、ヤマトの営業所まで。二俣川のドン・キホーテでコピー用紙を買い、松屋で焼き牛めしを食べた。1時間ぐらいで帰ってくる。満腹で、からだが重くなった。タイムフリーで、「ラジオ寄席」の五代目小さん特集を聴きながら、しばらく横になっていた。中村メイコの「ラジオで語る昭和の話」のゲストがテリー伊藤で、この番組もひさしぶりに聴いた。

 夜はテレビを観る。「しゃべくり007」で、菅野美穂がママチャリで暴走していたのが面白かった。番組中でも言われていたが、たけしの芸風である。

 瑛人の「情熱大陸」も TVer で観てしまった。ほかの番組で密着取材されてるのも観ていたから、すでに知ることも多かったが、なにがそこまで高田先生の琴線に触れたのだろうと思いながら。 Spotify で新アルバムもチェックしてしまった。

◇ テレビで会えない芸人

 松元ヒロを追いかけたドキュメンタリー「テレビで会えない芸人」もようやく観ることができた。最初に放送されたときに録画をしそこねてしまったが、「FNSドキュメンタリー大賞」を受賞したために再放送してくれた。松元ヒロはもともとは〈笑パーティー〉というトリオで、子どものころに「お笑いスター誕生!!」で観ていたひとだ。〈笑パーティー〉の時代にやっていた芸は、パントマイムとコミックバンドである。この番組でチャンピオンになった〈笑パーティー〉と〈キャラバン〉という2組が、のちに合体して〈ザ・ニュースペーパー〉となる。「お笑いスター誕生!!」を観ていた子どもからすると、スーパーグループだったのだ。〈ザ・ニュースペーパー〉には、ドリフの付き人として知られる〈すわ親治〉もいつの間にか合流していた。そのすわ親治もこのドキュメンタリーには登場していて、すわ親治と松元ヒロが高校の同級生だということをここで初めて知った。

 漫談家としての松元ヒロはいつ観たのだろうか。記憶が定かではないが、談志ファンにとっては観る機会の多い芸人であったことはたしかだ。当初はパントマイムのネタもあり、そっちの芸が好きだったのだが、あるとき、単独ライブに行ってみたら、完全に政治ネタばかりになっていてちょっと困惑した記憶がある。ドキュメンタリーでは、談志師匠から言われた言葉を松元ヒロが語っていた。「テレビに出てる芸人は、俺はサラリーマン芸人って呼んでるんだ。テレビにクビにならないようなことしか言ってないんだ。芸人っていうのはなあ、ほかのひとが言えないことを代わりに言ってやるやつ、これを芸人って言ってたんだ。お前を、芸人と呼ぶ。」

ブログ アーカイブ

5月28日日曜日/「ハマフェス」2日目

◇ テレビ  朝に起きあがり、まず、ブログの更新をひとつ。それから、録画していたテレビ番組をいくつか。今朝の「シューイチ」という番組に、新しい学校のリーダーズが出演すると知り、録画しておいた。出演といっても、VTR出演のみだったが、しかし、観たことのない番組だから構成がわからず、...